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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

3.20 女王蜂単独公演「灼熱戦」 /難波ROCKETS


昨年から活動休止していた女王蜂が再活動を果たし、初めての関西でのライブ。休止前に一度だけ味園ユニバースで観たことがあり、そのときはあまりの音の迫力とエネルギーに圧倒された記憶がありました。ライブでのパフォーマンスや、インタビューなどを読んでどこか生き急ぐような焦燥感を感じ、もしかしたら…というような思いがありました。やはりギターのギギちゃんが抜け、そのままバンドは活動休止…。とても残念に思っていましたが、この度復活してくれて本当に嬉しく思っていました。

開場時間丁度くらいに到着したのですが、会場前のスペースにはチャイナ服の女性やセーラー服の人など「イタイ」格好をした人がたくさん(この日のドレスコードが「若気の至り」だったので、それに合わせたのでしょう)。入場は始まっており、比較的若い番号だった自分はけっこう早めに入れました。入り口近くで様子を伺っていたら、近くのお客さんが「何番ですか?」と声をかけ合っていてちゃんと順番を守るいい光景もありました。我先にと押しのけるような人は全然いなかったんじゃなかろうか。

ここに来るのは何年振りでしょうか。6年とか7年は経ってる気がします。ステージが高くとても観やすい。自分は向かって右側の端で壁にもたれられる位置をキープ。開演を待ちました。開演時間を少し超えて、SEとともにメンバーが登場。


舞台袖から出てきたメンバーはルリちゃん(Dr)はセーラー服かな?(よく見えなかったけど、地味な感じ)。やしちゃん(Ba)はスケバン。けっこう似合ってました。サポートにギターの方は学ラン。キーボードの方は体操服にブルマ(!?)という強烈な格好でした。

1曲目は「待つ女」だったかな。ルリちゃんのドラムの音が鳴り響く中、ザクザクしたギターの音が会場中に広がる。ああ、この音を待っていたんだ、と。そして生活指導員の格好(後半のMCで言うまでわからなかったけど)のアヴちゃん(Vo)が登場すると場内からはもの凄い歓声が巻き起こりました。ドスの効いたものから天使のように可愛らしい声まで、1曲の中でも様々な声を使い分ける歌と、抜群のスタイルでステージ上で踊るアヴちゃんの姿にグットと引き込まれていきました。

その後は続けざまに「火の鳥」とかのノリのいいナンバーを連発。テンポも少し上げ目だったし、何より音の迫力が凄い。ルリちゃんのドラムはシンプルだけど1音1音がとにかく大きく強く、ドラムセットが壊れてしまうんじゃないかと心配になるくらいでした。あのドラムの音は本能的に血が沸き立つような感じがします。そこに歪んだギターとぶっといベースが絡み、女王蜂の音ができあがる。必死で踊るお客さんで凄い盛り上がりでした。そんで、踊っているお客さんは心底楽しそう。歌謡曲っぽいテイストを含んだメロディーがわかりやすいから、あまり難しいこと考えずにのれるのが大きいのかな。そんな様子に自分も自然に「凄い…」って口に出してました。

そして後半にさしかかったところで演奏された「デスコ」で場内の盛り上がりはピークに達しました。お客さんが扇子を振りまくり、踊り狂っている様子はまさに狂乱とも言える状況だった。端で大人しく観ていた自分も堪えきれずに踊りまくっていました。そのまま演奏されたのは「イミテヰション」だったかな。いろんな枷が取れるのを感じながら一心不乱に楽しんでいました。で、「告げ口」。悲しくてどこまでも暗く、狂気すら感じる演奏に唖然としながら本編は終了しました。MCはほとんどなく、駆け抜けるようなステージだった。

アンコールではメンバー全員お揃いのTシャツで登場。で、「レザー」が演奏され、コールアンドレスポンスなんかもあってもう一度狂気的な盛り上がりをみせました。ここは楽しかった。そしてアヴちゃんの少し長めのMC。バンドのこと、これまでのこと。そして、活動を再開し、こうしてステージ立てていることの喜びがとてもよく伝わる素晴らしい言葉。感動的でした。「女王蜂の音楽を例える言葉がなかったけど、これからはこう言っていく」というような内容の発言もあって着ていたTシャツの文字「FASHION PUNK」の文字を見せる。これは女王蜂というバンドを上手いこと示しているなと感じました。で、何曲かやってライブは終わりました。アンコール含めて1時間半くらい。短いと感じることはなく、本当に満足できました。


1年半ぶりくらいにみた女王蜂は、以前に観たときに感じた痛々しいくらいの焦燥感もありながら、来てくれたお客さんのことを本当に想っていることが伝わるアヴちゃん含めたメンバーの優しさが伝わる素晴らしいステージでした。どれだけ派手な格好やメイクをしていてもその裏側にある優しい気持ちが滲み出てくる人柄が本当に好き。ドレスコードを設定しているのも楽しい時間を過ごしたいという気持ちの表れなのかもしれないと思ったし、お客さんから扇子を借りて(自分の分を忘れたらしい)パフォーマンスをするアヴちゃんの姿は綺麗だった。



活動再開を心待ちにしていたファンとそれに応えようとするメンバーにちょっと泣きそうなくらい感動したライブでした。また行きたいです。