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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

8.2、8.3 METEO NIGHT 2014 /渋谷TSUTAYA O-WEST、O-nest

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前から気になっていたイベントであるMETEO NIGHT。今年の出演者のメンツにMOSTを見つけてしまっては行かない訳にはいかないイベントとなりました。さらに追加でDMBQも発表され、絶対行くしかないイベントです。
 
勢いに任せて通し券を購入し、昼過ぎに東京へ。O-nestは数年前に一度行ったことがあるのですが、道順をさっぱり覚えていなかったのでかなり不安でした。が、東京のお知り合いからの案内もあって意外とサラッと目的地へ。会場のあるビルの入り口で和田シンジさんやFLUIDのジャックさんとお見かけしたりして高まりながらエレベーターで上の階に上がっていきました。
 
エントランスで東京チームの皆様と合流してまずは乾杯。それからDODDODOとYOLZ IN THE SKYライブを観たりして過ごしました。どちらもいいライブでした。初日は夜に六本木スーパーデラックスへハシゴのため、このくらいで会場をあとにしてしまったのであえての感想はなしです。
 
そして2日目、最初のリミエキが観たかったので早めに会場へと向かいました。物販で和田さんからDMBQのTシャツなんかを買って最前列で待機。そして定刻となり、リミエキのライブが始まりました。
 
 

Limited Express(has gone?)

谷口さんが加入されての新生リミエキ。この編成でライブを観るのは初めてで、かなり期待していました。
 
相変わらずのアバンギャルドなサウンドは健在で、ボーカルに専念したYUKARIさんは広いステージを存分に使ったパフォーマンス、そして客席にも乱入してきて、初っぱなにも関わらずクライマックスかというくらいの盛り上がりでした。谷口さんのベースもめちゃめちゃぶっとい音で、強烈な存在感がありました。これまで観た中でもトップクラスのパフォーマンスだったと思います。いきなりこんなライブを見せられて、東京まで来たかいがあったというものです。
 
 

Merzbow

次に登場したのは、ノイズの帝王Merzbow。机の上に鎮座するエフェクターの数々。そして秋田さん自作の機材から放たれるノイズの嵐に自分の聴覚は大変なことに。Merzbowのノイズはサンプラーかな、ノイズの向こうあるリズムが聴いていてとても心地よいのです。冷静に、淡々と音を変化させながらノイズの粒子で場内を満たしていく様子は長年の貫禄を感じずにはいられませんでした。ノイズミュージック独特の「満たされ感」に包まれながら、幸せな時間が過ごせました。
 
 
それからそのままSLIGHT SLAPPERSを観てました。ゴリゴリのハードコアだったのですが、自分的にはそれほど惹かれず…。最後にお客さんがダイブしてきて眼鏡が吹っ飛ばされそうになった記憶しかないです。そして、次はお目当てのひとつ、DMBQです。
 
 
 
 

DMBQ

2年くらいの沈黙期間を経てのDMBQ
 
自分がこのバンドを知ったのは、高校3年の春に「BADGE」という雑誌(ミッシェルが表紙で買った)に掲載されていたインタビューでした。2000年代を迎えようとしているときなのに、マッシュルームカットにベルボトムという異様な外見の4人組に度肝を抜かれ、当時の自分は新譜「JINNI」を求めてチャリで近所のCD屋を探しまわったものでした。そして、その圧倒的なサウンドに魅了され、RSRや、当時スペシャでやっていた「ライブファントム」という番組の映像でそのパフォーマンスにも圧倒されてからずっとファンを続けています。2000年くらいからの関西のライブはけっこうな頻度で行きました。
 
話を戻して今回のライブ。「ハ」の字に組まれたアンプの山。合計6台くらいか。真ん中にはドラムセットが鎮座する構成。何かがおかしい…。これまでリードギターを弾いていた松居さん、ベースの龍一さんの姿はなく、リーダーの増子さん、ドラムの和田シンジさん、ベースは…わからない。そんな編成に変わっていました。全く予想していなかった展開に驚きを隠せずにセッティングを見守り、ついにライブは始まりました。
 
これまでのDMBQとはうってかわって、増子さんが最近されていたThe Floating Guitar BorchestraやMOANを発展させたようなサウンド。DMBQ独特の過剰なアクションや激しい音は鳴りを潜め、アンビエント〜ノイズといった色合いが強いものでした。後半は大量のギターアンプから放たれる轟音に酔うことができましたが、これまでのDMBQとは似ても似つかないサウンドに唖然とするばかり。曲の展開も単調で(多分、ベースの影響が大きいかな)、あの激しいサウンドを想像していたから、正直受け入れきれない自分がいました…。なんか、赤犬がBAKUTOで今の体制になったときみたいな戸惑い方でした。
 
約30分の演奏はどうやってこの変化を受け入れるかという時間だった気がします。別名儀だったら問題なかったかもしれないけど、DMBQ名義でこれは…。ちょっと時間が必要かもしれません。
 
 
そんな衝撃的なライブの後は、東京の皆様と飲みに行ったりして途中離脱。その後、O-nestの上にある7th-FLOORでBabiさんのライブがあることを直前に知った自分は、ちょっと観に行ったりしてました。それまでの派手なライブとはうってかわって落ち着いた演奏。やっぱりBabiさんの奏でる音は、音階が踊りだしているような楽しく幸せなものでした。当日券で入ってライブ観てまたMETEO NIGHTに舞い戻る…そんな人は他にはいない模様。
 
その後は、O-nestでFLUIDのライブをチラ見してからMOSTに備えるため下階のO-WESTへ。切腹ピストルズが会場をおおいに沸かせている様子を観て、YSIGの音の変わりように驚いたりしながら時間を過ごす。そして、お目当てのMOSTのライブとなりました。
 
 

MOST

セッティング。山本さん以外のメンバーのセッティングはほぼ終わったのに、山本さんは出て来ない…。ステージ右手に佇むマーシャルのアンプがシュールでした。やっと出てきた山本さんはサッとエフェクターを繋ぎ、セッティングを終える。程なくしてからライブは始まりました。
 
Phewさんのヒステリックで叩き付けるようなボーカル。狂ったようにギターを弾く久人さん。全身バネのようなしなやかさでドラムを叩く茶谷さんに身体の細胞という細胞が沸騰するような感覚を覚えながらその音に身を任せる快感。
 
この日は山本さんの狂気っぷりが炸裂していました。グラサンをかけて凶暴モードで演奏を続ける山本さん。汗でグラサンがズリ落ちるのを何度も直しながら演奏を続けてる。曲のイントロは間違える、ソロも怪しい、挙げ句の果てには演奏曲が残っているのにギターを床に落として去って行く…。この混沌さは他ではありえない。そんなカオスっぷりが最高でした。演奏どうこうというより、山本精一という人間に振り回される観客と他の演者。そんな構図に強烈jな興奮を覚えました。ライブの合間の山本さんの可愛らしいダブルピースに狂気を覚えたり。気がつけば茶谷さんはタムをはずしてスネアとハイハット、バスドラで叩いていたりするカオス。演奏のクオリティというものを超えた先にあるパンクの精神。気がつけば破壊衝動に駆られている自分を見つけたり。この日は山本精一という人間の狂気をまざまざと見せつけられた気分、そして興奮いう感情に支配され、最高としか言いようのない40分でした。
 
 
 
翌日は始発の新幹線で京都に向かい、そのまま出社するエクストリーム出社でしたが、それが全然苦にならないとんでもなく楽しいイベントでした。