θ

企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

11.16 Vi-code 10th Anniversary 十祭 溺れたエビの検死報告書ツーマン(溺れたエビの検死報告書、鬼の右腕) /中津Vi-code

Twitterかなんかでライブ情報を見て、即決で行くことが確定したこのイベント。この2組という組み合わせは自分も妄想していたから、まさか現実になるなんて思ってなくて本当に楽しみにしていました。

夕方に友だちと待ち合わせ。早めのご飯を食べて会場まで歩いて行きます。開場時間を10分ほど過ぎた頃に着いたのですが、お店の前で待っているお客さんが何人か。どうやら少し押しているようでした。程なくして開場したので場内へ。

この日はお立ち台のようなものがステージ前方にあって、ちょっと凝った感じでした。はじめはパラパラという感じだったお客さんも開演時間になる頃には7〜8割くらいになっていました。


■鬼の右腕
今年のSIFC以来4ヶ月半ぶりくらい。大阪初ライブにして最後のライブです。

開演時間を少し過ぎた頃に客席からメンバーが登場。今回はギターがいなくて、代わりに一部の曲でキーボードとベースにサポートを迎えての編成でした。1曲目はメンバー3人で演奏。うてなさんがキーボードでした。2曲目はサポートメンバーも加わり、うてなさんはスティールパンを演奏されてました。

そして、客席から赤鬼と緑鬼が現れ、客席前方で曲に合わせて踊りだしました。フジロックのときの写真で強烈なインパクトを放っていたこの鬼、実物はかなりリアルにできていてびっくりしました。打ち込みのリズムに合わせて身体を揺らしたり、踊ったりといろいろやっていて面白い。

民族的でダンサブルな展開から一変、メンバー3人がステージ中央のマイクに向かってリコーダーで演奏する曲へ。少し不気味でどこか悲しげな曲。曲が終わりレゲエの裏打ちのリズムが刻まれ、うてなさんの「世の中には安全なレゲエと危険なレゲエがあります…私たちは安全なレゲエ、セーフティレゲエを推奨しています」と少し謎めいたMCから「安全なレゲエ」という曲へ。

そんな感じでライブも後半、サポートも含めたみんなで数曲演奏。鬼は客席前方でさっきよりも派手に踊っていました。安心して身を任せられるリズム隊にキーボード、スティールパンの音が心地よく、うてなさんのコーラスは違う世界へ吸い込まれていきそうな独特のトリップ感がありました。

インパクト抜群の鬼の存在は見ていても楽しいし、合間のリコーダーパートはライブ全体を通してみたときにいいアクセントになっていました。今回は30分くらいという短めの時間だったからちょっとせわしない印象もあったんだけど、もうちょっと時間長くして1時間とか1時間半くらいやっても全然楽しめたと思いました。このままどんどん突き詰めていったら絶対に面白いことになるし、このトリップ感が他ではそうそう味わえないし、外から見れば「まだまだこれから!」というときに解散なのは本当に残念です。

メンバーそれぞれがこれからどういう活動をされるか、もしくはされないかは追っていきたいと思います。


溺れたエビの検死報告書
かなり時間をかけて念入りに準備を行い、客電が消えたと思ったら客席からざわめきが。目をやると大量のエビが客席を練り歩いています。数は全部で11匹。

ステージに上がり、映画のオープニングにでも使われそうな壮大なインストからライブは始まりました。1曲目が終わり、照明が消え、エビの目が怪しく光り、ヲサのスラップベースから定番曲「ワシャワシャ!! グギャギャギャギャ!!!」へ。客席のテンションも一気に上がったと思ったところで、ヲサのベース4弦が切れてしまうトラブルが。ビロビロになった弦を見て「これはダメだ」という感じで弦を交換していました。もちろん曲は進んでいるんだけど、ヲサのスラップパート含め一切中断することなく上手くライブを進めているのはさすがだと思いました。

ライブも中盤にさしかかり、「イソギンチャクノ上デ踊レ!」や「Shrimpping!」といったダンスナンバーが演奏され、一気にフロアは盛り上がりました。コミカルな側面もありながら、やたらとファンキー。ここは何も考えずに踊っていました。そして、後半に差し掛かったところで今までとは一変してダークで重たい「外骨格」「アノマロカリス」と続く…。照明を落とし、薄暗い会場内で緑に光るエビの目が怪しさを醸し出していました。本編最後はこれまた定番の「The D-Shrimps Carnival」。ひたすら踊っていました。いつものかっぱえびせん投げ入れや、西院のときはできなかった客席に乱入しての人間捕獲(?)もあって演出面でも大満足でした。

アンコールは「Psychedelic Under Water」なんかでもう人盛り上がりといった感じ。最後は1匹ずつ思い思いのパフォーマンスをしながら客席を通って退場していました。

今回のライブではギターがかなりフューチャーされていた印象がありました。ことあるごとに前に出てきてソロを弾きまくってた。基本の立ち位置は後方なんで前に出るとエフェクター踏めないデメリットを考慮してか、ステージ前方に1個だけエフェクター(ワウなんやろか?)が設置されていたのが地味に面白かったです。

やっぱりエビは圧倒的な演奏力があるなと改めて感じました。だけど、ライブはそれをあんまり表には出さずにエンターテイメントに徹するところもいいなと。何度見てもヲサのベースからなんであんな音が出るのかわからない…。どうやってるんだろ?


どちらのバンドも個性的で、本当に面白かった。ずっと楽しみにしてて、期待度も高いイベントでしたが、大満足でした。