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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

〇菌、石頭地蔵、左右 /福岡UTERO

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何のきっかけで知ったのか、遠く福岡の地でこんな面白そうなイベントを見つけてしまいました。多分、Twitterだな。本当に恐ろしい…。写真に手が映り込んでるのは許して下さいませ。
 
〇菌は2年近く前だったと思う、PANIC SMILE吉田さんが参加されてるってことで難波ベアーズに観に行って、その破天荒なパフォーマンスに衝撃を受けました。石頭地蔵は10年くらい前から名前は知っていて、いつか機会があれば観たいと思っていたバンドのひとつ。ただ、熊本だからなかなか観ることができずにいました。左右は最近ちょいちょい名前を聴く機会が増えて、動画で見てみたら独特過ぎる編成と音楽に興味が沸いたバンド。そんな3組の競演&各1時間というロングセットということで、京都から福岡まで行ってみました。
 
会場となる薬院UTEROは知ってるバンドが福岡でライブするときに名前を見る機会が多くて気になっていた会場です。少し前に移転したのかな。2Fのバーカウンターも1Fのフロアもとても綺麗でびっくりでした。ちょっと狭いかなと思ったけど、必要なものがキュッとまとめられた感じ。
 
会場10分後くらいに来たんだけど、そのときはそれほどお客さんもおらず…。でも、演奏が始まったら、けっこう人がフロアにいました。6割くらいかな。5分押しくらいで開演となりました。
 
 
左右
ギターボーカルの女性、ベースボーカル&バスドラ、ハイハットの男性という2人組。楽器によるメロディーは少な目で、変拍子や間を多く使ったフレージングが多かった気がしました。多くの制約がある中でできることをすべてやろうという感じなのかな。この編成でできることをやろうとしてこうなったのか、やりたい音楽を追及してたらこうなったのか、どちらかわかりませんが、このお2人の演奏は音楽が突然変異したよな一種の異様なものになっていたと思いました。そんな制約の多い楽器編成なんだけど、1時間聴いても全然飽きない。多分、リズムやリフ、ボーカルの絡みなどいろいろな要素をバリエーション豊かに組み合わせていて「次はどんな曲になるんだろう」とワクワクしながら観ていました。最初は合った違和感も、数曲聴いているうちに快感になってました。
 
また、MCが凄く面白くてよかったです。ベースの花池さんは見た目真面目なお兄さんなんだけど、相当変な人だと思います。独特な言葉の表現とテンポのお喋りなんだけど、見た目普通な人の奥にある狂気を感じずにはいられませんでした。
 
どこにもない音楽に触れることができて、静かに衝撃を受けていました。終演後、思わず売ってる音源全部買ってしまいました。こんなのは久しぶりです。
 
 
 
 
 
石頭地蔵
ギターボーカル、ギター、ドラムというシンプルな3人組。現在は3人なんですね。今いち情報が手に入らないので、ちょっとびっくりでした。
 
で、肝心の演奏なんですが、これがとんでもなかったです。2人のギターはどちらもアンプ直でエフェクターなし。アンプと弾き方だけで音を作ってました。このギターが鼓膜を切り裂かれるんじゃないかってくらいジャキジャキで本当に凄かったなー!物凄い爆音なんだけど、他のバンドみたいな重たい感じはあまりなくて、ひたすら耳と頭にキリキリとダメージを与えてくる感じでした。そして、ドラムの音がむちゃくちゃ重い。前2人の爆音に埋もれることなくはっきりクッキリとした音で、リズムに乗れるし音に圧倒されるしで本当に凄かったです。曲はロックなんだろうけど、時折、不協和音っぽいコードやフレーズが出てくるときがあって、それが独自のおもしろさを出している気がしました。
 
全体的な感想ですが、いい意味で音楽好きなおっちゃんが集まったバンドという印象を強く受けました。セットリストはステージ真ん中に1枚おいて何度も見ながら「次はこれか」って感じだったり、メンバー同士のほどよい関係性が見て取れるMCだったり。仲間同士、趣味で始めたバンドがむちゃくちゃ異質で凄いものになってた…みたいな。そんな印象。楽しそうな様子がステージからも伝わってきて、本当に素晴らしいライブでした。音は地獄のような爆音だったけど。
 
 
 
 
 
〇菌
1~2年前にベアーズで観て、そのとき買った音源を繰り返し聴きながら過ごしてました。今回はロングセットということで、聴きまくった曲以外の曲がどんなのかも凄く楽しみでした。
 
前の2組が各1時間ずつ。スタートが19時で少し押してという感じで始まったのは22時前。ここから1時間。身体にはけっこう疲れも溜まってましたが、ライブが始まれば一気に吹っ飛びました。
 
ボーカル、ギター、ベースにドラムと何の変哲もない編成のバンドなんだけど、音とパフォーマンスは変哲ありすぎる。内村耐寒さんのスクエアなドラム。左手から振り下ろされるように叩くスネアドラムの抜けが気持ちいいこと。この音を生で聴けただけでも来た甲斐あったかも。佐々田さんのベースと絡み合って、〇菌独特のスクエアなリズムが生み出されてました。ここに吉田さんのシンプルなんだけど、カラフルな音色のギターが加わると思いのほかポップな仕上がりになるから面白いです。で、そんなポップさを全部ぶち壊す岩出さんのボーカルとパフォーマンス。がなりたてるようなボーカル、ライブが始まる前にお母さんが握ったというおにぎりいる人?ってお客さんに渡そうとしたり(結局、フロアの机に置いて好きに持って行ってとなった)、大根を頭で叩き割ったり、節分ってことで豆まきを始めたりとむちゃくちゃ過ぎる。しかも、前触れなく突然始まるから、一瞬みんなあっけにとられるという。フロアにも出てきまくりで、久々に「安全な場所はどこにもないな」って思わせるパフォーマンスでした。
 
ほとんどMCなしで矢継ぎ早に演奏された24曲、曲のバリエーションも多くてあっという間でした。とにかく岩出さんがめちゃめちゃ過ぎて気が気でなかったです。
 
 
 
 
 

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終わってみれば23時前で、身体も限界超えるくらいヘトヘトでした。が、それぞれのバンドがこれ以上ないくらいのライブをしてくれたので、福岡まで来た甲斐があったなと満足感に溢れた夜となりました。全バンドのパフォーマンスが衝撃的だったというのはそうそうないです。どのバンドもまた観たい!