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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

3.23 shining 2(枡本航太、穂高亜希子、とうめいロボ) /南船場epok

この日はまめぴよちゃんの企画に行ってきました。彼女の企画は2回目で、1回目は約3年前に京都メトロで行われました。そのときの出演者は枡本航太さん、GAGAKIRISE、DODDODO、Z-Z言語「ウ」オシリペンペンズというめっちゃ濃い方々ばかり。このとき初めて観たGAGAKIRISEのライブはとても衝撃的でした。出演者みんながとても激しいパフォーマンスを披露しつつも、どこかしこにやさしい気持ちが見え隠れするとてもいいイベントだったと記憶しています。

第2回目となった今回は地下一階があるビルの4階、epokというところ。自分は初めてだったんですが、秘密基地みたいでいいところだなと思いました。会場は後方にはいくつかの椅子、前方に赤いじゅうたんが敷かれていて、そこにマイクとモニターがセットされている。ステージと客席の区切りがなくて、ちょっと歌を聴きに来ましたというような雰囲気。じゅうたんに上がって、まめぴよちゃんとちょっと喋ったりしながら開演を待っていました。


枡本航太
定刻を少し過ぎて、セッティングが終わる。一番前で座っていたまめぴよちゃんに「そろそろやった方がいいですか?」と聞く枡本さん。びっくりしてか「どっちでもいい…」という反応のまめぴよ。この反応にお客さんたちからも笑いがこぼれ、なんだか不思議でほっこりした空気になりました。そんなハプニング(?)もあってからの枡本さんの演奏。前半はアコギの弾き語り。後半はピアノの弾き語りでした。

枡本さんの演奏を聴いていると、風景が浮かんでくる。前半のギターの弾き語りでは、枯葉が舞うどこかの広場だったり、どこか寂しい感覚を呼び起こすような画が浮かびました。後半のピアノの弾き語りでは、MCでおっしゃっていたのもあるけど、凍えるような冬の朝の遠い国の画が浮かんできた。それがどこかはわかりません。人の行き来もないような寂れたところだった。

ギターもピアノも、儚くて寂しさを感じさせるような演奏なんだけど、その裏側では燃えるような情熱や生命力が見え隠れしていて、とても感動しました。


穂高亜希子
以前、ムジカジャポニカであった『早川義夫JOJO広重の世界』で観て以来です。

穂高さんの歌は、華奢な見た目のように、触れると壊れてしまいそうな繊細さと綺麗で伸びのある歌声の持つ力強さが混じりあったような不思議な歌。そして、ひと言ひと言紡いでいくような歌い方が自分の感情をぐんぐん揺すぶってくる。

ライブは枡本さんと同じく、前半はギターの弾き語り、後半はピアノの弾き語りでした。この日は穂高さんご自身もブログで書かれていたように、何だか特別なライブだったのかなと思う。あまりにその想いが強すぎたのか、声が裏返ってしまったり、歌っていたのに歌詞を忘れてしまって最初からやり直す場面があったりで、全体的な「ライブとしての完成度」という点ではあまり高くなかったように思いました。

でも、今日のイベントに対する気持ちをおっしゃったMCから演奏された「悲しみ」という曲が素晴らしすぎて、高まってきた感情を抑えるので必死でした。この日の想いが、感情がそのままピアノの音に、歌声に乗ってきたようでとてもよかったです。


とうめいロボ
散々名前は聞いているんだけど、ライブ観るのは初めてでした。

ギターの弾き語り。そして、ライブの中盤には枡本さんとの共演もありました。ピアノ参加とギター参加が1曲ずつ。ジッと前を見つめて歌う姿が印象的。その視線の向こうには誰が(何が)いるのか…そんなことを考えてみたりしながら歌声と音の中に自分の身を委ねていきました。

景色…というよりは、目をつぶって歌に耳を傾けて、時折聴こえてくる歌詞の断片から何かのワンシーンのような瞬間瞬間が切り取られたような映像が浮かんでくる。千尋さんの歌声はそっと語りかけてくれるようで、やさしく包み込んでくれるようでした。あと一歩で泣きそうなくらいよかったです。

ずーっと集中して音に入り込んでいたときに、最後に演奏された「黒猫音頭」で細かいことは気にせずにカラッと音楽を楽しめるムードにしてくれたのもよかった。


この日のイベントはまめぴよちゃん自身の想い、出演者のみなさんの想いがいっぱい詰まった素晴らしいものでした。開演時間を早めにして(17時開演)、20時くらいとあまり遅くならないうちに終わるのもよかったです。個人的にも終電も気にしなくていいし、次の日にも響かないので、これくらいの時間に終わるイベントが増えてくれると嬉しいなと思います。