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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

7.13FREEDOMMUNE 0<ZERO> ONE THOUSAND 2013 /幕張メッセ

出演者発表で、91人のドラマーによるBOREDOMSの『BOA DRUM』が発表されたときに行きたい気持ちが高まり、その後『大友良英あまちゃんスペシャルビッグバンド』が追加発表されたときに行く決意をしました。友だちも誘ったら「行く!」ってことだったので一緒に京都から向かうことになりました。

お昼過ぎに新幹線で東京へ。自分がそろそろ出ようかなと思ったときに東京のお知り合いが「もうすぐ着きそう」とツイートしててびっくりしました。どれだけのんびりしていることか…。京都駅に着いたらゲリラ豪雨に見舞われ、友だちと「ああ…」って感じになってみたり。この友だちと出かけると必ず雨(それも豪雨)になる。2年前のフジロックも3日間ほぼずっと豪雨だったし、昨年串本の
奢音祭行ったときも夜に豪雨でした。

それはともかく、新幹線では寝たり前日に買った(ユ)さんの「ムンバイなう2」を読んだりしながらダラダラと。東京へ着いてから何かの電車で幕張メッセへ向かいます。

駅から会場に向かうのですが、土地勘がまったくない上に、会場となりそうなところが多くてさっぱりわからず。何やらEXILEのハイタッチ会(意味がわからない)も行われているらしくて、怪しい露天商もいたりで周辺はカオスとなっていました。迷いに迷って入り口を見つけるも、長蛇の列。これは時間がかかるかと思ったけど、意外にあっさり入れた。

このとき既に18時半ごろだったので、会場をウロウロしながら『BOA DRUM』を待つことにしました。


■7 x 13 BOA DRUM
2007年は77人のドラマー、2008年は88人と、なんだか凄い規模で行われているBOREDOMS主催のドラムの祭典。今年は7/13に開催だから7×13=91人のドラマーが参加されました。発表されたメンバーを見ていると、浅野忠信さんやRIZEKenKenさん、夙川ボーイズのマーヤ&リンダさん、BOGULTAの砂十島NANIさんや進行方向別通行区分の西浦謙助さんなどもいらっしゃいました。出演者の数が多すぎて誰が誰だか詳しくはわかならかったけど、自分はたぶん砂十島NANIさんの近くだったと思います。あのレオタードは絶対そうや。時間が近づくにつれ、メンバーの周りをを取り囲むようにお客さんが集まり、会場中がこれから起きるであろうスペクタクルに期待が高まっているのがよく伝わってきました。

定刻の19:13(この時間設定も素晴らしい)が近づき、メンバーがわらわらと集まってくる。ドラムセットに被せていた布を取り、準備完了。EYEさんも中央にやってきていよいよ始まりました。

まずは、シンバルの「シャーッ」という音から。そこからスネア、フロアタムが鳴らされました。地響きみたいな轟音が会場に響き、完全にノックアウトされました。91人もいるから、バシッと音が合うことはなくて、どうしても時間的なズレが生じてしまう。でも、そのズレが生じてしまうことにたくさんの人が集まっている生命みたいのを感じることができてすごく面白かった。

全編約2時間の長丁場で、途中正直間延びするところもありましたが、最終的にはカタルシスを巻き起こし、感動すら超えた何かに昇華させてしまうところはさすがでした。最後に順繰りにドラマーが立ち上がっていくところで自分自身もどこかへ昇華されたような気がしました。

自分がいるところと逆側の人の音があんまり聴こえなかったり、演奏者の腕も千差万別なんでどうしても最大公約数的な単調な流れになってしまいがちなのは残念でした。元々そういうものじゃないのはわかってはいるけど、ランダムでドラマーにソロを叩かせたり、縦方向に順番に叩いたり、途中で逆順になったりと大人数やこの並びを活かした演出があったりするともっと面白いのにな〜と思いました。高望みしすぎかもしれませんが。

あと、全然関係ないけど、演奏中にドラマーを順番に撮影してた小学生くらいの女の子がいててとても可愛らしかったです。


BOA DRUMが終わり、フードスペースでご飯でも食べることにしました。これまたすっごい人で大変だったけど、種類も多くて歩き回ってるだけでも楽しめました。


そこから瀬戸内寂聴さんの法話を聞きに行こうとしたけど、満員だったので諦めました。Twitterなんか見てるとすごくよかったようで、ちょっと後悔。隣のフロア「AMAZING DOME」で座って休んでました。他のフロアは冷房の効きが悪くて蒸し暑いんだけど、このフロアはそんなことなくて快適だったのです。DJさんがガンガン盛り上げている後ろでレクサスの試乗会が行われるというカオティックなフロアでもありました。結局、1台くらいは売れたんやろうか?

そして、お目当てその2の大友良英あまちゃんスペシャルビッグバンドへ。満員で入れないのは嫌なので、ちょっと早めに会場フロアへ向かいました。終電組が帰ったからか、思ったほどは混んでなかったかな。


大友良英あまちゃんスペシャルビッグバンド
リハーサルで「あまちゃん オープニングテーマ」が演奏されるとそこら中から人が押し寄せてきて歓声が巻き起こる。これだけで、あまちゃんというドラマがどれだけ愛されているのかがよくわかります。

そして本編。大友さんもご機嫌です。「深夜だけど朝の曲から」と言って演奏されたのはもちろん「あまちゃん オープニングテーマ」。やっぱり割れんばかりの歓声起きて盛り上がる。シンプルなんだけど、開放的で踊れて笑顔と希望に満ち溢れているこの曲は本当に名曲だと思います。自分はドラマはほとんど追ってない(いつも録画を忘れる)んだけど、この曲のテーマを初めて聴いたときに久々に電気が走ったような衝撃を受けました。

そこからはドラマの場面とリンクさせたMCで曲を紹介してから演奏という流れでライブは進んでいく。近くでは「そうそう」とドラマの場面を思い浮かべる人や、タイトルを聞いて「待ってました!」と喜ぶ人もいて、ついていけない自分にがっくりしながらも単純に「いいな〜」と羨ましく思いました。

ステージ上にいたのは、数年前にガイガーカウンターで演奏を行っていた前衛的な大友さんではなく、作曲家の大友良英さんでした(よくわからないな…)。自分の知っているノイズなんかもやる大友さんも好きですが、こちらの大友さんもよいですね。良質なメロディーで泣かせたり、怪しいブルースがあったりと幅広い曲が聴けてよかった。

アンコールではちょっと長めの「あまちゃんクレッツマー」からもう一度「あまちゃん オープニングテーマ」へ。両方ともハイテンションな演奏でアンコールらしい盛り上がりをみせていました。特に最後には大友さんが叫んでマイクを振り回すシーンもあって、自分のよく知っている大友さんが垣間見れた気がしました。

ライブ全編(消されるかも)→こっちです


もう、日付は変わっていて、このくらいの時間になるとフロアの端っこでは死んだように眠る人で溢れ出していました。時間が経つごとに増えていく様が凄まじかったです。自分はAMAZING DOMEへ戻って踊ったりフードコーナーでタコライス食べたりしていました。そして時刻は3時。お目当てその3の灰野敬二さんの登場です。


灰野敬二
今回はヴォイス&エレクトロニクス・ソロ。どんなことになるのか楽しみにしてました。ステージ前は人だかり。体力的にも限界に近かったので、PA席の近くで観てました。

この時間帯にも関わらず、まさかまさかの極悪な轟音ノイズソロ。耳が潰れるほどの濃密なノイズが会場中を暴れまわっていました。照明の効果もあってカオス過ぎる状況になっていました。ステージ上のモニターには何かにとり憑かれたように演奏する灰野さん。「これは…」と言葉にならない感情が出てきた頃、自分は落ちていました。うん、ところどころぐっすり寝てた。轟音ノイズはときには最高の癒しになるのだなと思えるくらいに気持ちよく寝ていました。最後のヴォイスパート「わからないことはわからないと、はっきりと言え!」という言葉にハッと目が覚めて、気がついたら灰野さんはステージを後にしていました。


■EP-4unit3+伊東篤宏
そのまま隣のAMAZING DOMEで休もうとするも、こちらもノイズ大会で休ませてくれない。灰野さんのノイズは巻き散らすような荒々しいものでしたが、こちらはどこかクールなものでした。伊藤さんのOptronの光りもとてもかっこよかったです。翌日、教えてもらうまでわからなかったんですが、シンセでPARAの家口さんがいたようです。


MOODMAN
そのままの流れで観ていました。深夜というか、明け方近かったのにミニマルビートに踊り狂う人々。自分は豚丼を食べ、最後のジーマを飲み、一緒に踊り狂っていました。「もう、なんでもいいや!」というテンションだったんで、やたらと楽しかったです。


この段階で4時半。友だちと始発で帰ろうかとなり、会場を後にしました。ちなみに、入り口付近も死んだように眠りに落ちる人がたくさんいました。あと、セクシーなキャンペーンガールのお姉さんも。早朝に見るセクシーなお姉さんはなんとも言えない不思議な味わい深さがありました。東京駅で友だちと別れて、自分はそのまま高円寺方面で仮眠を取ることにしました。

初めて行ったFREEDOMMUNEは出演者のラインナップなど、他のフェスでは味わえない独特の面白さがありました。このフェス、スタッフと呼べる人がほとんどいなかったんだけど、ほとんど混乱することなくスムーズに進んでいったのは地味ながら凄いと思いました。端っこで寝ていても「いつものことだよねー」くらいで誰も何も思わないし、お客さんもどこか「慣れた」人が多かった気がしました。こういうのがまさに客層なんでしょうな。

とにかく楽しかったです。久しぶりに限界を超えて遊び倒しました!