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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

4.27 早川義夫ライブ 〜友だちを探しに〜(早川義夫、磯部舞子) /京都 SILVER WINGS



前日、歌舞伎町でライブを観ていた自分は近くのホテルで朝を迎え、東京で特にやることもなかったので昼過ぎに京都へ戻りました。それから、京都で時間を潰して日も暮れ出した頃、祇園方面へ向かいました。

京都に住んでるけど、祇園方面はあまり行かないからけっこう新鮮。いつもこの会場へ行くときはこの道を通って行きます。こういう景色があるから。



開場時間を少し過ぎた頃に到着。はじめはまばらだったお客さんも次第に増えていき、開演時間になれば椅子席のほとんどが埋まってしまうくらい。それにしてもお客さんの年齢層が高い。31歳の自分は前日は自分は年上チームだったけど、今回は若者チームでした。端の方の椅子に座ってお酒を飲みながら開演を待つ。開演5分程前に外に出られていた早川さんと磯部さんが戻ってきて、程なくしてライブは始まりました。


この日は1時間弱のセット×2の二部編成。最初に演奏されたのは「サルビアの花」でした。早川さんはおもむろにピアノを弾き、会場内にピリリと緊張が走る。で、歌が聴こえてきたとき、自分の胸の奥が揺さぶられるような感覚になりました。また、初めて聴いた磯部さんのバイオリンは、ときに寄り添うように優しく、ときに突き動かされるような激しさがあって、このお2人の作る世界に一気に引き込まれていきました。

第一部の中で印象的だったのは、「純愛」でした。ちょっとしたMCから始まったイントロはどこか危なげで辿々しくて、でもそこがよかった。カチッとした「上手い演奏」じゃないからこそ伝わってくる何かがありました。そして、そのまま演奏された「パパ」では磯部さんのバイオリンがとてもよかったです。この曲の歌詞のせいもあると思いますが、なんかどうにもならなくて泣いているような…そんな風に聴こえました。

で、後半かで演奏してくれた「天使の遺言」は嬉しかったです。この曲のサビ部分の歌詞が本当に心に刺さる。メロディーの美しさも素晴らしいと思います。第一部の最後は「この世で一番キレイなもの」でした。


第二部は磯部舞子さんの弾き語りから。曲紹介のMCで緊張している様子がとても伝わってくる。その中ではじめに演奏されたのは「生きがい」という曲。初めて作った曲とのことです。シンプルな歌詞にとても綺麗なメロディーが凄くよくて、本当によかったです。Bメロのちょっと悲しげな感じが好きでした。で、ちょっとMCがあって演奏された2曲目「キリンのうた」は跳ねるようなリズミカルなピアノとちょっとヘンテコで楽しい歌詞が面白い歌でした。

その後、早川さんが出てきてちょっと長めのMC。今回のツアーのきっかけの話。「自分には友だちがいない」って言っていたけど、佐久間さんが亡くなった後で、佐久間さんは友だちだったんだと気づいたというような話。やっぱり出るとは思っていたけど、佐久間さんの話題が出るとどうしても泣きそうになってしまいます。その流れで披露されたのは「猫のミータン」でした。この曲は軽快で、気楽にと言ったら変だけど、肩肘張らずに聴けてライブのいいアクセントになりますね。

こちらのパートで印象的だったのは「青い月」という曲。燃えるような情熱と途方もない悲しい気持ちが混じったような素晴らしい演奏でした。

最後は「からっぽの世界」。なんの感情もなくなって、深海の底で無になって還っていくような…そんな錯覚を覚えて浸りきっている頃に本編は終わりました。

アンコールでは「君でなくちゃだめさ」が演奏されました。途中の間奏で磯部さんが客席に飛び出してバイオリンを弾いて、そのまま早川さんの横で座って演奏。思いがけない展開に場内はかなり盛り上がってました。ダブルアンコールもあったけど、何の曲か分からなかった。ライブの最後を締めくくるのにぴったり合ういい曲でした。


早川さんの歌は、ホントに歌詞が胸の奥に入ってくる。こういうシンガーは自分の中ではあんまりいない。で、情景がありありと浮かんでくるから、そこに浸るために目をつぶって聴くことが多いです。聴こえてくる歌とメロディーに自分の過去をくっつけていろいろ思い出したり、または空想でいろんなシーンを浮かべてみたり。そこで浮かび上がるシーンがどこか悲しくて、綺麗すぎるから悲しい感じがして胸が締めつけられそうになってしまう。そんな風に胸を締め付けられながらも、歌っていることが「本当」だからなんかどこかに安心感もあって、気持ちよかったりもするんですよね。

また是非行きたいと思います。




やっぱり帰りも同じ道で帰りました。