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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

10.6 森は生きているのツアー(森は生きている、Homecomings、白い汽笛) /京都メトロ


ototoyか何かで偶然知って虜になったバンド、森は生きているのファーストアルバムレコ発ツアーの京都編。関西公演を待ち望んでいたので、チケットが発売された瞬間に購入し、とても楽しみにしていました。その後に対バンが発表され、これ以上ないくらいの組み合わせでさらに楽しみが増して当日を迎えることになりました。

河原町からブラブラと歩きながらメトロまで。途中、河端三条あたりで停電があったようで、警察や近くの人の異様な雰囲気を感じたりでした。停電自体はすぐに直ったみたいです。

開場直後はまばらだったお客さんも、だんだんと増えていき、最初のアクトが始まる頃には7割〜8割程度の埋まり具合で、出演者の注目度合いが窺い知れました。15分くらい押しで最初のHomecomingsのライブが始まりました。


■Homecomings
初めて観たのが今年の1月、場所はここメトロでした。それから何度か観ていますが、やっぱり好きです。

この日は「Sunday」からスタートでした。疾走感ある演奏でいきなり爽やかな風が吹いていたようでした。そこから「A-Ha」、「In Between The Summer」と爽やかな楽曲が続いていき、観ていてどんどんと晴れやかな気持ちになっていきました。中盤以降は新曲もあって、それもやっぱりすごいよくて泣きそうなくらいによくって心が躍りっぱなしでした。8曲くらいで、30分くらいのステージでしたが、大満足でした。

結成間もないこともあってなのか、まだまだ緊張していたり、ちょっとだけぎこちなさがあったり。でも、それがとても初々しくて観ていてとても魅力を感じます。メロディーライン、キラキラした澄みきった音なんかもいろいろ混じって、ライブを観ていると前向きな気持ちになれるから不思議です。

ところで、メンバー唯一の男性、福富さんの「浮いてなさっぷり」はすごいですね。ひとり男性だとめっちゃ浮きそうなのに、全然そんなことなくて溶け込んでるところが面白くて笑いそうになっていました。自分の中でなんとなく魔法使いイメージができつつあります。

福富さんのギターが楽曲にさっと魔法の粉をまぶしてキラキラとした素敵なものに仕上げている…、よくわからんけどそんなイメージが沸いてきました。

12月に7inchiが出るみたいで、とても楽しみです。


■白い汽笛
こちらも何度か観ています。前回観たのは8月で、ただの酔っ払いになっていたため、あんまり記憶にないというひどい有様でした。

今回はほとんどお酒も入っていないシラフで観てましたよ。アコギ、ベースにオルガンやウクレレというとてもシンプルな編成で、小倉さんの歌声はとにかく優しくて、じんわりと心を満たしてくれます。ほどよくリラックスした雰囲気もとても魅力的。

ライブを観ていると自分の中でどんどんイメージが沸いてきました。空気がキンと澄み切った冬の寒い日に、家の中でコタツに入って仲間で楽しく談笑しているようなそんなイメージ。ほどよくお酒なんかも飲んで笑顔が絶えない温かい空間、そんなイメージ。何故だかわからないけど、そんな光景がずっと浮かんでいました。バンド名の「白い汽笛」って冬の吐息のことなのかな〜とか思ってみたりしていました。


■森は生きている
自分はSIFC以来2回目。なんだかんだ言ってもほとんどのお客さんはこのバンド目当てのようです。どんどん前につめていき、前方はキチキチにつまっていました。セッティングが終わり、そのままの流れでライブは始まりました。

1曲目は何をやるんだろうと思っていましたが、意外にもスローテンポで暗めな楽曲から。自分は知らない曲でした。途中に長めでムーディーなギターソロがあったりで完全に意表をつかれました。そして2曲間はPVにもなった「日々の泡沫」。カントリーっぽさもありながら、それだけでない豊かな素養を感じさせながらも良質なポップスに仕上げられたいい曲だと思いました。それから、吸い込まれるような陶酔感が印象的な「昼下がりの夢」、跳ねたリズムとコーラスが気持ちいい「雨上がりの通り」と良曲が続く。

合間のMCでは、谷口さんの(Key)のちょっとテンション高めの喋りと岡田さん(Gt)のふにゃふにゃした喋りのコントラストが面白かったです。意外に岡田さんは締めるところは締めていて、リーダーっぽさも出していたように思います。

中盤ではたぶん「断片」だったと思う。CDとアレンジが変わっているようだったから、すぐにはわかならかったけど。身体が踊りだし、トランペットのソロと最後のブーストさせたギターソロに度肝抜かれました。曲終わりで落ち着いた口調で「ジャズコはボリューム10にしても飛ばないんですよね」と言う岡田さん。飛びはしなかったけど、その後におもっきりハウリングしてて笑った。

で、圧巻だったのは後半に演奏された「ロンド」。途中で長いインプロに突入し、谷口さんがじわじわと壊れていきました。だんだんと演奏が激しくなっていき、暴走しだした。他のメンバーもそれに応えるように少しずついい意味で荒い演奏になっていく。この反応している感じが観ていても手に取るようにわかって、こちら側の気持ちもじわじわと盛り上がっていきました。クールな中に緊張感と荒々しさが混じり、混沌とした素晴らしい演奏でした。

1時間ほどで本編は終わり、アンコール。これだけいいライブをしたのだから、もっと聴きたい…アンコールだけでは足りないとダブルアンコール。ダブルアンコールでは最初に出したep.かな?から「Intro」をやってくれたんだけど、ダブルアンコールらしいというか、完成度よりも楽しさが上回るようなわちゃわちゃした演奏だったけど、アンコールくらいこういうのもあってもええよね。

前回は入場規制もかかり、きゅうきゅうの中で観たので、ちゃんと楽しめなかったところもありましたが、今回はちゃんと観れてよかったです。幅広い音楽を吸収して取り込み、それを良質なポップスに昇華し、森は生きているならではのサウンドに仕立て上げられているという…。古いのではなく、懐かしさも感じながらもやっぱり新しいサウンドなんだなと思いました。演奏も小さくまとまるのではなく、荒々しいところもあり、まだまだ未完成な部分も感じられ、このバンドのこれからをもっと追っていきたいと思わせるものでした。

またライブ観たいです。というか、観に行きます。


そんな感じで、全編3時間くらいでサクッと終了。時間は短かったけど、どの出演者もそれぞれ素晴らしい演奏で大満足でした。やたらと長時間に渡るものよりも、これくらいで終わるイベントは疲れないし、全部ちゃんと観れるからいいですね。