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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

9.23 柳原陽一郎「ほんとうの話」ツアー in 大阪 /梅田ムジカジャポニカ


元たまの柳原さん、以前にもこの場所で外山明さんとのデュオでの演奏を観ていたく感激したので、またしても行ってきました。今回も外山明さんと一緒で、さらにフルートでMiyaさんという方も一緒です。

開場15分ほど前に到着。一緒に観ることになっている友だちも同じ頃に到着し、開場を待っていました。少しずつ人が集まりだし、開場時間になる頃には20人以上は集まっていたと思います。列になるわけでもなく、見せの周りにポツリポツリといるような集まり方。で、お店の中から出てきた店員のお姉さんがその様子を見て「番号順に名前呼んだらええかな?」と病院の待合みたいに順にお客さんの名前を呼んでいて思わず笑ってしまいました。こういうゆる〜い雰囲気が本当に好き。

中に入り、前から2列目くらいの座席に腰掛ける。定番のカレーとビールを頼んで時間を過ごしていました。ほどよい賑わいと、思い思いに時間を過ごしているお客さんの雰囲気が楽しくてお酒も進んでいく。開演までに3杯くらい飲んでたか。



ステージに目をやると、外山さんのドラムセットが面白いことになっていました。カクテルドラムにシンバル、ずっと閉じたハイハットバラフォン。このセットからどんな音が奏でられるのかじわじわと楽しみが増してくる。曲によってはカリンバも弾いていました。

開演時間を少し過ぎた頃、楽屋から3人がやってきました。柳原さんはそんなに印象変わらず、外山さんは何故か帽子を被っていました。そして、初めてみたMiyaさんはびっくりするくらい美しかった。

1曲目は「ホントのバラッド」。語りかけるような優しさを持った柳原さんの歌声にMiyaさんの伸びやかなフルートが印象的。そこに外山さんのバラフォンの音が加わり優しいながらも楽しさが加わった演奏で、いきなり大満足でした。曲が終わり、柳原さんが震災の後の自分の気持ち、そこと以前に行った原爆ドームで思い出がリンクして作ったというような解説をされていました。次に演奏されたのは「再生ジンタ」。悲しさを感じる歌詞だけど、軽快なメロディーラインが思わず身体を揺らしてしまいます。

たぶん、レコ発ということもあり、新しく発売された「ほんとうの話」の収録順に沿ってライブは演奏されていました。ライブ中盤では柳原さんはピアノで「キング・オブ・ロケンロー」なんかも演奏する場面もありましたが、大体は新譜の順番通り。後からCDで聴き返したときに思い出しやすくてよかったです。

本編最後の曲は新譜の最後に納められている「歌を止めるな」で、柳原さんの優しい語りでサビのコーラスの練習。ほっこりした空気感でとっても心地いい気持ちで何度か練習をしてそのまま曲が始まり、じんわりと気持ちが盛り上がっているのを感じました。本編は約1時間半くらい。恐らくだけど、新譜の曲はほぼ全部やっていたかな。

アンコールでは「ステキブギ」を演奏してくれました。柳原さんがピアノを弾き、外山さんとMiyaさんが曲に彩りを添える。それに手拍子で応えるお客さん。さっきまでのほどよく盛り上がった会場がさらにいい具合に盛り上がっていました。そのまま柳原さんは楽器を置き、最後の歌のタイトルはたまの「オゾンのダンス」。Miyaさんのフルート、外山さんのバラフォン、お客さんの手拍子を伴奏にしてハンドマイクで楽しそうに歌う柳原さん。

で、ダブルアンコールの拍手は止まず、それに応えてくれた柳原さん。最初はひとりで出てきましたけど、「他の2人も呼ぼうか…」ということで、3人で「千夏さんちへ」をやっておしまい。

柳原さんの歌はフラットでクセがほとんどない。普通なんです。そんな声で優しく語りかけるような歌い方が本当に心地よくてじんわりと自分の中に溶け入るように沁みこんできて、安らぎを感じることができるのだと思いました。また、外山さんのドラムはこの日も歌っていました。音階のない太鼓なのに、歌心を感じる演奏にはいつも驚かされます。初めて聴いたバラフォンもとてもふくよかでカラフルな演奏だったのが印象的でした。そして、Miyaさんのフルートはその外見のように美しく、それでいて芯のある素晴らしいものでした。

一応、マイクも通していたけど、音量はそれほど大きくなく、ほぼ生音で聴けたのもよかったです。演者の息づかいまでも聴こえてくるようで、素晴らしい時間を過ごすことができました。