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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

9.30 山本精一『LIGHT』 アコースティックギターソロ・レコ発 /難波ベアーズ

最初は8月にあった企画がいつの間にかこの日になっていました。元々の8月の分は津山篤さんとの「友だちはじめ」になっていて、予約していたのに仕事の都合で行けず、苦い思いをしました。だもんで、今回は休みを取って万全の体制で臨みました。

せっかく難波に来たのだしと、K2行って急にやってきた「スウィングジャズのビッグバンドが聴きたい!」という欲求を満たし、ホクホク顔。毎度のことながら、ちょっと時間が余ったのでネカフェで漫画読んで時間つぶし。会場10分前になり「そろそろ行こうか」と思ったら既に会場に着いていた知り合いから「山本さんが今来たから開場が遅れます」とのメールが。他の人だと「なんてことだ!」となるようなシチュエーションですが「山本さんだから仕方ないか…」と思えてしまうところ。とりあえず会場に向かいました。

到着すると、既に何人も並んでいて、やっぱり開場は遅れていました。1時間くらい押すのか…と心配だったけど、20分くらいしか押さずに一安心。中に入ると、長椅子がいくつか並べられていて、先に来たお客さんが座っていました。前の方は地べた、後から来て後ろで観る人はすみにあったパイプ椅子をおもむろに持ってきて着席。この「慣れてる感」はベアーズのお客さんならではだと思い、ちょっと笑えます。結局、立ち見も出るくらいの盛況ぶりでした。

今回のステージはアコギ1本と椅子、テーブルの上にMac、後はマイクが2本ほどというシンプルなもの。あまりなかった感じで期待感が膨らんでいきます。ライブは30分くらい押しでスタートしました。

楽屋からフラッと出てきた山本さん。おもむろにチューニング。演奏前に非常灯の電源を落とすようにと明るめの照明を消すように指示し、少し暗い雰囲気になりました。何かを確かめるようにギターを爪弾き、そのまま演奏が始まりました。

前半はアルペジオ中心で、ポツリポツリと点のように音像が浮かび上がってくるのが印象に残っています。中盤からはコードストロークもあったりする場面もありましたが、やっぱり綺麗なアルペジオがメインでした。たぶん、後半だったと思う、
「Thusand Moon」では用意していたMacでアコギの音を鳴らし、広がりのある音の世界にずっと陶酔していました。この曲で本編は終わりだったように思います。

アンコールも含めて1時間ちょっとのライブでした。全体を通しても、曲が終わり「はい、どうも」とだけ呟いて、何を喋るでもなく次の曲へと続く淡白な展開。この抑揚のない展開とアコギの生々しい音と重なって形容しがたい落ち着いた雰囲気を醸し出していました。自分はずっとうっすらと日が差し込む誰もいない部屋でロッキンチェアーが揺れ、部屋の隅では水槽の中で気泡が浮かぶ…そんなちょっと寂しげだけど穏やかな時間を想像しながら聴いていました。

で、ライブが終わり、ある種の目玉の私物放出会。ですが、いつまで経っても始まる気配はなく、半数以上のお客さんは帰り、自分たちもそろそろ…と思ったところで山本さんが「あ、忘れてた…!」と言いながらやってきました。で、カバンから出てきたのは大量のガラクタ(失礼)たち。ディスクユニオンかなんかの特典CD-Rや、PARAのTシャツといったお宝も混じっていましたが、基本はどうしようもないものばかり…。そして、もうひとつのカバンもひっくり返され、出てきたのは山のようなさいとうたかをさんの漫画…。

せっかくなんで何か買おうと自分はおちょことよくわからない缶バッジを手に取り、山本さんに値段を聞いたら「無料やで」ということだったので、貰って帰りました。

本当にこの人は底が知れません…。