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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

6.7 うてなキャンプ初お披露目 "コンクリートジャンボリー△"(うてなキャンプ、小林うてなと急げヘリコプター、Za FeeDo) /恵比寿BATICA


昨年の夏、SIFCで観て本当に衝撃を受けた鬼の右腕というバンド。これからどうなっていくのか本当に期待していたのですが、昨年11月にあっさりと解散。それからメンバーの情報もイマイチ入って来ないなと思っていたら見つけたこのイベント。元鬼の右腕の小林うてなさんの新バンド初ライブってことで気になっていて、丁度、出張の日程と被っていて行けそうだったので行ってきました。

出張の行程をこなし、品川で私服に着替えました。当日はけっこうな雨で、そんな日にスーツでいたくなかった。微妙に時間があったので、新宿のディスクユニオンの様子をチラ見。チラ見のはずが2枚程CDを買ってしまう。やっぱりここは魔界である。

そんなことをしていたらギリギリの時間になってしまい、焦りながら恵比寿へ。道中、Twitterで道順を教えてもらったにもかかわらず、明後日の方向へ進んでしまい、思いっきり迷ってしまった…。ちょっと泣きそうになりながらも、なんとか開場時間少し過ぎたあたりで到着。

中に入ると、すっごい縦長の空間でびっくりしました。横幅なんかは数歩分くらいしかなくって、そこそこの客入りだったんで、動くのに苦労しました。1階がロビーで、フロアは2階だった。なかなか珍しいです。下は人でいっぱいだったんで、自分は2階でボーッと開演を待っていました。


Za FeeDo

初見でした。ドレスで着飾った女性にギター×2、ベース、ドラムでした。ドラム以外の各楽器はシンセとかエレクトリック系の機材もあり。

前知識ゼロで観たんですが、衝撃的でした。全体的にはエレクトロニカやジャズ、ボッサといったスタイリッシュでオシャレな音楽がベースにあるようですが、どこか音が変でした。ギターの田中“TAK”拓也さんの音かな。吸い込まれていきそうな美しい音色のギターソロやずっと聴いていたくなるようなカッティングとか、カラフルでオシャレな場面が多かったんだけど、たまに壊れたシンセみたいな音で速弾きやったりと耳に引っかかる音が飛び出す瞬間があったりしてすごく面白かったです。

そんな音のオケをバックに、沖メイさんのボーカルが乗っかるとすごいポップな歌ものの楽曲になってしまうから不思議でした。たぶん、浮遊感と伸びのある歌声が楽曲の良さや色彩をよりクリアに際立たせているからなのかな。

ライブ後半は新曲が多かったみたいだけど、個人的にはそちらの方がより好みだったので、音源となってくれるのが楽しみです。本当にいいバンドに出会えました。



小林うてなと急げヘリコプター

セッティングが終わってしばらく経ち、黒装束でフードみたいの被ってる小林うてなさんとプロペラがついた帽子を被った加藤みどりさんが登場。ヘリコプターというよりはタケコプター?とにかく、演奏が始まりました。

うてなさんはエレクトロニクス担当、みどりさんはパーカッション。うてなさんの出す音はすっごいキラキラしていて綺麗。そして、吸い込まれそうなボーカルに耳を傾け、その声に誘われるように進んでいくと、そこには別世界が広がっていた、みたいなそんな感覚がありました。そこで目がどんどんトローンとしてきて、真っ暗な森でひたすら踊る快楽に浸っている…そんな景色が見えてきました。

2人でのライブは15分くらいで終了。そのままうてなさんのMCでうてなキャンプのメンバーがやってきて、そのままうてなキャンプのライブへと流れていきました。このときのMCがめちゃんこゆるゆるで、さっきまでの演奏はなんだったのか…というくらい。そこも楽しいところです。


utena kobayashi's sounds on SoundCloud - Hear the world’s sounds


うてなキャンプ

先ほどの2人に、斎藤拓郎さん(Gt)、松下マサナオさん(Dr)、コーノタケヒトさん(Ba)が参加したバンド形態でのライブ。やはりゆるーい感じで準備をして、ゆるーく演奏は始まりました。

ひとたび演奏が始まってしまえばグイグイと別世界に引き込まれていく…。全体的な世界観は鬼の右腕やさっきの小林うてなと急げヘリコプターに似ている。鬼の右腕のときはうてなさんのスティールパンが楽曲を引っ張っている感があったんだけど、うてなキャンプではスティールパンはあまり使用されず、電子音とボーカルが多かったです。うてなさんの声と各楽器がそれぞれ有機的に絡み合って、どこかわかりませんが、どこかの民族っぽい不思議なグルーヴが出ていました。聴いている自分はどんどん意識が遠のいていって、ひたすらに気持ちいい時間でした。あと、バンド演奏だったから、なんだか音が生き生きしていて楽しそうでもありました。それは聴いてる自分にも伝わってきたかも。ライブは30分ちょっとくらいだったかな。アンコールも1曲あったし、鬼の右腕のカバーもありました。

ライブが終わった後、あまりに凄過ぎて少しの間さっきまでの演奏について整理することができなかったです。音の質感、曲の拍子や構成、全体的な世界観が本当に独特で、これまで感じたことのないような不思議な感覚でした。さっきも書いたけど、うてなさんの声に引き込まれていったその先に広がるどこかの民族の祭り。暗い森の中で夜な夜な行われているヤバイ祭り。そんなイメージがぶわっと広がって、戻って来れなくなりそうでした。

聴いているだけで絶対難しいよなとわかる楽曲をサラッと弾きこなすバンドメンバーも凄かった。何曲か難し過ぎて鬼の右腕ではできなかったって曲があって、それを聴いたときになんで解散したのかがなんとなくわかった気がしました。

ある程度は想像していたけれど、そんな想像なんてあっさりと超えてしまうような演奏でした。「いい演奏だったな」という気持ちと「小林うてなさんの頭の中は一体どうなってるんだろう」という気持ちが混じってしまって、何か引っかかるものが残ったライブでもありました。早くもまたライブが観たくなってきています。そしてCDも聴きたい。



うてなキャンプの動画はなかったみたいだから、鬼の右腕のPVでも。