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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

8.2 PIPA vol.2 即興一会(山本精一、吉兼聡、千葉広樹、山本達久) /六本木SUPER DELUXE

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8月のあたま、渋谷で行われたメテオナイトというイベントのために上京した自分ですが、同日にこんな魅力的なセッションイベントがあることを知ったら行くしかありませんでした。2月にも別メンバーでのセッションがあり、雪が降る中行っていたのですが、凄く良くて、今回も期待しまくりで行きました。
 
新幹線で東京入りしたのが15時くらい。それから渋谷へ行ってメテオナイト。何バンドか観て楽しむことができました。こちらのレポはまた後日…です。お目当てを観た後で六本木へ移動。自分と同じようにメテオナイトからのハシゴ組の友人たちと六本木へ。会場へ行く前に六本木へ来たらいつも立ち寄るお店で担々麺を食べたりして楽しい時間を過ごし、お腹も満たされたところで開場30分くらい前に到着。もう既にそこそこの人が集まっていてびっくりしたりでした。
 

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ほぼ時間通りに開場し、最前列の向かって右端の席に落ち着く。ここからならメンバー全員をほどよく見渡すことができるので、けっこういい場所だったかも。開演までは場内でお酒を飲みながら談笑したりして楽しい時間を過ごしていました。吉兼さんや出演者の皆さんが普通にその辺をうろうろされていたのも好印象でした。
 
この日のライブは2部構成。開演時間を少し過ぎた頃、メンバーがおもむろにステージにやってきてライブは始まりました。
 
 

第一部

一応、パートをおさらいしておくと、山本精一さん(Gt)、吉兼聡さん(Gt)、千葉広樹さん(Ba)、山本達久さん(Dr)という編成。千葉さんはウッドベースエレキベースを使い分けていました。
 
ステージにやってきた山本さんは客席にあった椅子を持ってきて座っての演奏。始めは浮き出てくるようなギターの音や山本達久さんのシンバルをこすりつけて出す音で様子を伺いながら、きっかけを探しているようでした。それから次第にスネアの音が加わったりして「曲」が作られていきました。主導権を握っていたのは山本精一さんでしょうか。メロディーを奏でることが多くて、曲の「色」を決めていたような気がしました。吉兼さんは全体的にはバッキングに徹していた気がしました。ZAZEN BOYSで聴くギターの音とは全然違っていて、その引き出しの多さにびっくりしたり。全体的には山本精一さんが主導権を…と書きましたが、その裏側で曲の流れを作っていた人がもう1人、それは山本達久さんでした。手数が多く、音がとにかく速い。要所要所で曲の雰囲気をガラリと変えるところはさすがでした。中盤のファンキーでプログレっぽい展開はまちがいなく達久さんがメインというか、主導権を握っていました。テンポが速い訳でもないのに、スピード感のある演奏で、こんな風に聴こえるのはまちがいなく達久さんによるところが大きかった。
 
約40分くらいのセッションで、全体的にはジャジーな印象で、澄みきった音と会場の雰囲気もあってか、とても気持ちよく聴こえました。
 
 
 

第二部

20分ほどの休憩を挟んでの第二部。吉兼さんも椅子を持ってきて座って演奏されていました。最初は民族的な感触もある美しい音世界からのスタート。白と青の世界が広がっていたような印象。次第に音数が増え、深緑のアバンギャルドな展開に変わっていったところが面白かったです。そして、中盤にはだんだんエキサイトしてきたのか、達久さんの手数が加速度的にどんどん増えて、アヴァンロックっぽい展開へと昇華されていったのが素晴らしかった。お互いが慣れてきたのか、第一部よりも攻撃的な演奏だったのが印象的でした。第一部は「綺麗」な演奏だったのですが、第二部は「カッコいい」演奏だったような気がしました。こちらも時間にして40分くらいかな。
 
 
 

アンコール

アンコールでは、まず千葉さんのソロから。大量のエフェクターを繋いだウッドベースで、電気的なアプローチの演奏。ウッドベースというアコースティックな楽器を使った電気的な演奏に才能を感じざるを得なかったです。そこに達久さんのドラムが加わり、なんだかテクノっぽい空気感へ。そこからギターのお2人の音が少しずつ加わってハードロックのような重いフレーズへとなだれ込むところが最高によかった。吉兼さんのZAZEN BOYSでも聴けそうな和風っぽいフレーズも飛び出し、思わず歓声をあげたくなるようないい演奏でした。10分くらいだったのが悔やまれるくらいの良質な演奏でした。
 
 
 
そんな感じで、各パート本当に素晴らしい演奏でした。各ミュージシャンの個性がこれもか!と炸裂したもので、全然飽きがこなかった。間合いの取り方、乗っかり方が本当によかった。誰かが奏でたフレーズに乗っかたり、少しズラしたフレーズで合わせて展開を変えていったり、それぞれのミュージシャンが持つ個性がぶつかり、溶け合った素晴らしいライブだったと思います。
 
で、今回は千葉さんというベーシストを知れたことがとても大きかったです。それほど目立つところはなかったんだけど、曲の展開を的確に感じ取って、まさに支える演奏で、今回のセッションときには眠りに落ちてしまうほど気持ちよかった大きな要因はこの方のベースにあったように思います。これだけも大きな収穫がありました。
 
 

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本当に来てよかったです。また次回があれば、タイミングを合わせて是非行きたいです。