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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

9.30 服部緑地 Rainbow Hill 2012 /服部緑地野外音楽堂

何年も前から行きたいな〜と思っていたイベント。なんか勢いで行くことにしてみました。ちょろっとずつだけどレポです。

前日は飲み会で帰りが遅かった。倒れるようにベッドに入り、起きてみるとかなり時間がヤバイ。開演には間に合いそうになさそう。というか絶対に間に合わない時間。さらに外は雨が降っている。天気予報どおりやっぱり台風なんや…。とにかく先週使ってギリギリ洗濯したレインコートをカバンに突っ込んで家を出ました。

このイベントはタイムテーブルが公開されないから、しょっぱなでお目当てが出たらどうしようかとやきもきしながら電車に乗る。Twitter見ているとパスカルズのリハ?一番観たいバンドが最初!?とやきもきやきもきでありました。でもありがたいことに(?)パスカルズは大トリで全部観れました。

緑地公園駅に着くとけっこうな雨が降ってました。駅の出口付近でレインコートを着込む人が多数。自分もレインコート着て歩き出す。

駅から公園までのこの道がとても好きだ。ホントに落ち着くし、気持ちいい。雨でもそれはそれでいいものでした。

会場に到着するとビューティフルハミングバードの演奏中。ゆるやかに思いのままに楽しんでいるお客さんを見たりしながらとりあえずビールを買って端っこから観てました。


ビューティフルハミングバード
ちょろっとしか観れてないけど「ああ、好きや」と思える音と歌声でした。


ずっと降ってる雨が少しずつ強くなっていく…。それを避けるためにけっこうな人がステージ両脇の屋根のあるところ周辺にいてる。そうこうしてるうちにみにまむすが出てきたので、客席の方へ移動。「フードもあるし、まあええか」って感じ。


■みにまむす
曲もMCもパフォーマンスも盛り上げ上手であります。15分くらいかな、仰々しい機材を必要としないフットワークの軽さが魅力ですね。お客さんの方も肩肘張らずに聴ける。途中で次のLA MUが準備を始めたんだけど、全員白塗り&赤装束という格好で気になりまくりでした。

楽しく演奏する4人の後ろに佇む赤装束の集団というシュールな絵面。


■LA MU
ギター、ベース、テルミン、ドラム、ボーカル、トランペットとかやろか?客席でぼえ〜っと観てた。「ギターとベースはスタインバーガーなんか〜」とどうでもいいことが気になったり。雨に打たれながらぼえ〜っと陶酔していた気がします。


そこから屋台でカレー買って端っこ食べてみたり。そうしているうちに曽我部さんが出てきました。


曽我部恵一
ステージ前には人だかりができてた。さすがは曽我部さん。アコギ1本の弾き語りだったけど、とてもパワフルな演奏だった。ジャカジャカ弾きまくっていたかならな。

中盤の『テレフォン・ラブ』から盛り上がりは凄かったです。弦が切れて歌う『青春狂走曲』、『魔法のバスに乗って』。さらに何本か切れてしまって「弦がほとんど残ってない」とギターを捨てて、アカペラと手拍子だけで歌っていた『STARS』は正直身震いした。たぶん、雨で身体が冷え切ってしまったせいじゃないと思う。


動画はバンドサウンドで。


この後、夕凪の準備中にmorimakoさんのケンダマプレイ。技が成功する度にあがる歓声、楽しい。


■夕凪
歌声がとても力強かった。曲も聴きやすかった。スコーンと突き抜けるような演奏が印象的だった。最後の曲でふちがみとふなとの純子さんがゲストで登場。これもよかったです。ただ、惜しかったのはこのくらいから雨だけじゃなくて風も強くなってきて、体力的なこともあって集中して聴ききれなかったのが残念でした。またゆっくり観たいな〜。


ふちがみとふなと
夕凪の終わりで船戸さんのウッドベースをセットしてそのまま開始。1曲目は夕凪のメンバーも何人か残ってやってました。で、2人になってから最初の曲で純子さんが「大変だー!台風だー!」と客席へ飛び出す。ステージに戻って歌おうとするも、さっきのコーラス用の別マイクで歌ってしまってテンパってました。可笑しくて可愛らしかった。

ウッドベースと歌というシンプルすぎる編成と、純子さんの動きを観てると自然と楽しくなって笑顔になりますね。船戸さんのウッドベースに雨がかかって、しきりにそれを拭いていて大変そうでした。1曲パスカルズの石川さんが参加されてました。


ふと辺りを見てみると、雨も風もどんどん強くなってきてかなり大変な状況になってきた。会場外の木が恐ろしく揺れている。屋台のテントの人もかなり大変そう。客席にいてた自分もあまりの雨と風のため屋根のある端っこへ避難。雨に打たれすぎて指先が真っ白&ふにゃふにゃになってきてた。


ハッチハッチェルバンド
端のほうで休んでいると、なにやら軽快で楽しそうな音楽が聴こえてきた。思わず足がステージ前へ向かう。

早めのテンポのドラムにウッドベースのスラップ、バンジョーの音がとにかく楽しくて軽快なノリを生み出していました。少し経って出てくるハッチハッチェルさん。そんで乗っかるバイオリンの良メロ。アコーディオンとアコギの音もよい。

何年代なんだろう、古めかしいサウンドが逆に自分には新鮮でした。曲順、間に挟まれるMC、パフォーマンスのバランスが素晴らしくよくって、良質なエンターテイメント。ライブ後半には雨も風も忘れてこのバンドに夢中になっている自分がありました。

雨風が大変なことになってきたので、ステージ後ろの客席(屋根あり)が開放されました。「こっちで観てもいいよ」ってことでほとんどのお客さんが移動。みるみるうちに席が埋まっていく。自分も移動した。もう、座れそうな席がなかったんで一番後ろの通路で立ってみることに。会場着いたときからずっと過酷な状況だったので、少しほっと落ち着いた感じ。必然的に後ろから演者を見ることになるんだけどそれはそれで面白い体験になりそうで、ちょっとワクワクした。


ハンバートハンバート
今まで何度も観たい観たいと思っていたのに、全然タイミングが合わなくて観れなかった。数年越しでやっとこさ観ることができてそれだけで感動した。初体験が後ろからという訳のわからない展開だけど。やったけど途中から後ろ(こっち)向きにセッティングし直してライブしてくれました。

CDで何度も聴いた声が目の前で再現されていることが嬉しい。『おなじ話』のデュエットの悲しさと愛おしさ。『長いこと待っていたんだ』の純粋な感動。アップテンポで楽しくも風刺の効いた歌詞の『国語』は何度聴いたことかわからない。極めつけは船戸さんとロケット・マツさんをゲストに迎えて演奏された、たまの『夕暮れ時のさびしさに』でした。遊穂さんの声で聴くこの歌はやさしさが2倍くらいになっていたかもわからん。晴れていたらちょうど夕日が沈むくらいの時間だっただろうか。

ステージ前方は雨が吹き込んできて水溜りができるくらいな状況だったけど、演者の後ろのほうの芝生では傘さして曲に合わせて踊る子どもさんがいててめっちゃ可愛かった。あれは反則やったと思う。そんなのも含めてとてもほっこりとした気持ちになりました。


みうらじゅん安斎肇勝手に観光協会 feat.山田五郎
セッティング前に主催者さんから「次のみうらじゅん安斎肇勝手に観光協会 feat.山田五郎は後ろ向きでやります。でも、最後のパスカルズは前向きでやります」とのアナウンス。雨に打たれながら頑張って正面で観てたお客さんは「おっしゃー!」っと歓声があがる。後ろ(こっち)からは「あらー」とため息。もう、お客さんのノリも変になっていっていた。

で、肝心のライブはやたらゆるかった。観光協会なんで、自作の都道府県のご当地ソングを披露。ちょう適当なMC…というか漫才(?)から「お客さんの3分の1は群馬から来てると思います…」といったフリからその県の歌をやる。

演奏力?どうでもいい。この3人が並んで座って演奏しているだけで面白い。意外に山田五郎さんのギターが冴えていたのは予想外。


■みにまむす
ここでまさかのみにまむす。1日で2ステージ。拘束時間は6時間というある種一番過酷なバンド。影のMVPか。

後ろで観ている人たちに「最後やしこっちへ来たら」と促す。「せやな」と反応するお客さんたち。次々と正面側へと移動してました。そうこうしているうちに雨も止んできて、風もなくなってきた。どうやら台風は過ぎ去ったみたいです。


パスカルズ
言葉にならないくらいよかった。やさしさや哀愁を感じさせるメロディー。大所帯独特のパワーみたいなのも感じた。そして、石川さんの存在が素晴らしい。何故かワンピースで登場してパーカッションを叩いている。そう思ったら踊ってみたり、ドラムの後ろの方まで歩いていったりと自由すぎる。その様子が音楽の楽しさを体全体で表現しているようで(本人はたぶん意識してないと思うけど)、パスカルズの音に純粋さや嬉しさを乗っけてくれているような気がしました。

最後はロケット・マツさんの掛け声で出演者がみんな出てきて、大団円でした。ステージ中央で代わる代わる踊ったりパフォーマンスをする出演者のみんなが本当に楽しそうだった。もちろん観てるお客さんもみんな楽しそうだった。

また観に行きます。


という感じで、台風直撃というとんでもない状況で決行されたRainbow Hill 2012でした。正直、中盤は何度も「帰ろうか」と思うこともあったけど、最後までいてて本当によかったと思いました。進行順がとてもよく練られていて、セットチェンジでダレることがほとんどなかったのも大きかった。帰ろうかと思ったところでステージで何か始まるからついつい観てしまってタイミングを逃すこと何度も。会場に着いたときから終わるまで約8時間立ちっぱなしのはずなのに、全然そんなことを感じませんでした。これは凄いことだと思う。その分、家についてほっとしたら一気に疲れが来てヤバかったですが。

これは毎年行きたいイベントです。