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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

8.3 西院ミュージックフェスティバル(溺れたエビの検死報告書) /春日幼稚園

以前からずっと行きたいと思っていた西院ミュージックフェスティバル。毎年他の予定と重なっているので断念していたんですが、溺れたエビの検死報告書が出るってことで、そこだけでも観ようと思って行ってきました。西院ミュージックフェスティバルは、京都の西院界隈20箇所くらいでやってるサーキット形式のフェスティバル。各会場の入場料なんかいらなくて、無料というのがまたいいですね。

阪急西院駅を出ると、チラシを持った人が歩いていたり。でも、全然関係ない人もたくさんいて、ちょっとした裏側間というか、ひっそりとやっているような感覚もあって不思議な感じ。個人的にはけっこうテンション上がるシチュエーション。

5分くらい歩いて会場の春日神社に到着。中ではビールやカキ氷も売っていてミュージックフェスティバルというよりも縁日というほうがしっくりくるような雰囲気。テーブルで談笑しているおじさんやおばさん、おじいちゃんもいたり親子で来ている人もいたりして、京都らしいゆったりとした時間が流れているのが印象的でした。


で、神社の端にある春日幼稚園、ここが今回の会場。普段はここで幼稚園児が歌を歌ったり、お遊戯会をしたりしているであろうところです。前のバンド「FAIROVANZ」が終わり(ちらっと音だけ聴いたけど、凄くかっこよかった!)、靴を脱いで中へ。もちろん土足禁止なのです。

自分はお目当てがエビさんだけだったから、早めに来て前の方を確保。中身(?)の方々が準備をしている。そうこうしているうちにどんどん人がやってきて、客席後方のテーブルと椅子をどけ、前の方で座っていた人たちも立って少しでもお客さんが入れるようにしていました。最終的には入場規制がかかるくらいの超満員だったようです。

開演時間を20分ほど過ぎて、客席後方の照明が落ちる。後ろでざわめきが起こったから観てみると、客席後方にエビの姿が。そこからお客さんの間を縫って来ようとしたのかもしれませんが、人が多すぎて無理で、結局ステージ端の楽屋から登場していました。1匹、2匹とぽつりぽつりとやってくるエビたち。今回のエビは11匹。溺れたエビの長(ヲサ)(指揮、エレクトリックアップライトベース)を筆頭にギター、ドラム、ベース、木琴、キーボード、パーカッション、トランペット×2、トロンボーン×2という編成。ステージから溢れそうな様子は見ていて爽快でした。

まずは長の弓弾きから始まる壮大な曲。これから何かが起きそうでワクワクしてきます。そして、エビの目が光り、客席からは歓声が巻き起こりました。そこから演奏されたのは「ワシャワシャ! ! グギャギャギャギャ! ! !」。会場は一気にダンスホールへと変わってしまいました。次は「イソギンチャクの上で踊れ!」かな。みょんみょんした音が印象的なダンスナンバー。

そして、長のちょっとしたベースソロからカートゥーンな感じのコミカルでやたらと楽しい曲。アッという間に終わってしまったけど、めちゃめちゃ楽しかった。ライブも中盤になってきて、これまでの楽しい雰囲気とは一変して「アノマロカリス」へ。長の弓弾きを中心に怪獣映画を観ているような重厚な世界が広がりました。演奏しているのはエビです。そういう意味ではぴったりかな。

本編最後は「The D-Shrimps Carnival」だったと思います。思わず飛び跳ねてしまいそうなノリのいいリズムが気持ちいいです。お客さんも楽しそうで、自然と客席から手拍子なんかもあったりしました。恒例の(?)かっぱえびせんばら撒きなんかもあってとにかく楽しかった。最後にはCD-Rも投げていましたが、キャッチできず。中身がとても気になります。演奏が終わり、1匹ずつお客さんに挨拶しながらエビが帰って行きました。このとき、1匹ずつステージ中央でちょっとしたパフォーマンスをしてたんですが、各々個性的で面白かったです。

当然、アンコールの拍手は鳴り止まず、再度エビたちが登場しました。やってくれたのは「Psychedelic Under Water」かな。ずっとステージ上で演奏したり指揮をしていた長がついに客席に下りてきて指揮をしていました。もう1曲自分は聴いたことない曲もやってくれました。で、本編最後と同じように1匹ずつ退場でおしまい。場内は割れんばかりの歓声に包まれていました。

自分が観たのは3月のレコ発以来で約5ヶ月ぶり。ベースのメンバーが加わって、長は指揮をしたり曲の要所を押さえるような編成になって重厚な曲はより重厚に、ファンキーでノリのいい曲はよりファンキーに、コミカルな曲はよりコミカルにと楽曲ごとのコントラストが鮮明になったような気がしました。オートワウやろうか、ボトムを支えながらもみょんみょんしたベースが最高に気持ちよかった。また、演奏の比重が下がることでお客さんを煽ったりもできて、ライブの楽しさも格段に上がったと思う。

こういう見た目のインパクトがある人(エビ?)たちは、見た目だけで演奏は…なんてこともありそうなんだけど、全員が確かな演奏力を持っているところが凄い。安定した演奏と派手なパフォーマンスで、奇抜さを感じさせながらも楽しいエンターテイメントに昇華させているところが素晴らしいと思いました。楽しい中にもまるで1本の映画を観終わったときのような満足感がありました。それにしても、長のあのベースの音は何なんだろう。深海で薄暗く光るような怪しい音や、イソギンチャクのようなみょみょっとしたヘンテコな音とか表現力ありすぎです。

次は11月のワンマンかな。絶対行きたいです。




なんか展示されていたエビのお面。



帰りに撮った入り口の風鈴。電球でチカチカ光る様子がとても幻想的で綺麗でした。今年の西院ミュージックフェスティバルはこれだけしか行けなかったけど、来年は他の会場も行ってみたいな。絶対に好きになれそうな気がします。