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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

4.3 印象A(パスピエ、tricot、NOKIES!) /梅田シャングリラ

前から観たいと思っていたのに、なかなか観れなかったパスピエをようやく観ることができました。思い起こせば昨年の7月、梅田クアトロのイベントのチケットを買っていたにもかかわらず、ライブの日付を勘違いしていて観れなかったり。ライブが発表されるたびに他のライブと被って無理だったりして何度も枕を濡らしたものです。

定時で職場を出て、京都から梅田へ向かう。到着したのは開演時間19時ギリギリで、中に入ってドリンクを替えたあたりでイベントが始まりました。さすがにソールドアウト公演だけあって、中は身動きとれないくらいのお客さんで埋まってました。


■tricot
名前は知っていたけど初めて観ました。関西のバンドらしく(?)「探偵ナイトスクープ」のテーマで登場。

のっけから超ハイテンションのパフォーマンスで会場内はまさに揺れてました。ギターさんは上半身を揺らしながらステージから飛び出してきそうなくらいのテンション。ベースの娘も華奢な外見からは想像できない大きなアクションでよかった。

ただ、楽曲はそれほど好みの曲がなかったのが残念。リズム感というかグルーヴ感がそれほど好きじゃないのかもしれないです。あと、ボーカルの声質。なもんで、イマイチ入り込みきれずにフロアが盛り上がっていくにつれて少し冷めていく自分もいて、複雑な気持ちで観てました。

ライブ後半のコールアンドレスポンスコーナーでは、パスピエ印象A記念ということで「ナリ【タ】!、ハネ【ダ】!」(【】がお客さんね)コール。盛り上がりまくりのフロアだから、当然みんな叫ぶようにコールアンドレスポンス。それに応えるように成田さんが登場してそのまま次の曲に突入。成田さんはそのままステージで踊ってました。ここは自分も盛り上がれたところ。

全体的に「あと少し」感のあるような印象のステージでした。


■NOKIES!
初見です。コーラスなんかも綺麗でいいバンドなんだろうけど、それほど自分の好みとは合わなかったです。外でタバコ吸ったりしてました。


パスピエ
ステージの幕が開き、SEが鳴る。少し経ってから楽器隊の4人が出てきました。初めて見た印象は「若っ!」でした。20代前半だろし当たり前なんだけど、想像以上に若くてびっくりした。ステージ向かって一番左がなつきさんで、中央から右側に楽器隊が固まっているちょっと特殊な立ち位置が面白い。

成田さんの「お待たせしました、パスピエ始めます!」の一声から「デモクラシークレット」へ。イントロが鳴った瞬間にずっと音源で聴いていた曲を生で体感できる喜びが沸きあがってくる。お客さんもかなり盛り上がっている。そのままの流れで「トロイメライ」、「チャイナタウン」へと続く。いきなりノリのいい曲が続いてフロアの沸点もどんどん上昇していくのがよくわかりました。アウトロから楽器を掻き鳴らしてそのまま終わるのかと思わせてからの「フィーバー」。お客さんの期待をいい意味で裏切るようなこの繋ぎには鳥肌たちました。

ここでいったん成田さんのMCを挟んで、「マグネティック」、「名前のない鳥」へ。今までの湧き上がったフロアから一転して、じっくりと曲を聴いていくムードに。で、なつきさんのMCから始まったのは「気象予報士の憂鬱」。正直、音源で聴いているときは飛ばしてしまうことも多かった曲だったんですが、ライブで聴いてイメージが一気に変わりました。始めの切ないメロディーラインがあるから、後半の跳ねるようなリズムが活きてくる。泣きながら笑えるような曲。

あと2曲ですのMCから始まったのは「最終電車」。この曲は名曲すぎます。ちょっと切なげなんだけど、希望も持てそうなメロディーに、あの歌詞ね。サビの破壊力はちょっと反則。別れと始まりを感じさせる曲で、聴いてると泣きそうになってきます。自分があと10歳若かったら泣きながらステージを見ていたと思います。本編最後は「電波ジャック」。この曲でパスピエを知ったから、やってくれて嬉しかった。フロアも最後のひと盛り上がりという感じで楽しそう。

で、アンコール。まずは成田さんからアルバムの発売と、印象Bの開催が発表され、湧き上がる会場。最後の最後は「脳内戦争」でおしまい。パスピエの楽曲の中でこの曲が一番好きかもしれないです。おもちゃ箱をひっくり返したようなひっちゃかめっちゃか感がたまらない。


やっとこさパスピエのライブを観ることができました。音源とか聴いていた印象だと、カチッとまとまった感じ、悪く言えばこじんまりした演奏なんだろうなと予想してたんですが、見事に裏切られました。めちゃくちゃフィジカル。自分たちのテンションをガンガンに音に乗せてきて、客席にぶつけてくる。なつきさんのボーカルも上手いだけじゃなくて、伸びやかでとてもよかったです。それに反応した客席のエネルギーを演奏に変えて…と会場全体を巻き込んだ素晴らしいステージでした。演奏にはスケール感があって、「これからもどんどん大きくなっていくんだろうな」というそんな予感でいっぱいでした。

演奏はすごいよかったし、自分もかなり盛り上がってました。ただ、手拍子連発の客席や、サビでみんなが同じように手を上げたり、手を後ろから前に振るような仕草があったりで、「統制されちゃっている感じ」がちょっとだけしたのがきつかったです。

なんにせよ、初めて観たパスピエは自分の期待をいい意味で裏切ってくれて最高でした。終演後に印象Bのチケットも買えたし、7月が楽しみで仕方ないです。