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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

20180505 「二人会」(山本精一、見汐麻衣) /阿佐ヶ谷Roji

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MDTでの狂乱の宴から一夜明け、GW東京最終日は阿佐ヶ谷で開催された歌ものイベントに行ってきました。見汐麻衣さんと山本精一さんで不定期開催されている弾き語りイベント「二人会」です。

 

阿佐ヶ谷駅のすぐ側の小さなバー。気をつけて歩かないと見逃してしまいそうな路地の一角にありました。びっくりするくらい近くにあって、焦ってしまったり。今回は定員25人ということもあり、早々に売り切れ。開場待ちの人もいるかなと思って少し早めに来たんだけど、それほどでもなかったです。

 

知り合いもやってきたりで、お店の前で待っていると、階段の上の入り口から山本さんが降りてきました。「昨日、良かったです。今日も楽しみにしてます」とテンプレ的な感想を伝え、ご本人はそのままどこかへ。一瞬、もうちょっと何かなかったのか…と思ったりもしたけど、お客が伝える感想なんて「良かった」くらいで充分なんじゃないかなと思ったりでした。

 

程なくして開場。きゅうきゅうに用意された椅子席の2列目(1列目は距離が近過ぎてちょっと止めた)の隅で開演を待つことにしました。徐々にお客さんもやってきて、小さなお店は、身動きとるのも憚られるくらいのお客さんで溢れていました。

 

 

見汐麻衣

定刻になり、まずは見汐さんから。カバー、新曲、埋火の楽曲がバランスよくまとめられた約1時間の演奏でした。しっかりと芯があって、伸びやかで澄んだ歌声、ギターの音も少し聴いただけでそれと分かる。見汐さんの歌は、心が浄化される様な気がするんだよなー。んで、埋火の「溺れる魚」、「と、おもった」と聴けたのは嬉しかったところ。

 

演奏している姿はあまり見えなかったので、目を閉じて情景を浮かべたりしながら聴いてました。あと、自分は音楽に浸っているときには、天井とか見てしまう癖があるんですが、今回も見てた。ちょっと高い天井に歌が吸い込まれていく感覚が良かったです。また、ふと外の景色に目をやると、阿佐ヶ谷の商店街を行き交う人の姿が見えて、映画のワンシーンみたいで感動しました。特に何気ない日常の延長にこんなに素敵な音楽がある。そんな時間でした。

 

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山本精一

こういうシチュエーションで山本さんの弾き語りを観るのはとても久しぶり。セッティングを終え、おもむろにサングラスをかける。「今日はそういうモードなのか」と思ったんだけど、2〜3曲やって「譜面が見えない」と取ってました。

 

50分くらいの演奏でした。「水」や「飛ぶ人」といった定番曲から、羅針盤の曲、カバーがいくつかあったり。見汐さんと対照的に、非常に危うくて淡々と歌うその姿に、何故だか分からないけど感動してしまう。中でもはちみつぱいの「僕の倖せ」が聴けたのは嬉しかったです。山本さんの立体的な音像の中、少し埋もれがちな歌とも、とてもマッチしていました。

 

 

山本精一×見汐麻衣

最後はお2人によるボーナストラック。伴奏とボーカルを山本さんが、見汐さんは歌のみで5曲ほど。「ロボット」のカバーが好きでした。Phewさんバージョンのぶっきらぼうな歌い方も好きですが、見汐さんの澄んだ声と、キラキラしたギターの陶酔感が素晴らしかった。その後の「インスタントコーヒー ラグ」でそれぞれがボーカルを取っている瞬間、最後の最後の「スーダラ節」でのコブシは入りまくりな見汐さんの歌とダメダメな感じの山本さんの歌の対比がこれまた最高でした。一瞬、爆音ギターも炸裂したしね。

 

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駅の側にある商店街の路地を少し入った小さなバーで行われた「二人会」、温かな雰囲気のあるお店で行われたこのイベントは、さながら知り合いの家で開催されているような安心感があり、歌は日常のすぐ側にあるものなんだと感じたりしたイベントでした。