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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

3.29 空気公団LIVE 音街巡旅 2014/京都磔磔


もうかれこれ10年以上大好きな空気公団。また山本精一さんとの競演ということで、昨年、ジャニスダイニングでやっとライブを観ることができてすごい嬉しかった記憶が蘇ってきて絶対行く!と張り切ってチケットを購入しました。チケット買ってからこの日が来るのをどれだけ心待ちにしていたことか…。



開場時間の10分程前に到着すると、既に10人以上の人が集まっていました。ほぼ定刻に開場し、中に入ると場内にしきつめられた椅子、椅子、椅子…。机は一番端の方にひとつかふたつくらい。できれば、机ありでお酒でも飲みながらゆったりと観たかった気もします。ちょっとぎゅうぎゅう過ぎるかな。机ありにすればゆっくりとは観れるけど、入れないお客さんがたくさん出てしまいそうな入りだったので、これでよかったのかも。この辺の感覚は難しいところですね。

ステージは左からゆかりさん、戸川さん、ゲストの山本さん、窪田さんという並びで、ドラムはなしでした。ボーカルが一番端で、ゲストの山本さんが真ん中という配置が面白いなと思う。

開演時間になり、メンバー3人が登場。みんな白のカッターシャツに黒のズボンorスカートで、空気公団の音像とマッチしていました。客席に向かって深々とおじぎをしてから、ライブは始まりました。ここからは空気公団の持つ澄み切った音が自分の中にも沁み込んできて、会場全体も深く、そして優しい空気感に包まれていきました。

前回はレコ発だったこともあって、新譜の楽曲が中心だった気がしますが、今回あ新旧織り交ぜたセットリストだったかな。「夕暮れ電車に飛び乗れ」が演奏されたときに自分は嬉しすぎて泣きそうでしたよ。この頃が特に好きで追いかけていたから、感動もひとしおでした。

ライブも後半に差し掛かったところで6月に出る新譜を紹介するMC。戸田さんがいろいろ説明して「コードブックもついているので、是非演奏してみて下さい」ということを言っていたんだけど、そしたらゆかりさんが小声で何かを言ってる。戸田さんに耳打ちして伝えた言葉は「楽器やってる人いるんですか?」と聞いてくださいとのこと。何故、戸田さんから?不思議なキャラで笑った。

そして、後半ではゲストの山本精一さんを迎えての演奏でした。たくさんのエフェクターを駆使して、空気公団の楽曲に解け合い、彩りを添えるような演奏でした。ディレイやリバーブ、時折使っていたワウギターの音はまちがいなく山本さん独自の音なんだけど、空気公団の楽曲にまったく違和感なく聴こえていたのが凄いです。山本さん登場後に演奏された「これきりのいま」はテンポを落としていて歌をじっくりと聴かせるアレンジだったのが印象的。アップテンポで世界が開けるような爽やかさをもったCDのアレンジとかなり違っていて、最初はびっくりしました。この日のアレンジの方が言葉がストレートに響いてくる気がしました。「意味なんて答えじゃない」って本当に素晴らしい詞だと思うし、ハッとさせられる。「天空橋に」の深い闇の中で見える青い光ような演奏も本当に素晴らしかった。

本編最後は「旅をしませんか」。まさに今回のツアーを締めくくるのにぴったりの曲で、移り変わり行く寂しさもありながら、これからに希望を持たせるような感じもあって、素晴らしかったです。柔らかな白い光に包まれているような安堵感もあって最高でした。

アンコールではメンバー3人で1、2曲。途中で山本さんも出てきて何曲か。この演奏ももちろんよかったんだけど、アンコールの最後で演奏された「優しさ」が良すぎていろいろトンでしまいました。この曲は初めて買った空気公団のCDの最初の曲で、想い入れがありすぎてちょっと涙腺が…。どこまでも優しく、その裏には強さを感じるこの曲は本当に素晴らしいです。

最後もメンバーは客席に向かって深々とお辞儀をしておしまい。この丁寧さが素晴らしい。ダブルアンコールを求める拍手もあったんだけど、残念ながらそれはなし。全編で1時間30分ちょっと。磔磔というこの上ない会場で空気公団の音世界に浸ることができて本当に幸せな時間でした。

空気公団の楽曲は、ゆかりさんが端に座って歌うこともあってか、歌と楽器と混じり合って調和しているような独特の感じが魅力的です。クセのないゆかりさんの声は本当に心地よく聴こえる。存在感を消したというか、必要以上に前に出ることなく、無色透明な感じ。この感じは山本さんの歌にも似たところがあるかな〜と聴きながら思ってました。



にしても、山本さんはホントに凄いな〜。空気公団のメンバーとは台湾公演後に空港で別れて以来の再会だそうで、めっちゃ久しぶりのはずなのに、ギターがまったく違和感かった。

また、行きたいです。できればたまにでいいから、また競演もして欲しいです。