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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

7.5『dj sniff、ダウトミュージックを斬る。』リリース記念LIVE大阪(dj sniff、mn、dj sniff×半野田拓、bonanzas、和田晋侍) /難波ROCKETS


bonanzasが非常階段のT.美川さんと共演するとかという噂があって気になっていたイベント。その後、出演者に和田晋侍さんが加わったことで「是非行こう!」となったのでした。

開演時間を少し過ぎたあたりで到着。中に入ると、フロア中央に鎮座する和田さんのドラムセットが異様な威圧感を放っていました。お酒を飲みながらふらふらしているうちにスタートです。

和田晋侍

久々に観た和田さんはボロボロのジーンズにTシャツ、髪はもしゃもしゃになられていました。

今回はドラムソロです。とはいえ、各太鼓やシンバルをトリガーで繋ぎ、エフェクターを通してアンプから出力させていたので、一般的なドラムソロとは違ったアプローチです。

椅子に座り、機材の調子を確かめ、辺りを見回しながらタイミングを伺っているようでした。で、最初の1音。ハイハットとバスドラ、スネアでギリギリリズムがあるような…そんなところからのスタートでした。そこから、微妙にジャズっぽいアプローチの展開を挟み、エフェクトをかけたドラムの音が広がっていきます。ロックというか、ノイズに近いアプローチでかなりジャンキーで凶悪な音でした。で、エフェクトかけたまま叩き付けるようにスティックを振り下ろし、スネアとタムを鳴らして1セット目終了。2セット目はハイハットを細かく鳴らしながら静かめの演奏から、ワウペダルを使ったアプローチもあったんだけど、最初ほどは盛り上がらなかったかな。全編20分くらい。まだまだ未完成な部分もたくさんあるパフォーマンスだと思うけど、とても面白かったです。ドラムだけでこれだけ広がりのあるアプローチができるのは凄いな〜。

昔、何かの雑誌のインタビューででEYEさんが「ドラムセットでバンドになる」ということを言っていたのを思い出しました。



mm(T.美川(INCAPACITANTS/非常階段)+沼田順(doubtmusic))

美川さんは非常階段のときで使っているような機材。リズムパッドや発信器。沼田さんはギターをたくさんのエフェクターに繋いでのアプローチ。

一見(?)、電子音楽っぽいノイズなんだけど、使っている機材がアナログだからか、どこか手作り感がある音が印象的でした。その辺のバランスが凄くよかったです。リズムパッドの音なのかわからなかったですが、一瞬メロディーのようなものが聴こえてきたりして、コラージュっぽい音像だったのが面白かったです。美川さんのツマミをいじる手の動きが卓越した職人のようで、年期の違いを感じました。

面白い音なんだけど、出音のデカさと周波数が耳にダメージを与えまくりで、ライブ後に耳がやられてしまいました。さすがです。


dj sniff×半野田拓

半野田さんは大体機材をいじったり。ときおりギターを手に取ったり、横に設置したハイハットを縦いていました。dj sniffさんは、DJ卓を操っていました。その編成でノイズ&コラージュサウンドを展開。

どちらかと言えばコラージュの比率が高く、多彩な音が代わる代わる現れては消えていき、変化していく音像が面白かったです。


bonanzas

今回はT.美川さんが加わった編成での演奏でした。曲目は前回とさして変わらず。「Lokzok」、「N'zue」とかだったかな。このバンドが持つ緊張感って、演奏の後ろで不穏に鳴っているノイズの音だと思うので、美川さんが入ることでどうなるかとても楽しみでした。結果は成功だったと思います。美川さんのノイズは出るところはきっちりと出て、引くところは引く。そして、バンドの緊張感を高めると同時に音に凶悪性を加えていたように思いました。聴いている方も普段よりもアドレナリンが湧いてきて、いつも以上に興奮して観ていました。首振ってたからステージはあまり観ていませんですが。



dj sniff

初めてです。もう、凄かった。自分の中で持っていた「DJ」の常識が覆されました。

ターンテーブルとアナログレコードを駆使して全く別物の音世界を作り出していて、宇宙へ連れて行かれたり、深いノイズの海に突き落とされたり、音のコラージュっぽい瞬間があったり、スクラッチ音で「ああ、やっぱりDJなのか」と思う瞬間もあったり。ギターなんかの楽器では絶対に表現しきれない自由さがありました。

40分くらいの演奏が終わった後、まだまだ自分には知らない世界があるものだな〜、としばし呆然とステージを見ていました。


動画を探していたら見つけたので



けっこうノイズめいたイベントでしたが、出演者それぞれが個性的で楽しいイベントでした。そして、耳にはとても悪いイベントでした。一日経ってもまだ音が耳に残っています。イベントは面白かったのですが、自分の体調がそれほどよくなくて、ちょっとしんどい瞬間があったことだけが心残りでした。