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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

2.2 (青葉市子、山本精一、ゆーきゃん) /難波ベアーズ

ふとしたときにベアーズのスケジュールを確認したら、面白そうなイベントがあったので行ってきました。

開場時間に到着したら、入り口階段で行列ができていました。「今日はこのパターンかぁ!」とびっくり。ベアーズは開演時間までさっぱり集まらない時と階段に収まりきらないくらいの行列と両極端なんですよね。今日は誰の影響だったんだろう。青葉さんなんやろか。今回の客席は前半分くらいは床に座って、後ろの方は立ち見という状態。誰が決めたわけでもないのに日によって自然とお客さんが座って聴いたり立っていたりとなるのはいいですよね。で、開演時間を少し過ぎた頃に始まりました。


■ゆーきゃん
前回、メトロで観た欠伸ACBISは始まってすぐに力尽きてしまい、気がつけば終わっているという惨事だったので、きっちり聴けたのはすごく久しぶりといえます。

今回はゆーきゃん&フェザー・リポートでの出演。ギター、ベース、キーボードというシンプルな編成で、1音1音やさしく紡ぐように出される音に心が穏やかになっていきました。そこに乗っかるゆーきゃんさんのウィスパーボイスがたまらなく愛おしかった。本編最後に演奏された『サイダー』はどうしようもないくらいの名曲だと思う。


山本精一
前回観たとき(ノイズ新年会)では、とてもここに書くことはできない替え歌を披露されてました。今回はちゃんとした(?)うたものの弾き語り。山のようなチラシ(コード譜)を譜面台の上で並び替えたりしながら今日歌う曲を選んでました。一度並べても何かが違うのか、また並べ替えたり。そんなこと繰り返していたら台から落ちてしまったり。こういう仕草ひとつひとつが山本さんらしいと思う。

準備が終わって、ポロンとつま弾くだけで山本さんの音と分かり、なんだか安心してしまう。前半は少しめずらしい曲が多かったように思います。『赤ん坊の眼』が特によかったです。サビ(?)の部分のメロディーが楽しいし悲しいし、曲が終わった後、例えようのない気持ちになってしまいました。

後半は比較的前からやってる曲が多かった。『ふたつの木のうた』、『待ち合わせ』、『飛ぶ人』と定番曲が続く。何度も聴いている曲だけど、なんだか今日は特別でした。とても優しくて包まれるようなサウンドでした。ya-to-iの『シークレットソング』が全然違う感じで面白かったです。本当にいい曲というのは、どんな楽器編成で演奏しても耐えうるだけのちからがあるんだと改めて気づかされました。

山本さん自身も気分がよかったのか、「持ち時間大丈夫?」と気にする場面もありました。もっともっとやってくれても全然大丈夫です。


■青葉市子
完全に初見でした。

クラシックギターの弾き語りで、ハッとするくらい澄んだ歌声で一発でファンになってしまいました。自然と聴き入ってしまうような曲が多かったです。なんだけど、グッと緊張する感じではなくてリラックスしてふわりと聴く感じ。

でも、曲が終わりMCで喋りだすと不思議な空気感があるトーンのお喋りで、ギャップがとても可愛らしい。前で録音している人を見つけて「それは録音してるんですか。盗聴は犯罪ですよ♪」と言いながらも「iPhoneで録ろうと思ったけど忘れちゃったんで、音源下さい」とか、ふわふわした感じが魅力的でした。

最近、沖縄へ行かれたそうで、そこで友だちになった女の子と作った『カタツムリの国』という歌が素晴らしくよかったです。思わず笑顔で泣いてしまいそうな曲でした。

歌声に惚れて、MCでも惚れてしまって大変な時間を過ごしました。


■セッション
最後は出演者全員でのセッションタイム。各々が1曲ずつ持ち寄っての合計3曲。向かって左からゆーきゃんさん、市子さん、山本さんの順に座ってました。

まずはユーミンの『やさしさに包まれたなら』。市子さんの声にとてもマッチしていてよかったです。薄く聴こえるゆーきゃんさんのコーラスが気持ちいい。曲が終わり、対面に座っていた山本さんから「ゆーきゃんくん、今何してたん?」と突っ込みが入る。どうやら山本さんには声が聴こえなかったみたい…。「多分、歌ってたと思うんですけど…」とタジタジになる場面も。これには客席からもドッと笑いが起こってました。

次はthe velvet undergound &nicoの『Femme Fatale』。ゆーきゃんさんの歌と山本さんのギターで浮遊感たっぷりのサウンドに仕上がってました。

最後は『we shall overcome』。この間出た山本さんのカバーアルバムの最後にも収録されてますね。元々賛美歌だったのにPete Seegerさんが歌詞をつけたものらしいです。歌の前に山本さんからも少し真面目な話があり、すこししんみりした空気になりました。そんなこともあってか、歌い出しからどこを見るでもなくずっと聴き入ってしまってました。

この日のイベントはこれで終了。全体通しても素晴らしいイベントだったと思います。「歌っていいな〜」としみじみ思えたイベントでした。ドラムを使う出演者が誰もいなくて、演奏の「間」や呼吸がダイレクトに感じられたのもよかったです。あとは、みんなメロディーと歌詞が溶け合うように聴こえてきたのもよかったです。


終演後、青葉市子さんのCDを買おうとしたら、お釣りを持ってきた山本さんから「今日はどうでした?」と聞かれてしまい、慄きながらも「最高でした」と伝えられて嬉しかったです。あとは「3,000円は高いですか?」「いえ、全然」とか。来週のya-to-iも行きますと伝えたら「あれは絶対観たほうがいい!」と力説されてたので、楽しみにしています。泣いてしまうそうです。