年明けにおとぼけビ〜バ〜がライブするってことで心躍ったのだけど、事情があってビ〜バ〜としての出演はできなくなったイベント。一時はどうしようかと思ったけど、フタを開けてみればとても気になるメンツばかりで、やっぱり行くことにしました。
開場時間を少し過ぎた頃に到着。椅子とテーブルが並んだ磔磔は京都のライブハウスならではの空気感があってやっぱり好きやなと思いながら、一緒に来ていた友だちとだらんと話しながら開演を待っていました。そして、ほぼ定刻に最初の出演者りんりんぽっぷのライブが始まりました。
■りんりんぽっぷ
おとぼけビ〜バ〜のあっこりんりんさんに同じバンドのぽっぷさんのユニット。あっこりんりんさんのソロはこの3ヶ月毎月のように観ていますが面白いことに毎回編成が違う。ステージに上がり、ちょっとMC。出演までの経緯なんかを話していたんだけど、緊張している様子がとても伝わってきました。でも、演奏が始まればそんなものを感じさせないパワーがあってさすがです。
1曲目は「淫乱」という曲。タイトルとは裏腹の切なげなバラードなんですが、歌に寄り添うようなドラムは入ることでより感情的に聴こえてきました。曲の後半は感情を爆発させるような激しい展開になって、なんだか照れ隠しのような気がしてぐっときました。そのまんま昨年末ウーララでやっていたショートチューンのパンクソングを1曲。
ここでMCを挟んで、今日できたという新曲。ギターカッティングが気持ちよくって、ラップなんかも入ってる新機軸と言える曲なんでしょうか。曲の途中でやり直したり、さっきできた感で溢れていて面白かったです。ライブも中盤を過ぎた頃、おとぼけビ〜バ〜の曲から「ふたりのひみつ」、「ぶりっこ撲滅」を演奏してくれました。これは単純に生演奏で聴けたことが嬉しかったと言えました。最後はハイテンポなショートパンクで締め。
演奏は堂々とやったんだけど、MCは緊張していることが伝わってきて、そのギャップがとてもよかったです。あっこりんりんさんの作る歌はメロディーと歌詞の紡ぎ方が好きです。聴きやすいんだけど、言葉使いが独特で、ちょっとひっかかるような感じ。時には歌に寄り添うように、時には直線的なビートで曲を引っ張っていくぽっぷさんのドラムと本当によかったなと感じました。
■モルグモルマルモ
ぼんやりと名前は知っていましたが、観るのは初めてでした。
曲は歌謡曲、ファンク、ニューウェーブなんかを取り込んで、そこにちょっぴりひねくれたエッセンスをまぶしてできたヘンテコなポップス。このヘンテコさがどうにも頭の端にこびりついてしまうのです。
曲間のMCでは基本的にボーカル藤谷さんが話されていたのですが、着地点見えない感じのグデグデでゆるゆる。タイトな演奏とのギャップに大笑いでございました。あまりにのグデグデ具合にドラムの深田さんが話しだしたんだけど、「はい、どーも!」というお笑い芸人みたいなノリで、2人の話し方の違いっぷりにやはり大笑いなのでした。
最後に演奏された「タクラマカン砂漠」という曲が個人的にはお気に入り。楽しく踊れる曲に「タクラマカン」という謎のサビがどうにも頭にこびりついてしまいました。
■ゆーきゃん
これまでも何度か観ています。今回はおひとりでの弾き語りでした。
さっきまでの楽しい雰囲気とはガラリと変わって息づかいまで感じられそうな繊細な演奏。コードチェンジするときに手と弦が触れで出るキュッという音が凄く好きだと思いました。曲目はカバーが数曲と他はオリジナル。後半に歌われた「エンディングテーマ」、「サイダー」の素晴らしさといったらなかったです。
この日は明け方に雪が降っていたこともあって、とても寒い日でした。そんな日に磔磔という場所で聴いたゆーきゃんさんの歌は、周りは真っ白な雪国で、焚き火にあたっているかのような暖かさを感じました。身体は寒くて震えているんだけど、心はとても暖かい…そんな感じ。
■花泥棒
前々から観たいなと思っていたんだけど、なかなか機会がなくて観れていませんでした。
CDも買って何度か聴いてはいましたが、普通にいい曲だなというくらいでそんなにハマるようなことはありませんでした。でも、ライブを観てけっこう印象が変わりました。思ったよりずっとアグレッシブな演奏で、演奏される曲のメロディーセンスのよさはもちろんいいのですが、いい意味で荒い演奏はかなり自分好み。本編最後に演奏された「生活」で特にそういう要素を感じました。これはもっと早く観れていればな〜というちょっとした後悔なんかもあったり。
本編が終わって時計を見れば音止めの21時まであと3分。アンコールはなしと言っていましたが、それでは納得できないお客さん。お店側からもOKが出てもう1曲やる、そんな展開にこのイベントが上手くいたよなということを強く感じました。