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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

10.13 僕の京都を壊して 〜 PANICSMILE「INFORMED CONSENT」RELEASE LIVE(PANICSMILE、YOLZ IN THE SKY、bonanzas、YYBY、FLUID) /京都メトロ

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この日はこちらのイベントへ。10日間で3回メトロへ行くというメトロ月間?の最後でした。
 
この日は台風が近畿地方を通過するということで、JRは16時に全面運休を決めるなど、関西地区は例年にない警戒態勢。ミナミホイールなどいくつかのイベントも中止が決まり、こちらの公演はどうなるかと不安もありました。そもそも行けるかどうかという問題もあったし…。
 
しかし、フタを開けてみるとメトロはイベントをやるとの案内があったし、自分が使っている私鉄(阪急、京阪)は通常通りの運行で、行くことには問題ありませんでした。風はとても強くて、途中で立ち寄った四条河原町付近の店は軒並み閉まっていて、一種のゴーストタウン的な空気感があって面白かったです。
 
自分は開場時間のちょっと前に到着。この日はリハから会場開けてますってことで、ちょっと待たせてもらってそのまま入りました。JRが止まったりしているから、もしかしたらお客さん3人とか…それはそれで面白いかもな、と思ったりしてました。が、最終的には数十人は集まっていたのかな。台風をものともしないハードコアなお客さんばかりで、この状況が面白かったです。台風なんて何もなかったかのごとくイベントもスタートしました。
 
 

YYBY

エレクトロニクス、ベース、ドラム(パットとエレドラ用のバスドラパット、スネアとハイハットという極小セット)の3人。打ち込みと生演奏のバランスが秀逸なミニマルミュージックで、めちゃめちゃストイックな音。ミニマル独特の身体の五感が研ぎすまされていく感覚がはっきりと感じられて、だんだん自我がなくなっていきました。始めは体温を感じさせない音だったのが、ライブが進むにつれてじりじりと汗が滲み出てくるような熱量を帯びていったのもよかったです。
 
 
 
 
 

bonanzas

何ヶ月振りかに観ました。贅肉が一切ない削ぎ落とされた音。会場内を駆け回るノイズが肌の毛穴のひとつひとつまで浸食してくるよう。日野さんのベースは金槌みたいだし、西河さんはスピード感と重さを兼ね備えたドラムで本当に素晴らしいです。とにかくストイックで黒い音でした。
 
1音1音はヘヴィなのに、音階というものが存在しない特殊な音楽なのに、意外と踊れるところが不思議で面白いバンドだと思います。あと、ライブを観ているとけっこう楽しいんですよね。メンバーの3/4が被ってるgoatだとそんなことは思わないのですが(あちらは、意識を集中してグッ聴き込む面白さがあります)、bonanzasのライブは笑顔で盛り上がっているお客さんが多い印象がある。たぶん、吉田ヤスシさんのヴォイスパフォーマンスのリズム感とこの方のキャラクターのせいなんでしょう。何度観ても飽きない面白いバンドでした。
 
 
 
 
 

FLUID

本日の主催バンド。前回は東京であったMETEO NIGHT2014で最後の曲の最後をチラ見しかできなかったので、実質、大分間が空いてしまいました。
 
ニューウェーブやポストロック、パンクという言葉が当てはまりそうなサウンド。ゴリゴリのベースも好み。各楽器の間を縦横無尽に行き交う電子音とJxCxさんの鋭利なボーカルが凄い情報量で洪水のように押し寄せてきて、観ていて圧倒されてしまいます。けど、観ていて疲れるかというとそうでもなくて、バンドとして音にまとまりがあって、あまり深く考えなくても楽しめるダンスミュージックになっているところが凄い。パンクとポップのバランス感覚の凄さなんでしょうか。
 
ライブ後にJxCxさんからのコメントもとてもよかったです。お客さんへの感謝の言葉。そして「テキーラたんたかたん買うんで、皆で飲みきりましょう!帰れなくなったらここで寝よう!」というノリのよさに心打たれました。
 
 
 
 
 
…ということもあった中、しれっとジントニック飲もうとする自分。でも、JxCxさんのはからいでさっきのテキーラテキーラトニックになり(これが異様に濃かった。ほぼテキーラやった!)、さらに奢っていただいたので、飲みながら次のYOLZ IN THE SKYを待っていました。このテキーラトニックの濃さは心意気の濃さだったのかも。
 
 

YOLZ IN THE SKY

こちらもMETEO NIGHT以来。ここ何回か観ているなかで最高のライブでした。
 
無機質でちょっとチープなビートとディレイが効いた不穏なギター。頭にこびりついて離れないボーカル。先ほどのお酒の影響もあってか、ステージを観ながらも何も見えておらず、自分がズブズブと足下から床に沈んでいくような感覚に陥ってしまいました。30分以上やっていたんでしょうか。一瞬だったかもしれないし、永遠ってくらい長かったのかもしれないし、時間の概念が完全になくなってしまってました。最高。
 
 

PANICSMILE

実はライブを観るのは初めて。そこまで音源を追っていた訳ではなくて、正直「アバンギャルドなバンド」という印象しかもっていませんでした。今回、ライブを観に行く前に調べてみたら、ザ・シロップの松石ゲルさんがドラムということで、ここで自分のテンションは上がりました。
 
そんな訳の分からないひっかかりで観たのですが、とてつもなかったです。複雑怪奇な曲展開で、最初は頭で聴いていたんだけど、疲れるだけだしそれではダメだと思いました。で、あまり深いことは考えずに本能的に聴いてみたら意外と大丈夫でした。曲の構成とかを考えだすときついんですが、パーツパーツはとても聴きやすい。何と言うか、ねじれ曲がりきったポップスと感じの印象を持ちました。音はソリッドで尖っているんですけど、キャッチーなメロディーがときどき顔を出すのが面白かったです。
 
 
 
 
 
この日は、最初から最後までいいバンドしか出演していなかったし、来ているお客さんも皆いい意味でバカやって、盛り上がっていて本当に楽しかったです。