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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

20180601 テイムダール×吉田達也×山本精一、吉田達也×宮本玲 / 京都 外

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平日だから、ちょっと悩んでいたんですが、月初だし大丈夫だろうと予約してみました。結果的には大正解でございました。

 

開場時間を少し過ぎた頃に会場へ。既に10人近くの人が並んでいてびっくりしたりでした。中へ入り、少しあった椅子席2列目に座って開演を待ってました。徐々にお客さんが増えていって、そこそこ埋まっていた感じだったかな。

 

10分遅れくらいで開演となり、吉田さんから本日の流れが説明されました。まずは「吉田達也×宮本玲」、次は「テイムダール×吉田達也」、最後は「テイムダール×吉田達也×山本精一」という3部構成とのこと。説明からそのまま演奏へと流れていきました。

 

 

吉田達也×宮本玲

吉田さん(Dr)とVampilliaの宮本さん(Vl)で是巨人の曲を演奏してました。宮本さんは何度か是巨人のライブにゲスト参加されていたことがあって、演奏力などに申し分ないはずですが、デュオということでちょっと不安があったり。でも、そんな不安は一切無駄でした。

 

アホみたいなユニゾンパートというところは、要所要所でループを上手く使うことで結構カバーできていて、ヴァイオリンの旋律で思いの他ポップなメロディーがくっきりと聴こえてきて、是巨人の楽曲を違った角度から見ることができて、面白かったです。

 

手数が多く、切り裂くような吉田さんのドラムと、美しくも力強い宮本さんのヴァイオリン。この演奏だけでも来て正解と思えるものでした。演奏時間が20分くらいと短かったことだけが少し残念ではありました。

 

 

テイムダール×吉田達也

第2部.デュオでほぼ曲をやるとのことで、RuinsやChild Abuseの楽曲などが演奏されたのかな。

 

テイムさんはフレットレスベースに大量のエフェクター繋いで、ありえないレベルのヤバい音を出しまくってました。こちらの演奏は、先ほどの爽やかさもあったものとは全く別のハードコア全開の爆音超テクの爆裂サウンド。あえて例えるなら、Lightning Boltっぽい音だった感じです。

 

むちゃくちゃ複雑怪奇なハードコアサウンドの洪水を浴びさせられ、あまりの凄さに椅子から転げ落ちそうになることが何度も。そして、凄過ぎて思わず爆笑してしまったりでした。恐ろしい手数の吉田さんのドラム。それに全然負けない手数たっぷりのゴリゴリベースと、フレットレス独特の音がにゅっと上がっていくところが快感だった。こちらも20分くらいの演奏でした。もうちょっと聴きたかったな。

 

めちゃくちゃ好きなタイプのベースで、音源買いたかったけど、CD持ってくるの忘れたらしくて、買えずに残念でした。

 

 

テイムダール×吉田達也×山本精一

第3部は山本精一さんも加わってのトリオ。完全即興だったと思います。山本さんは、セッティング中に出してたギターの音がヤバい感じだったんですが、淡々と準備してた。

 

セッティングも終わり、一旦ハケてすぐに3人で出てきました。そしたら、山本さんのテンションがぶっ壊れてました。いきなり叫んだり、すっごいヘラヘラ笑いながら客席見てたり、フィンガーイーズの缶を投げつけたりと、お客に危害を加えそうモードでした。その様子を見て「出ましたね」と笑ってる吉田さんも怖いわ。

 

そんなテンションで始まった演奏がつまらない訳はなく、いきなりテンションMAXなぶっ壊れたロックサウンド全開で最高でした。アンコール込みで50分くらい。4パートくらいの即興演奏だったかな。多くの場面で山本さんが暴走していて、それをあとの2人が乗っかりながらさらに暴走させていくような演奏でした。アンサンブルが溶け合うようなものではなく、それぞれの音がガチガチにぶつかり合うことで、結果的に気持ちよく聴こえて成立する、そんな演奏だったように思いました。

 

本当は3パートくらいで終わりにする予定だったと思うんですが、曲が終わって様子を伺いだしたところで、山本さんが演奏を始めてそのまま即興へなだれ込む嬉しい誤算があったり。アンコールでは、270度くらい回転して、あらぬテンションとなっていた山本さんは、椅子から立ち上がって、ギターを振り下ろしながらいつまでも終わらないキメを連発していたり。

 

しかし、本当に凄い演奏でした。3人という人数と、この組み合わせだからできた演奏だったとはっきり感じる素晴らしいものでした。即興演奏は、人数が増え過ぎると、互いの距離感が狭まったり、遠慮が出てつまらなくなると思っています。3人までだと各々のプレイヤーが自由にできる幅もあって、それに乗ったり、違うアプローチでつついたり、そのときのテンションや演者の音楽性がアンサンブルに現れやすかったりと演奏が生きるんですよね。今回は、まさにそんな演奏だったように思いました。混沌の中にも幅広い音楽の片鱗が見え隠れしていて。そして、山本さんのあの暴走をサラッと演奏として成立させることができる吉田さんとテイムさんにも脱帽な夜でした。あんなん、その辺のプレイヤーだったら裸足で逃げ出すやろう。

 

www.youtube.com

テイムさんが参加されてるバンドかな

 

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で、外は本当にいいハコだなと思ったりです。音の良さはもちろん、演奏中に写真撮りまくるような人もいないし、いつも「音楽を聴きにきている」お客さんが集まっている印象があります。やってるイベントも面白いし。ちょっと遠いのがネックですが。

 

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ライブの後は、みみおで中華そば食べて、ちょっと酔いも進みながら、週末の疲れを連れて爆睡することができました。