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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

9.12 サンヘドリン(灰野敬二、吉田達也、ナスノミツル) /秋葉原GOODMAN

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前日からこの日のお昼にかけて東京方面の出張があり、その帰りに面白いイベントはないかと調べていたら見つけました。灰野敬二さん(Gt)、ナスノミツルさん(Ba)、吉田達也さん(Dr)という鬼のようなメンツ3人によるバンド、サンヘドリンのライブです。
 
昼過ぎに職場の面々と別れ、ひとり秋葉原方面へ。どこかその辺寄るつもりだったんだけど、ちょっと眠ったらそのままギリギリまで寝てしまっていました…。慌てて会場へ。
 
案の定、出口を間違えてしまい、めっちゃ迷いながら開場時間くらいに到着。せっかくだから最前列で被りついて観ることにしましたよ。前列半分くらいは椅子あり。その椅子席はほぼ埋まり、後方には立ち見が出るくらいの盛況っぷりでした。平日だっただけに、仕事帰りと思われるスーツ姿の人もチラホラとお見受けできました。開演時間を少し過ぎたあたりで3人が登場です。
 
この日は間に休憩を挟んでの2部構成でした。前半はナスノさん、灰野さん共に椅子に座りながらの演奏でした。ナスノさんは高めの椅子で、座るというよりはもたれかかるような感じ。
 
 

第1部

ナスノさんがツマミをいじりながら電子音を会場に響かせ、徐々に空気を作っていく…。そこから徐々に加速していくように熱を帯びていき、灰野さんのギター、吉田さんのドラムが被さっていきました。3人とも手数が多い。吉田さんは涼しい顔をしながらありえないスピード感で叩いていました。とにかく音が速い速い。スティックを振り下ろしてから自分の耳まで圧倒的な速さで到達する感覚はこの方ならでは。灰野さんは椅子から飛び出してしまうのでは?という程に激しくギターを掻きむしっていました。2台のギターアンプから出てくる音は鋭利な刃物のようで極悪なもの。そして、その2人の音を繋ぐようなナスノさんのベースが素晴らしかったです。約40分ほどの演奏でしたが、誰からも目が離せない、
 
この前半パートは各メンバーの個性が激しくぶつかり合うような、そんな演奏だったように思いました。
 
 
 
 
 

第2部

休憩を挟んでからの後半パート。灰野さん、ナスノさんは出てきてからおもむろに椅子をどけて立って演奏されていました。
 
ナスノさんの電子音で始まるのは同じでしたが、先ほどのようなスピード感溢れる激しい演奏もあったり、深い闇の中に誘われるようなドローンサイケな展開があったり、かなりアバンギャルドな絡み方をする場面があったりと広がりのある演奏だった印象がありました。中盤に民族的な感じの展開もあって、灰野さんのリヴァーブがかったギターのせいか、真夜中にどこかの原住民が怪しい祭りをしているような錯覚に陥ったり…。恐ろしい程に黒い音世界が広がったかと思ったら、最後は澄み切った灰野さんのギターが美しく響き、意識を持っていかれるようにフェードアウトして演奏は終わりました。
 
 
 
 
 
前半、後半とまったく違った顔を見せる演奏に脱帽でした。敢えて言うなら、前半はロックだったし、後半はサイケだった。でも、どちらの演奏も楽器間の間合いや隙間が独特で、一言では言い尽くせないこの3人でしかありえないサンヘドリンのサウンドになっているのが凄かった。アンコールはなし。求める拍手はあったんだけどなかったです。でも、不満は一切なかったです。
 
また観たいな〜。