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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

3.14-15 ALTERED STATES 2DAYS(ALTERED STATES、goat、山本精一、渕上純子) /西天満MOERADO

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この週末はこちらのイベントに行ってきました。昨年末にベアーズでチラシを貰った瞬間に行くことを決めて、当日までとても楽しみにしていました。自分にとっては2年振りくらいのアルタードステイツ。そして、関西では実に8年振りのライブとのことです。
 
アルタードステイツは内橋和久さん(Gt)、ナスノミツルさん(Ba)、芳垣安洋さん(Dr)という国内屈指の3人によるバンド。演奏は確か完全即興のはず。初日の14日は3人のみで、2日目の15日はオープニングアクトにgoat、ゲストに山本精一さん、渕上純子さんを迎えてという構成でした。
 
初めての会場だったので、ちょっと早めに着くように来たんだけど、意外に迷わず着けた。で、中に入ってみると、落ち着いた雰囲気の店内。広々としたステージとフロアで前方は椅子と机が並べてありました。自分は向かって右側の内橋さん寄りの椅子へ。
 
その後、物販スペースに行ってみると、内橋さんご自身が売り子をされてました。ビビりながらもCDを買って、開演を待ちます。その間もお客さんはどんどん入ってきて、結果的に椅子席が追加され、大入りの満員状態となりました。そして、約30分押しくらいでスタート。ちなみに、内橋さんは開演時間過ぎてるのに、普通に物販でお話しされていました(笑)気がついたらステージにいた感じ。
 
 
ALTERED STATES
 
第一部
ステージ向かって左からドラム、真ん中ベース、右側ギターという並び。内橋さんの簡単なMCの後で、演奏が始まりました。始めは立体的でアンビエンスな入りで、この感じが続くのかと思いきや、内橋さんがフレーズを弾き始めると演奏の加速度と重みがどんどん増していく。机の上に並べられた数々のエフェクターのつまみをいじり、ギターとは思えないような広がりのある音が繰り出されていました。内橋さんのギターは音の綺麗さやソリッドさ、変化していく感じが万華鏡みたいだなといつも思います。それに合わせて芳垣さんのドラムも手数がどんどん増えていく。異様なほどの手の動きと荒ぶるハイハットの動きにずっと目を奪われていました。暴走しがちの2人の後ろで、ナスノさんは独特のベースラインで2人を繋ぎとめていた印象。がゆえに、少し音が聴こえづらく、目立たなかったかな。
 
 
第二部
少し休憩を挟んでの第二部は、大枠の展開は第一部と似たような流れでしたが、フレーズやリズムパターンが第一部よりも豊富で楽しめました。中盤の内橋さんの強烈な速度のカッティングから早弾きになだれ込んでいくところなんか鳥肌立つくらい震えました。やっぱり芳垣さんのドラムは荒ぶっていたし。
 
 
完全即興とは思えないくらいの完成度だった初日。椅子席だったこともあって、ドローンサイケ調の演奏だったら寝てしまうかもな…と思っていましたが、面白いフレーズの応酬が続き、全然飽きない面白い演奏を堪能できました。
 
 
 

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 続いての2日目。ゲストも加わり、初日よりもお客さんが増えることが予想されたので、やっぱり早めに会場へ。待っていたら、どんどん列の人が増えていました。半分くらい知り合いでしたが。
 
そんな2日目はテーブルがすべてなくなっており、椅子席のみでした。その椅子席もあれよあれよという間に埋まっていき、ほぼすべての座席にお客さんが座っていました。少し遅れてオープニングのgoatの演奏がスタートしました。
 
 
goat
観るのは昨年のMDT以来かな。先日新譜が発売されたこともあり、次のステージへと向かう演奏が聴けるのではと期待していました。この日は普段とは左右逆の配置で、日野さんが一番左側。ちょっと珍しい並びでした。
 
全部で5曲ほどの演奏で、「On Fire」、新譜から2曲(まだあんまり聴き込んでないからわからなかった…)、「Std」、「New Games」だったと思います。
 
goatのライブは、まずはメンバーの楽器に目がいっていろいろ観る…次第にミニマルな音が耳に残っていって自分の感覚が内向きに集中されていってメンバーの姿も周りの景色も消え去り、最後は集中しすぎて自分も分解されて音だけが残る…そんな極限状態に存在する快感がたまらなく気持ちよかったです。ギターハーモニクスを使った立体感やサックスのノイズの広がりが、次のステージへと進みつつあることを感じる素晴らしい演奏でした。
 
会場の音響もとても良くて、硬質なgoatの音が素直に伝わってきた気がしました。
 
 
 
 
 
ALTERED STATES
 
第一部(ゲスト:山本精一
セットチェンジを挟んでのALTERED STATESのライブ2日目。まずはゲストに山本精一さんを迎えての演奏となりました。楽器の配置も昨日とは違い、左手に山本さんのギター、後方左手にドラム、右手がベース、一番右が内橋さんのギターという並び。
 
演奏自体は大体予想はできていましたが、山本さんが引っ張りながらの演奏でした。山本さんは単音フレーズ多めで曲の芯を作っていく。それに対し、内橋さんはバッキング多めで、ところどころ面白いフレーズを織り交ぜていました。山本さんのギターは中音域が多くて、それよりも少し高めの音域の内橋さんのギターがバッキングに回ることで、バンド全体の音がグッと前に出ていたような気がしました。
 
展開もはっきりしていて、恐ろしいほど完成度の高い演奏で、大満足でした。終わってから山本さんが帰りがけに「プログレやん、これ」と言って去っていったのが印象的でした。うん、このメンバーが揃ったらプログレになるしかないですね。
 
 
第二部(ゲスト:渕上純子)
そのまま次のゲストを迎えてのパートへ。こちらはふちがみとふなとの渕上さんを迎えての歌謡ショーとのことです。渕上さんがステージに上がり、さっそく…と思ったのですが、譜面台がなくて探すところから。その間、楽屋から聴こえてくるギターを爪弾く音。どうやら山本さんが弾いているみたいです。
 
そんな謎の流れの中始まった第二部。最初の曲はアルタードのメンバーが知らないふちがみとふなとオリジナルの「大阪の歌」から。渕上さんの簡単な説明だけで、演奏開始。極端なくらいに押し引きある演奏と初見のいびつさが、何とも言えないカオスな感覚がありました。その後も、渕上さんの「イントロは(それぞれの)ルー・リード」、「(ボーカルに)だんだんリバーヴをかけていって最後はサイケに」という指示のもとで始まった「Top Of The World」。「西天満にアメリカ南部を混ぜた感じ」の「おふくろさん」。テンポとキーを落として歌われたきゃりーぱみゅぱみゅの「PONPONPON」。中島みゆきさんの「世情」では爆音のギターソロの裏でハーモニカ2つを同時演奏する渕上さんの姿があったり(マイクが通ってなかったから、すべての音はかき消されていましたが)と選曲もパフォーマンスもかなりカオティックでした。
 
※正しくは、ハーモニカ2つ同時弾きやってたのは本編最後にやったハイウェイ・スターのときだったみたいです。ツッコミありました!
 
本編が終わり、アンコールでは山本さんも出てきて全員で「アットホーム」を演奏。出てきた山本さんは「アットホームな雰囲気は苦手やねん」とめっちゃ機嫌が悪かった。でも、アンコールでやる曲は山本さんが選んだらしい…。これは普通にいい感じで終わりました。まさにアットホームな空気に包まれていました。
 
 
 
 
 
そんな感じの2日間。スリリングな演奏からナンセンスな歌謡ショーまで個人的には楽しめたイベントとなりました。毎年春のこの時期の恒例イベントにして欲しいくらいです。