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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

8.31 BEST FRIENDS /心斎橋CONPASS、心斎橋STOMP、島之内教会

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現在の関西でトップクラスに面白い音楽をされていると思われる日野浩志郎さん(bonanzas、goat)が主催するイベントに行ってきました。昼前に友だちとご飯を食べるなどして時間を過ごしてから会場へ。開演10分ほど前に到着。受付でタイムテーブルと、会場の地図が載った用紙を貰って中へ。CONPASS以外の場所は知らなかったので、ありがたかったです。まずはSOLMANIA + YPYから。
 
 

SOLMANIA + YPY(CONPASS)

結成30年を迎えた関西ノイズの大御所SOLMANIAと日野さんのソロユニットYPYの合体ユニット。SOLMANIAのお2人は普段よりもコンパクトな機材で、エフェクターは各々ギリギリ一桁くらい、改造ギターもシンプルなものでした。
 
機材はシンプルだったためか、出てくる音も普段よりも混沌としていなくて、整理された音だったように思いました。そこにYPYのリズムトラックが絡まって、ノイズミュージックなのにとても踊れるものに仕上がっていたのが興味深かったです。20分程度の演奏だったけど、珍しいものが観れてとてもよかったです。
 
 
 
 

DJ威力(島之内教会)

そして島之内教会へ移動。この会場は他の2つと比べて少し離れていました。
 

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荘厳な雰囲気。扉を開けると礼拝堂があり、祭壇の上に機材が置かれていました。お客さんは礼拝堂の椅子に座ってじっくりと観賞するスタイル。
 
そんな会場の作りからか、威力さんのかける曲は踊れるものではなく、ピアノやヴァイオリンなどのものが多く、重厚なものやメロディーの美しさが際立つものが多かったです。じっくりと耳を傾けて浸るような感じ。かかっている音楽のせいか、教会という特殊な場所のせいか、なんだか神々しく聴こえたのが印象的でした。着ていた衣装もいつもの民族的なものではなく、黒いシックなものだったのもあるかも。威力さんのDJは何度も観ていますが、こうやって場所に合わせた選曲ができる振り幅は凄いと思います。で、そのまま「ひめむすひ」のライブへ。
 
 
 
 
 

ひめむすひ(島之内教会)

アイドルグループでいいのかな?巫女さんみたいな衣装の3人の女の子。コーラスがとても気持ちよくって陶酔しながら倒れそうになったり。宗教音楽っぽいかと思わせておきながら、けっこうダンサブルで面白い曲調だったので楽しめました。
 
ただ、踊りながら歌っているときはけっこう音がはずれてしまったりして、これからのユニットなんだろうな〜、と思ったり。どんなふうに育って行くのか気になるので、またライブ観てみたいです。
 
そのまま再び威力さんのDJを聴き、しばらく心斎橋をウロウロしてからCONPASSへ。巨人ゆえにデカイです。
 
 
 

巨人ゆえにデカイ(CONPASS)

前の方でかぶりついて観ていました。特製ベルボトムで2メートル以上の身長となったミッコさんが登場するやいなや、笑いまじりの歓声がおきる。ボディにガムテでガチガチにエフェクターがひっつけられたギターにあの巨体でインパクトは抜群です。
 
1曲目は「チルドレンコントローラ」かな。金属質なギターの音と、和田シンジさんの大音量のドラムが響き、会場は一気にジャンクな空気に包まれました。ミッコさんはかなり激しくギターを弾いていたため、弦が何本か切れてしまったみたい。でも、そのまま続けていました。他にやった曲は「アフリカのありをよけてしんだ男」と「Social Confidence Enhancement」はやっていたかな。
 
とにかく見た目のインパクトに音作り、歌詞のヘンテコさと関西特有の尖った感覚を存分に堪能できました。やっぱり和田さんのドラムはめっちゃ好きやと改めて思いました。ちょっと高めにチューニングされたスネアの音が好みすぎる。
 
 
 
 
 
そして、STOMPの湿った犬へ。
 

湿った犬(STOMP)

めっちゃかっこ良かったです。壊れたアナログシンセのみたいなリズムトラックが凄い好み。超満員の会場で、延々と響くミニマルな音には踊らずにおられませんでした。場内のお客さんも取り憑かれたように踊っていた。こういう音楽はちょっとフレーズやリズムの構成が変わったり、新しい音が加わるだけでめちゃ快感なんですよね。
 
 


湿った犬 - dog is surrounded by birds - YouTube

 

これ、凄い動画やな…。

 
 

 水内義人(島之内教会)

巨人ゆえにデカイのミッコさんこと水内義人さんのソロ。
 
goatまでは特に観たいものがなかったんですが、椅子でゆっくり休みたかったのと、水内さんがどんなことするのかちょっと気になったので行ってみました。結果、大正解でした。
 
ガスマスクにセンサーらしきものをひっつけて、カムテープまみれの水内さん。セッティングができたようで、そろそろ始まるか…と思いきや、コードを延々いじっていました。どうやらトラブルが起こっているみたいです。おそらく、身体のセンサーを使ってうごきに合わせて音が鳴るような仕組みのようですが、意図していた音が出ない様子。必死で復旧を図ろうとする様子が可笑しくて、場内からも笑いを堪えきれなくなった人の声が漏れ聞こえてきます。その間、水内さんの身体の動きに合わせて(?)スピーカーから聴こえてくるサンプリングされた「インターネット」と「味噌ラーメン」の2単語…。結局、復旧しきれないまま終了となりました。「終わりです」と言って、片付けに入ろうとしているときにまたも「インターネット」と鳴り響き、「もうええねんっ!」とツッコミ入れられてるのとか最高でした。
 
ガスマスクにガムテープまみれの大人がクネクネと身体を動かし、「インターネット」と「味噌ラーメン」という単語が不規則なタイミングでこだまする…。それも教会の礼拝堂という空間で。このとてつもないシュールな空間にいれたことをとても誇りに思いました。
 
水内さんは不満足でしょうが、自分は大満足でした。でも、ちゃんとしたものも機会があれば観てみたいです。
 
 

goat(CONPASS)

ShhhhhさんのDJで踊りまくってからのgoat。最初に日野さんの挨拶があってから1曲目「New Games」。一気に場内に広がるヒリヒリとした緊張感。この感じが最高です。本編3曲、アンコール1曲の計4曲でしたが、集中力を必要とする曲ばかりなので、これが限界なのかも。聴いている方もそれは同じ。聴いた後にドッと疲れがやってくるのですが、その疲れは不快なものではなく、心地いいもの。そして、少しの間呆然と立ち尽くす感じがたまらないです。
 
この日のライブを観ていて前衛音楽、民族音楽、ダンスミュージック、ミニマルと人によって、また観る角度のよって聴こえ方が変わる多様性もこのバンドの大きな魅力のような気がしました。
 
 
 
 
 
 
こんなに尖った音楽に浸りまくれた1日は久しぶりでした。いい意味で関西らしいアクトばかりで大満足でした。楽しかったです!