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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

6.15Fernando Kabusacki Japan Tour 2013 /京都アバンギルド

現在、怒涛の来日公演中のカブサッキさん。興味があったんだけど、なんとなくめんどくさかったりでどうしようかなとギリギリまで悩んでいましたが、行ってきました。久しぶりにアバンギルドでゆっくりご飯食べたかったし。

ビルの前で今日の演目の写真を撮っていると、側にいた初老(失礼)の女性が会場の場所がわからないとのことだったので一緒に行くことに。…といっても目の前のビルの3階なんですが。

開場時間5分くらい過ぎて着いたんだけど、けっこうな人が列を作っていました。待っている間に先ほどの女性と話をしていると、娘さんがカブサッキさんのお知り合いらしい。ほえ〜、とか思ったりして中に入ると、テーブル席はほとんど埋まっていました。なんとか後ろのテーブルで席を確保して物販を見物。山本さん関連のバンドのCDが中途半端に並んでいる中で、先月ベアーズで行われた山本さん、ヨシタケさん、西さんのセッションが録音されたCD-Rを発見。枚数にして10枚弱。「これや!」と思って確保しようにも、売り子が誰もおらず、買えない状況。同じタイミングで買おうとしていた男性と「誰かいないんですかね…」と話し合ったり。他にも同じような境遇の人が数人、物販スペースの前で立ちすくんでいました。そうこうしている内に、近くでご飯を食べていたヨシタケさんに声掛けて買っている人がいたので、自分もそれに乗っかってヨシタケさんから購入。出演者を探し出して購入するという謎だらけな物販体験。

その後、ビールとカレー、3種盛りを注文して開演を待っていました。前は気づかなかったけど、フードメニューの写真があってええ感じでした。

待っている間もどんどんお客さんは増えていって、最終的には立ち見が出て満員になるくらいの盛況っぷりでした。

程なくしてカブサッキさんと山本さんが登場。ライブが始まる前に簡単に構成の説明。まずはカブサッキさんのソロで、そのまま第1部へ繋がるとのことでした。この日のゲストは山本精一さん(Gt)、Yoshitake EXPEさん(Gt)、神田剛さん(Ba)、家口成樹さん(Syn)、太田泉さん(Dr)、marronさん(Gt)の6人。

始めの1音が鳴った瞬間、あまりの音の純度の高さに衝撃を受けました。こんなに綺麗な音を今まで聴いたことがあっただろうかというくらい。ブワッと鳥肌たった。ループも駆使しながらゆっくりと丁寧に音を組み立てていく。カブサッキさんから出てくるその音は、今まで聴いたことないような音ばかりで、食い入るように聴き入ってました。

程なくして家口さんが登場。シンセと、時折ピアノを重ねてふわふわと広がりある世界が見えてきました。家口さんのピアノの音が響く裏で、カブサッキさんはダークなドローンとした演奏。そこにヨシタケさんが加わり、新たな世界へ。そこは宇宙だったり、水中だったり、いろんなところへトリップさせられた。そして、marronさんが加わり、神田さん、太田さんが加わり、音に厚みが増していく…。最後に山本さんが加わり、テンポも少しずつ上がっていき、今まで見てきた世界を一気に駆け巡るような演奏が繰り広げられる。そのままピークを迎えて第1部終了。約50分くらいの演奏でしたが、あまりに衝撃的で放心状態でしたわ。

10分くらい休憩の後、第2部ってことで、さっきの余韻を引きずりながら3種盛り食べてました。カブサッキさんも含め、演者さんも客席で談笑している。

で、山本さんの「やりまーす」の一言で第2部がスタート。先ほどはカブサッキさんのソロ→家口さん→ヨシタケさん→marronさん→神田さん、太田さん→山本さんと徐々に増えていく流れでした。今回も徐々に増えていくところは同じですが、さっきとは逆順で増えていく流れでした。

ということで、序盤にやってきた山本さんとカブサッキさんのデュオパート。これはギターの音なのだろうかというくらいわからない音の応酬。山本さんのソロがあるときは裏手に引くカブサッキさん。この辺の押し引きは面白かった。太田さん、神田さんが加わった後は、太田さんがコンガ(かな?)を叩いていたこともあって、民族的な空気を感じさせる展開に。自分はずっと原始人が夜に焚き火を囲んで怪しい集会をしているような画が浮かんでました。メンバーが段々と増えていき、かなりカオティックな展開へとなだれ込んでいきました。たぶん、山本さんが出てる時間が長いからのような気がします。第2部も50分くらいの演奏でした。そして、アンコールはカブサッキさんのソロ。ただただ、美しく素晴らしい演奏だった。

MCでは山本さんがカブサッキさんに喋るように促すんだけど、シャイだからなんだろうか、絶対に喋らなかった。しょうがなく山本さんが喋っているとその横で腹話術のようにお喋りしてるジェスチャーをしてるところがとても可愛らしかったです。

同じメンバーでのセッション×2ということだったけど、メンバーの重なり方で全然違った演奏になったところが面白かったです。そして、音の粒のひとつひとつがキラキラと輝いていって、真空パックされたような純度の高い音の綺麗さといったらなかったです。で、もうひとつ大切なのがVJをされた仙石彬人さんの存在。スライドに写し出された映像に、直接ペンを入れて映像を完成させていったり、オイルアートを使って演出は圧巻でした。音を聴きながら、ときどき映像に心奪われていました。

21日に神戸でもう一度カブサッキさんが観れるというのは、この上ない幸せです。