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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

12.3 栗コーダーカルテット・コンサート /元・立誠小学校


12月の初め、違うライブの開演待ちをしているときに届いたメール。ふと見てみるとP-hourさんからのメルマガで、この日のライブのお知らせでした。そういえばこのイベントは行きたいなと思っていましたが、平日だし無理かもなと諦め、すっかり忘れていたもの。ですが、仕事の様子を見るに、なんとか行けそうかなと思ったので、行くことにしました。自分的には絶妙なタイミングでメールが来たと言えます。

夜の木屋町通りをトコトコ歩き、立誠小学校へ。来るたびに好きな場所だな〜と思ってしまう不思議な空間。受付を済ませて、会場の扉を開けました。

前回ここでライブをしたときは3階の和室で、寝転びながら観てもよさそうなくらいのゆるゆるした雰囲気だったんだけど、今回は1階の職員室が会場となったようです。開演時間ギリギリだったから、並べられた椅子のほとんどは埋まっていて、最後列に座ることになりました。椅子に座り、落ち着いた頃にふらりとメンバーが登場しました。

1曲目は「マヨネーズ第二番」。久々に聴いたリコーダーの暖かい音色に早くも来てよかったなと思えました。場所が場所だけに音量は控えめ。でも、この人たちは控えめなくらいの方が息づかいなんかも聴こえてくるような気がしていいと思います。

そこからライブは1〜3曲程度演奏してからみなさんの楽しくゆる〜いお喋りがあってまた次の曲へという流れ。お喋りは少し長い印象もありましたが、皆さんのほわほわした漫才みたいな掛け合いが面白くて楽しい気持ちになりました。1時間半くらいの公演のうち、30分くらいは喋っていたんじゃなかろうか。

肝心の演奏は、前半は自身のレパートリーから、中盤は新譜である「あの歌 この歌」から何曲かとカバー楽曲が少し、最後はもう一度レパートリーからといううまくまとまった構成でした。

個人的に面白かったのは新譜からの楽曲。日本の童謡なんかの古い歌をカバーしたもので、春夏秋冬の流れで数曲ずつ演奏していました。「みかんの花咲く丘」や「富士山」、「黄金虫」など。小学校のときによく聴いたり歌っていた楽曲が温かみのあるリコーダーで演奏され、長年歌われ続ける曲というのは普遍的な何かがあるのかもなと再認識できました。職員室でこういう曲が演奏されるというシチュエーションも素晴らしいです。曲の合間に関島さんが解説をされていたんだけど、けっこう天然入っていて可愛らしかったです。

本編が終わり、アンコール。栗原さんの「やっぱりピタゴラやった方がいいかな…」ということで「ピタゴラスイッチ オープニングテーマ」を演奏してくれました。最後はみんながオクターブ上のリコーダーに持ち替えてのクリスマスソングのメドレーで締めでした。

寒くなってきた冬の日に急遽行くことにしたこのライブ。そんなだったからとてもフラットな気持ちで観ることができました。立誠小学校という廃校の職員室、建物の雰囲気、木の床の暖かみ、そしてメンバーの可笑しなやり取りと飾り気のないアコースティックな編成での演奏がすべてマッチして、冷えきっていた身体と気持ちがぽかぽかと温かくあっていくのを感じました。

終演後、メンバーによるサイン会があって、思わずCD買ってサインをしてもらいました。「栗コーダーのじゃないんですけど…」って申し訳なかったんだけど、「全然いいですよ」ってみんなサインしてくれて、とても嬉しかった。

またこの場所でライブが観てみたい。