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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

2.8 『TRANSPARENTZ 2014』(TRANSPARENTZ、オシリペンペンズ) / 京都アバンギルド


昨年結成された山本精一さんもメンバーのバンドTRANSPARENTZを観に行ってきました。当日は全国的にも大雪。その影響か、開場時間に到着すると、入り口のドアに「会場が30分遅れる」との案内がありました。こればかりは仕方ないので、近くで時間つぶしをして再び会場へ戻りました。



この雰囲気ばっちりなドアを開け、場内へ。テーブルと椅子が並んでおり、落ち着いて観ることができそうです。ただ、この日のライブが落ち着いて観るものかは別ですが…。UrBANGUILD独特の少しくすんだような空気を感じながら、お酒やカレーを頼み、ひたすら食べて飲んで過ごしてました。



注文した「野菜とお揚げとレンズ豆のベジタリアンカレー」。ひたすらに美味しかったです。こういうフードメニューが充実している会場は本当に好きですね。そうこうしているうちに開演となり、オシリペンペンズの登場です。


オシリペンペンズ
ライブ直前にドラムの迎さんがお休みをされて、PA担当の道下さんがドラムになったという新編成での最初のライブ。楽屋から出てきたモタコさんはテンション高く、最前列に座っていた自分のビールをちょっと申し訳なさそうに飲んでさらにテンション上げてました。その勢いで客席後方のバーカウンターの上に登ってみたり。

これは凄いはっちゃけ系のパフォーマンスか!?と思ったけど、それからはだいたいステージ上で歌う感じで、パフォーマンス的には大人しめ。その分、ペンペンズの歌を聴かせるといった印象のライブでした。もっとも歌うモタコさんのテンションは異様なくらい高かったですが。

ペンペンズの魅力はモタコさんの歌と、生き物のようなグルーヴ感のギターとドラムだと思うのですが、やはりドラムが代わったためかグルーヴ感はそれほど感じられず。ただ、道下さんの振り下ろすように叩くドラムの音は迎さんのそれよりも重たく、かなり違った印象。ドラムが代わるとここまで違って聴こえるものかとびっくりしました。

全編40分くらいのステージは最初は戸惑いもありましたが、次第に慣れてきて、意外にもすんなり受け入れられる自分にびっくりでした。シンバルにチェーンみたいのを付けて音の余韻を増幅させる工夫なんかがあって、面白かったです。やっぱりこれからも追い続けたいバンドのひとつだと思いました。


■TRANSPARENTZ
そしてこちら、本日のお目当てと言えるTRANSPARENTZ。ベースのIssheeさんは早々にセッティングを終え待機。日野さん、HIKOさんは時間をかけてセッティング。山本さんは客席で喋っている…。ほどほどのところでステージに上がってセッティングを始めたけれど、これからライブをするとは思えないような感じはさすがです。

セッティングは終わり、おもむろにライブは始まりました。始まった瞬間にありえないような轟音が会場を支配する。HIKOさんのドラムは1音1音がありえないような大きな音でびっくりでした。issheeさんのぶっといベースはバンドの土台をしっかり支え、日野さんと山本さんはその上で縦横無尽にノイズを放っていました。

山本さんは高速ストローク中心でジャンキーなノイズサウンド。ときおりドゥームなサウンドや、指板潤滑剤の缶でのスライドギターなんかで音に変化をつけていく。日野さんは発信器やテルミンを駆使してスペイシーなノイズサウンド。ノイズの渦が自分の耳から脳までを犯しているような凶暴なサウンドでした。そんなノイズの海の向こう側で聴こえるHIKOさんのブラストビートは猛烈な速度で自分に襲いかかってきて、何度も意識を失いそうになりました。

これぞハードコア×ノイズといった強烈なサウンドは圧巻。圧倒的な音圧と凶悪なサウンド、それでいてどこか美しさを感じさせる音は自分の中でのノイズサウンドの理想型のひとつを観たよう。

約40分くらいの演奏は満足したのか、山本さんがギターを床に落とし退場。その後、日野さん、issheeさんも順番に退場し、最後はHIKOさんのドラムソロ(?)が少しあって…と、とてもクールな終わり方でした。

アンコールなどはなし。そんな余力を見せないくらいに本編ですべてを出し切ったメンバーに畏怖の感情も混じったような拍手が送られ、ライブは終了しました。ライブが終わりさっきまで机の真ん中にあったスプーン入れが変な場所にあるのに気づき、知り合いに聞いてみると音圧で動いたそうです…。

凄過ぎます。