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行ったライブのレポなどが書かれていると思います

4.9 新井孝弘 × U-zhaan /京都アバンギルド



仕事が思ったより早く終わり、Vampilliaの新譜でも買って帰ろうか…と思いながら京都の街を歩いていたんだけど、ふとこのライブの存在を思い出してしまいフラフラと会場まで足を運んでしまいました。

開場時間を10分程過ぎた頃に到着。場内に入るとそこそこの人が。それからもひっきりになしにお客さんがやってきて、開演時間になる頃には立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。なんとか椅子を確保した自分は、注文したカレーを食べながらぼえ〜っとライブが始まるのを待っていました。



開演時間を少し過ぎたあたりでU-zhaanさん(アフロ、タブラ)、新井孝弘さん(サントゥール)が登場。そして演奏が始まるかと思いきや、新井さんのチューニングが始まりました。新井さんの楽器サントゥールは弦が100本近くある楽器で、チューニングに異様に時間がかかる楽器とのこと。黙々とチューニングをしている新井さんを横目に楽しいMCで場を繋ぐユザーンさん。冷静な語り口とは裏腹に、少し毒のあるトークで何度か会場の笑いを誘っていました。「楽屋で前もってチューニングすればいいのに…」というのは同意見でもありますが、そこは新井さんのこだわりのようです。

ようやくチューニングが終わり、何事もなかったかのようにこれから演奏する曲の紹介を始める新井さん。凄い冷静で、というかマイペースで面白い。「長い曲なのでゆっくり聴いて下さい」という新井さんさんの言葉に「本当に長いですから。45分とかありますから」と間髪入れずにツッコミを入れるユザーンさんとのやりとりは漫才のようでもありました。

そのままおもむろに始まった演奏。まずはサントゥールのソロ。そして、途中からタブラが入る構成でした。前半は1音1音の響きを楽しむような緩やかな展開。倍音が気持ち良く、どこか神秘的な感情さえ沸き起こってきそうなサントゥールの音がすごく心地よかったです。バチのようなもので弦を叩いたり、こすったりしていろいろな音を出していたのも印象的でした。途中からU-zhaanさんのタブラも加わってからは、さらに広がりのある音世界が広がって、さながらインドへとトリップしてしまったかのような錯覚も。初めは緩やかだった楽曲も、後半にさしかかるにつれて少しずつヒートアップしていきました。約40分に渡る演奏が終わり、第一部は終了。このパートでは、初めて聴いたサントゥールという楽器の雄大さがとても印象に残る結果となりました。その分、演奏としては少し盛り上がりきらなかったかなという感じもありました。なんか、これから!というところで終わってしまったような感じ。

ここで休憩を挟み、第二部へ。新井さんのチューニングの最終調整へ。新井さんは休憩中、ずっとチューニングをしていました。新井さんの曲紹介と告知、U-zhaanさんのツッコミがあって演奏はスタート。

まずはサントゥールのソロだったんだけど、最初は弦をこする感じの奏法が多く、先ほどとはかなり違ったアプローチで面白かったです。程なくしてタブラが加わり、やはり世界が広がっていくような感覚がありました。この第二部では、サントゥールがけっこうメロディアスなアプローチが多かった印象。あの音階だからなのか、楽器のせいなのか、ちょっとサイケで怪しく美しい独特の音世界にどっぷりと浸っていました。で、演奏が後半に差し掛かるにつれてだんだんとテンポも上がっていき、タブラの乱れ打ちというようなくらいの高速で叩きまくるU-zhaanさんに驚愕でした。なんか笑えるくらい凄かった。このパートは、キメも多くて、2人が目配せをしながらどんどんキメを連発する様子はジャムセッションのような緊張感もあって観ていて面白かった。キメのときにU-zhaanさんを笑顔で見つめる新井さんがよかったです。

そんな感じでこちらも約40分の演奏は終わり。「楽器の都合上(チューニング)、アンコールはできません」ということでライブは終わりました。全編で1時間半くらいでしょうか、サントゥールという初めての楽器に出会うことができ、その雄大で美しい音は、自分の中に新しい何かが芽生えたような気がしました。MCでの2人のやり取り(というか、U-zhaanさんのツッコミ)も面白くて、肩肘張らずに楽しく聴くことができました。唯一惜しむらくは、U-zhaanさんが思ったよりアフロアフロしていなかったことでしょうか…。近年、なかなかお目にかかれないアフロの方を生で観れるいい機会だったのですが。アフロというか、ボサボサだった…。