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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

7.20 HARDY SOUL + 湯浅湾 /六本木SUPER DELUXE


東京滞在2日目、この日は池袋に猛毒展を観に行くという事以外、何の予定もなかったので、教えてもらっていたこのイベントにふらりと行ってきました。

スーデラに行くのは3回目。さすがに道も覚えて、迷うことなく開場時間に到着。ここはいつも椅子あり&満員のイメージがあったのですが、お客さんもまばらで椅子がなく、ちょっと意外でした。開演までの間にはパラパラとお客さんも増えてきましたが、それでもスペースが目立つ状況でした。


湯浅湾

名前は知っていたけど、全然観たことがなかったです。音楽評論家の湯浅学さんがボーカルのバンド。音はオーソドックスなロックという感じなんだけど、歌詞がけっこう不条理というか、不思議な世界観のあるもので、耳に残るちょっとした違和感が心地よかったです。

このバンド、とにかくギターがよかったです。ファンキーなアプローチからブルージーなねっとりさまで、表現力が半端なかったです。



HARDY SOUL

灰野敬二さん、川口雅巳さん、山崎怠雅さん、宮崎理絵さん、藤掛正隆さんによる60年代R&Bなんかをカバーするバンドらしいです。この日の灰野さんは楽器を弾くことはなく、ボーカルに専念されていました。

カバーなので、哀悲謡みたいかなと思っていました。哀悲謡は演奏もカチッとしていて灰野さんのバンドの中では聴きやすくて好きなのです。で、このHARDY SOULです。演奏はとてもタイト。でも、そこに灰野さんの歌が加わることで、とてもつないエネルギーを放っていました。情熱的というか、魂を擦り減らしながら歌っているような灰野さんのボーカルが圧倒的でした。カバーというか、原曲をバラバラに解体して、再構築された感じで、他にはないオリジナルなものへと昇華されていたように思います。R&Bっぽくもあり、サイケっぽくもあり、歌の奥底に悲哀を感じさせる独特の演奏でした。これはとんでもないものを観ているな…そう思いながら観ていました。

演奏時間も1時間半とたっぷりで、立って観ていた自分には少しばかり長かったです。椅子に座ってゆっくりと観賞していたかったというのが本音でした。






ライブが終わって、「なんだか観ては行けないものを観てしまった」ような不思議な感覚に取り憑かれる夜となりました。