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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

11.15 Music Farm &すごくいい presents『キングブラザーズ v.s. 名古屋』(キングブラザーズ、COUNT PHANTOM) /名古屋ミュージックファーム

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先月大阪で初めて観たカウントファントム。存在を知ってから1年以上観れずにいたけど、やっと観れて度肝抜かれておったところで発表されたこの企画。最初は他のライブに行く予定だったのですが、いてもたってもいられなくなってこちらに行くことにしてしまいました。
 
仕事が急に激務になった関係で、ギリギリまで家で寝ていましたが、飛び起きて京都から名古屋まで。会場の場所も調べられず、行きの電車でGoogle先生に教えてもらうギリギリっぷりでございました。朝から何も食べていなかったから、名古屋駅で何故かカレー食べてそのまま地下鉄東山線で藤が丘まで。地図を見ながら会場に到着。周りはおもっきり住宅街で「こんなところで激ヤバのライブが行われるのか」とさらにボルテージが上がっていきました。
 
 

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かっこよろしい壁画。

 

 
開場となり、場内に入るとかなり狭い…。フロアは横は5メートルくらい、縦は10メートルちょっとくらいかな。ちょっとヤバイことになる予感しかありませんでした。
 
場内でかかっている音楽がちょい歌謡曲テイストのものが多くて、アングラポップの残り香なんかを勝手に感じながら開演待ち。そして10分ほど押しで最初のカウントファントムのライブが始まりました。
 
 

COUNT PHANTOM

ステージの幕が開き、1曲目「PANIC」のイントロが鳴り響き、軽快なリズムとともにライブが始まりました。ノリのいいロック調の曲なのですが、ところどころ変拍子が混じっていたり、サイケな展開が挟まれていたりと面白い楽曲です。そのまま2曲目「あ・ぶ・な・い・コンビナート」へ。この曲はリフがめちゃくちゃかっこいい。ベースの今井さんのボーカル、歌詞の世界観も面白くてゾクゾクしてきます。「コンビナート」って単語のチョイスが素晴らしいです。
 
その後も続けざまに演奏は続きました。大阪で聴いたものがほとんどだったけど、1曲聴いたことないのがあったかも。ガレージロックっぽいんだけど、曲の展開がいびつだったりサイケチックな場面が散りばめられていたりして面白いです。で、全体としてとても聴きやすくまとまっているところに凄いセンスを感じます。今井さんのブリンブリンしたベース、独特のフレーズの動き方が本当に好き。ギターの唸るファズ、ちょっと高めの音にチューニングされたドラムの音も最高。中盤で演奏された「FLYING ELEVATOR」とかギターもドラムもベースも魅力的なフレーズが多すぎて…。
 
演奏時間は20分ちょっとくらい。MCはほぼなしで曲紹介に至っては全くなし。ただひたすらに曲を演奏し続ける姿勢に感動しながらメンバーはステージを去って行きました。
 
 
 
 
 

KING BROTHERS

カウントファントムのライブの興奮が醒めないうちにビールで少し酔いを進めて、後ろで本日のメインを待つ。最初は後ろで観ていようと思ったけど、会場に広がるじわっとした熱気に誘われるように前へ。そして幕が開き、西宮の狂犬たちがステージにやってきました。オープニングSEでマーヤさんに引っ張られてフロアのさらに前方へ。メンバーまでの距離が1メートルない至近距離となってしまいました。
 
もちろん最初は「Big Boss Blues」。血液から身体の細胞から興奮している自分に震えながらステージを凝視してしまう。ごく普通に客席にダイブしてくるマーヤさん。これで盛り上がれない方がおかしいくらいの狂乱のステージ。そこから先は正直あまり覚えていません。彼らのケイゾウさん、マーヤさんのギター、ゾニーさんの重たいドラムの音に身を任せて狂ったように踊りまくっていました。狂ったようだったんだけど、顔は何故か満面の笑みで、このあたりがキングブラザーズの凄いところ。ケイゾウさんとゾニーさんが楽曲の土台を支え、マーヤさんは(もちろん演奏はしているんだけど)お客さんを煽るようなパフォーマンスで、それも込みでキングブラザーズの音楽になっているようでした。
 
ライブ中盤、またしてもダイブしてきたマーヤさん。落とさないように必死で支えるお客さんに乗ってフロアを泳いでいて、ステージに戻ってきたときには顔面流血していました。どうやら低いこの会場の天井でぶつけたみたいです。でも、何事もなかったかのように演奏を続ける姿になんだか泣きそうになりました。後でスタッフがタオルを持ってきたけど、それは使わずに汗だくのスーツの袖で血をぬぐっていて、その姿にも感動でした。
 
今回は(ほぼ)ワンマンということで、新旧織り交ぜた楽曲が演奏されていました。自分は興奮しすぎてあまり覚えていませんが…。そしてライブ後半の「マッハクラブ」。当然に客席に飛び込んでくるマーヤさん。けっこう端で観ている人もいて、密集度は決して高くないフロアだったのに飛び込んできました。もう、お客さんも必死。男も女も関係なしで死にものぐるいでロックンロールを支えてた。天井が低くて立てないから、お客さんの上で座るような感じでの「ニシノミヤ!」コール。
 
そして、ラストはドラムをフロアに持ち込んでの「ルル」。定番の流れなんだけど、やっぱり興奮せずにはいられません。狭いフロアないで生のドラム、マーヤさんもギターアンプをフロアに持ってきて音量を上げる。お客さんにマイクを渡して順番に叫んでいる。前も後ろも関係ない、会場が一体となるってこういうことなのかと思わせてくれるような凄い瞬間でした。
 
本当はこれで終わりのはずだったんだけど、ドラムのゾニーさんが名古屋出身&今日がお母さん誕生日ということで、ゾニーさんのお母さんに捧げる1曲をアンコールとして演奏されたのはまさかの「スパイボーイズ」。ここでこの曲とは反則でしょう。マーヤさんの「お母さん!誕生日おめでとう!息子はキングブラザーズに入って、もっとヤンキーになりました!!」っていうMCもめちゃめちゃ響いた。
 
 
 
 
 
そんな訳で、狂いに狂った宴は幕を閉じました。酸欠になりそうなくらい狭いハコで観るキングブラザーズは本当に凄い。アドレナリンの湧き上がり方が他のバンドとは全然違います。終電がヤバくてさっと帰ってしまいましたが、帰りの新幹線でもずっと興奮しっぱなしでした。そして、カウントファントムも違った意味でのヤバいライブを繰り広げてくれて最高にかっこよかったです。