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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

4.26 新宿ロフト15周年!「人間交差点」(進行方向別通行区分、group_inou) /新宿LOFT

Twitterをぼんやり眺めていたら流れてきた「4/26に人間交差点やります」との告知。この段階では出演者は発表されていませんでしたが、もしかして進行方向別通行区分も出るのでは!?との予感からもともと入れていた予定をキャンセルして出演者発表に備えていました。で、開催10日ほど前に出演者の告知。予感は当たり進行方向別通行区分が出演、さらにgroup_inouもってことで一気にテンションは上がりました。なんとかチケットも確保して、当日ぼやぼやしていた自分はお昼過ぎに新幹線に乗っていました。

会場の新宿LOFTは初めての場所。名前は何度なく聞いてはいたので、ここに行くというのも楽しみだった。歌舞伎町で怒濤の客引きにあい、会場近辺に来たら凄い人だかり。やっぱりこの組み合わせだったらこうなるよな〜。なんとか場内へ入り、辺りを見回していましたが、思ったより広い印象。ベアーズ程とはいかないまでもかなり狭い印象だったので、意外でした。ただ、フロアがL字型でちょっと観にくいかな。開演までお酒の誘惑に負けて延々飲んでいた関係もあって、最初のgroup_inouは後ろの方で観てました。最初はほどほどだったお客さんも開演時間にもなれば身動きとるのもつらいくらい入ってました。

group_inou

観るのは何年振りだろう。3年振りくらい?最近の動きはあんまり追ってなかったから知らない曲も多かったです。cpさんのキレのあるMCとずっとステージ上をウロウロしてる挙動不審さ、音はどこかひんやりとしていてクールなのにツマミをいじるimaiさんの激しい動きがかっこいいです。前半に「COMING OUT」のイントロが流れた瞬間に自分のテンションがグワッと上がりました。

こういう打ち込みとラップの音楽ってどれも同じに聴こえてしまって正直あまり好きじゃないんですが、group_inouの楽曲はバリエーション豊かだし、ポップセンスもあって好きです。MCもところどころ聞こえてくるフレーズが変な言葉で、なんだか頭にこびりついてしまう。

約1時間の演奏。お客さんもめっさ盛り上がっていたし、楽しかったです。




進行方向別通行区分

本日のお目当て。前回は大阪のセカンドラインのときだったから、2年近くぶりか。やっと観れたという感じで、セッティングでメンバーが出てきただけで感激でした。西浦さんは自作のCAT Tシャツ。アンソニーさんはスーツでいつもと違ったスタイリッシュな印象。真部さんは薄手のシャツに黄色のカーディガンだったか。田中さんの衣装はあんまり印象がない…。噂には聞いていたけど、痩せたな〜と思ってました。

いつものSEで出てきて、田中さんの「草木も眠る6時半」という謎のMCから1曲目「理論武装」が始まりました。西浦さんのパワフルで正確なドラム。アンソニーさんのグルーヴ感たっぷりの爆速スラップ。真部さんのピロピロした速弾きギター。田中さんの絶妙なボーカルといきなり進行の持ち味たっぷりの演奏に「これが聴きたかった!」といきなり大満足でした。そのまま古都の夕べの「左ハンドル右折します」が演奏され、これまたよかった。

前半のハイライトは「海の王者シャチ」、「独身ボクシング」、「大塚娘」、「梅を吸いすぎた男」あたりかな。アンソニーさんの「USA!」コールで始まるやたらとキャッチーな展開、「独身ボクシング」で爆発したようなエネルギーにだんだん適当になっていく田中さんの歌詞。ついには歌詞を無視して「ピポパポ」としか歌っていない「大塚娘」。自由すぎて笑いを堪えるのに必死でした。そして、「イカのチャーハンが」と意味不明な歌詞をつけたイントロから始まった「梅を吸いすぎた男」。サビではもちろん真部ダンス&真部ラップも繰り出され、一気に盛り上がった会場。楽しすぎました。さっきまで普通に演奏してたのに、むしろクールに演奏していたのに、突然スイッチ入ったように踊り狂うギャップが凄い。

で、自分的もうひとつのハイライトは「You say ? 民営化」でした。音源の1.3倍くらいのハイテンポでアンソニーさんと西浦さんの手数の多いリズムに真部さんのワウを効かせたギターがめちゃめちゃファンキーで気持ちよかった。曲が進むにつれて田中さんがたんだんと壊れていって、荒々しい演奏に変わっていくのも面白かったです。

そして、前半最後は「庭になりそう」でした。曲の最後でおもむろに皆が集まって組み体操の扇をやっていました。ビシッと形を作って「ヤー!」っと掛け声出すところが面白すぎる。これを2回やってからアンソニーさんを他のメンバーが持ち上げてそのまま退場。

少し間を置いて、再びメンバーが出てきました。で、「あわのよう」。「あわのよう」という言葉と「あわのYO!」をかける言葉のセンスにいつも脱帽してしまう。1曲がそんなに長くないとはいえ、それまで17曲も演奏していたのに、さらに10曲以上演奏する恐ろしい体力。数曲やって田中さんの意味不明なMCがあり(なんかこの日は「佐渡島が〜」とか「6時半が〜」とか「ロッククライミングが足りない!」とか)、ひたすら曲を演奏するメンバー。延々と続く演奏にだんだん何かを試されているような気持ちにもなったり。ついにはスタッフから「もう終わって」とカンペが出る始末でした。

正直、後半はお腹いっぱいでした。それもまたこのバンドの魅力ですね。後半パートで印象的だったのは「仔犬大佐、挙兵。」。すっごいスピードで鬼気迫るくらいの演奏でした。

全30曲の演奏が終わり、アンソニーさんと田中さんが退場。そして真部さんがおもむろに弾き語った曲は相対性理論の「テレ東」でした。西浦さんがドラムを叩き、真部さんが少し気だるそうに歌う「テレ東」。客席からは歓声があがる。途中でお客さんにマイクを向けて客席に歌わせる場面もあったり。全く予想していなかったサプライズに本当にびっくりした。これはお2人の皮肉なのか何となくなのか、後に残る意味深な演奏でした。そんな感じで約2時間のライブは終了しました。

久しぶりに観れた進行方向別通行区分はやっぱり大好きだなと思えるバンドでした。ふざけているのかどうなのか分からないんだけど、異様なくらいキャッチーな楽曲&歌詞。西浦さんとアンソニーさんの鉄壁のリズム隊。半分くらいはクールに、で、突然暴れだす真部さん(ライブの後半では壁蹴りなんかも繰り出したりで、これまでにあまりないくらいのハイテンションでした)のむちゃくちゃ上手いギターという確かな実力のあるメンバーの演奏があり、その上で田中さんが弾けてるのか弾けてないのかわからないギターと訳のわからない歌をかぶせることで加わる不条理さ。このバランスが本当に絶妙で、やっぱり病みつきになるバンドだと思いました。

京都からやってきてホントによかった!またいつになるか分からないけど、観たいです。



※ライブ後に撮らせてもらったセットリスト。