タイチさんとシンノスケさんが抜けた後、新ドラマーゾニーさんか加入し、活動を再開したKING BROTHERS。ライブを観たいと思っていたらこのツアーの情報が入り、ワッツーシゾンビも出るということでチケット取って行ってきました。
開場時間に到着すると、そこにはかなりの人だかりが。列に並び、受付を済ませて中に入ると前列は既に埋まっている状況。その後もひっきりなしにお客さんが入ってきて、場内は身動きとりにくいくらいの満員状態となりました。開演時間を15分くらい過ぎたところで客電が落ち、おなじみのSEでオープニングアクトのワッツーシゾンビが登場しました。
ワッツーシゾンビ
昨年に新ドラマーセイヤさんが加入され、シーズン4として活動を再開したワッツーシゾンビ。ドラムが変わってから1度だけライブを観ました。そのときは加入直後だったこともあり、少しぎこちない印象もありました。
ライブは「Watasizombie」からスタートしました。最初からフルスロットルでパフォーマンスを行うメンバーとは裏腹に棒立ちのお客さんが目立つ客席。KING BROTHERS目当ての人が多かったのでしょうが、これは完全に予想外でした。けっこう客層被ると思ってたんだけど。2曲目「DOしてる?」でもそれほどテンションが上がりきらず。自分は無関係に大喜びで踊ってましたが。
が、3曲目「クルクルパー」のイントロがきっかけで今まで溜め込んでいたものが爆発したように暴れまくるお客さんが増えてきて、ここからは完全にワッツーシのペースになってました。BPMが速くてシャッフルっぽいリズムのこの曲には人をバカにさせる何かがありますね。前列はモッシュも起きてかなり危険な状態でした。そのまま勢いを落とすことなく「基本的生活水準を引き上げる為のミュージック」やじゅげむさんが客席乱入して暴れ回る新曲「モラル」などで、オープニングアクトなのにありえないくらいの盛り上がりでした。
MCもそこそこに駆けるように続けざまに演奏を続けていき、後半の「THIS IS レボリューション」へ。細胞のひとつひとつが震えるくらいの高揚感を覚えながら夢中で楽しんでいました。曲もシンプルで、何も考えずに踊り狂えるのがほんとうによいです。挙げ句にはお客さんを大量にステージに上げ「わたし keep'on ええ感じ」でおしまい。アンリさんは客席にマイクスタンド持ってきて歌ってるし、ステージ上はお客さんだらけだし、もうこれでイベント終了でもいいんじゃないかってくらいの大団円でワッツーシゾンビのステージは終わりました。持ち時間30分くらい。明らかにやり過ぎな(いい意味で)パフォーマンスでいきなり大満足でした。
セイヤさんのドラムも1音1音がぶっとくてバンド全体の音もグッと締まっていたような気がしました。
The DHDFD's
完全に初見。YouTubeとかで予習しようかとも思ったけど、あえて止めてライブで初めて聴こうということにしました。ワッツーシゾンビのライブで体力のほとんどを使い果たしてしまって、後ろの方でゆっくり観てました。
なんというか…アホでした。ボーカルはマイクをガムテでグルグル巻きにしてライブの半分くらいは客席で歌ってる。しかも動きのひとつひとつがアホっぽい。とにかく何も考えていなさそうな、それでいて本当に楽しんでいそうなのが伝わってきて、好きなタイプでした。後ろの方で観ていたんだけど、気がついたら目の前で歌ってたときは思わず笑ってしまいました。
曲は2〜3分くらいのものが多かったかな。各々印象的なリフが多くて、ちゃんと音源で聴いても飽きることなく楽しめそうなくらい。ハードコアっぽいものからディスコチックなもの、少しアバンギャルドなものまで幅広くて、このテのバンドにありがちな「同じような曲で途中で飽きる」というようなことは一切なし。次はどんなのが来るんだろうとワクワクしながら観てました。
ラストはキンブラのマーヤさんが出てきて「GET Away」やって終わりだったと思います。面白いバンドが知れて大満足でした。
KING BROTHERS
ステージ上にはスモークが炊かれ、ほぼ何も見えないような状況。The DHDFD'sのベースさんの紹介でメンバーが登場。マーヤさん、ケイゾウさんは背中を向け、アンプの上でギターを搔き鳴らす。何度観てもこの画はかっこ良すぎる。
1曲目はもちろん「Big Boss Blues」でした。そのまま「XXXXX」だったかな。この流れでキンブラのライブが始まったのだなと実感。体力的なところもあって、真ん中あたりで適度に踊っていました。その自分の目の前では狂ったように踊りまくり、モッシュしまくりなお客さんで溢れかえっていました。その様子見ていて、自分も次第に狂っていったのがわかりました。
中盤は新譜から「Judgement Man」なんかもやっていたかな。で、「マッハクラブ」。当然のようにマーヤさんは客席にダイブしてきて、お客さんの上を転がり回る。そのまま流れていって客席後ろのPAブースのあたりまでやってきてお客さんの上で「ニシノミヤーーー!!!!!!」と絶叫。そのまま再度お客さんの上を転がりステージへ戻って行きました。マーヤさんも必死ですが、落とさないように支えるお客さんも必死で凄いです。自分も必死で支えてました。
本編最後の方ではスローテンポの「KaKuMeI」を演奏。ケイゾウさんの歌はところどころ声が裏返ってしまったり出なくなるところもありましたが、ロックンロールやった。ここはちょっと感動やった。で、客席にドラムセット持ち込んで「ルル」のフロアライブへとなだれ込む。ギターを放り出し、お客さんの上を転がりながら絶叫するマーヤさん。ギリギリのテンションで演奏しているケイゾウさんとゾニーさん。フロア中央のメンバーを中心に興奮の渦ができあがり、カオティックな状況の場内に大興奮でした。
アンコールではもう1台ドラムセットが置かれ、The DHDFD'sのメンバー(ギターはいなかったか。見えなかっただけかも)も出てきての「Mongo Van」の演奏。さっきで最高かと思っていたものよりもさらに一段上の興奮があり、もう頭のいろんなネジがぶっ飛んでこのままどうなってもいいと思えるくらいでした。曲の途中で、邪魔だったのかマーヤさんはゾニーさんのフロアタムぶっ壊してたし。
本当に凄いイベントでした。どのバンドにもありえないくらい興奮させられました。新生KING BROTHERSのライブは、定番の流れとわかっていても興奮せずにはいられませんでした。ケイゾウさんもマーヤさんもギターの弦が切れてしまうこともあったりしていましたが、そんなこと関係ないくらいの勢いだった。なんか観ていてロックンロールは曲順やチューニング、弦がどうとか関係ない。その場の興奮でどれだけ踊り狂えるかだけなのかと思いました。
新しいドラムのゾニーさんは、タイチさんほどのスピード感、タイトさは感じられなかった気がしました。この辺はもう少し時間が経てばまとまってくるのかな。とにかく、合間合間でお客さんを煽りまくっていて新メンバーだからといって遠慮することはない様子でなんだか安心しました。これからもどんどん凄くなっていきそうです。