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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

11.17 山本精一 with THE PLAYGROUND(千住宗臣:ドラムス、須原敬三:ベース) /梅田シャングリラ

山本精一さんのライブ活動再開のニュースを見てまっさきに予約した。けっこう忙しい時期の平日で、行けるか心配だったけどなんとかなるかと思ってました。フタを開けてみると予定がどんどん後にズレ込んできてしまい、かなり危険な状態でした。それでも仕事を持って帰って飛び出るように職場を出て大阪へ向かいました。

ギリギリまで仕事をしていたので、会場に着いたのは19時40分くらいで開演の少し前。初めて見たシャングリラのフロアに並べられた椅子を見てびっくりし、既にほとんど埋まっていた中でなんとか席を見つけて確保。物販で会場限定CD-Rを買おうと思ったけど、売り切れてしまったみたいで残念だった。

開演時間20時ぴったりに照明が落ち、幕が開いてメンバーが座っていた。向かって左から須原さん、千住さん、山本さんの並び。山本さんはノーキャップにトレーナーみたいな普段着で見かけは普通のおじさんだ。

まずは『Days』からのスタート。てっきり新譜「ラプソディア」の曲からだと思ってたから意外だった。最初何曲かは演奏するメンバーの様子を観たりして楽しんでいたけど、途中から音に集中したくて目を閉じて聴いてました。

山本さんのギターの音がとてもやさしく響いていてすばらしかった。ジャキジャキとした角がなくて少し籠っているというか、丸っこい音。このギターの音とピッキングするときに出る「キュッ」という音がたまらなく好きです。いきなり歪ませた音でびっくりさせるのもこの人らしい。

須原さんのベースはさすがに山本さんとの共演歴が長いだけあって、安定感あった。芯のあるふくよかな音だった。意識して聴かないと曲の中にスッと溶けていって耳では聴こえないこともあったけど、体では聴いていたと思う。たまにフレーズが耳に入ってくるとニヤッとした。

千住さんはスティックやブラシをつかって、激しく優しく叩いていた。この日は久々に観たので、単純にそのことが嬉しかった。

ライブ自体はそれほど照明が凝っているわけでもなく、淡々と進んでいった印象。山本さんのMCも「次の曲は…」と言って始めるくらいで、長く話す瞬間はなかった。しっかり曲を聴かせようという意図があったのかな。もしそうだとしたら、成功したと思います。

アンコールではまずカバーで『O Caroline』を演奏。そして羅針盤の『カラーズ』をしていた。山本さんは「羅針盤の曲はずっと封印してたけど、封印を解きます…この曲しかやらへんかもしれんけど」というようなことを言っていた。大阪では初めてらしい。個人的には『アコースティック』をやってくれたら泣くと思う。両方とも前奏がめちゃめちゃ長かったけど、多分歌の出だしを忘れているなといらん想像してた。

ここで一旦退いたけど、2回目のアンコールにも応えてくれました。「持ってきた曲がこれで最後やから、ほんとに終わりです」といって1曲。もうこの時点で音に酔いまくりで気持良くなっていたので何の曲かは覚えていないです。

自分は歌詞がほとんど頭に入ってこない人間なので、詞がどうこうというのは言えませんが、山本さんの歌もののよさは音の質感と山本さんの声だと思う。ちょっと排他的というか、でもキラキラしていて意欲が出てくるというか、そんな気持ちになる。

僕はよく伏し目がちになってどこを見るでもなく音に身を任せて聴いてます。すごく気持ちいい。