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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

5.25(MASONNA、SOLMANIA、JOJO広重+CROSSBRED、MANDOG、蒸発都市)/難波ベアーズ


数年前までは毎年行っていたノイズミュージックの祭典『NOISE MAY-DAY』。ここ2年ほどは仕事と重なってしまい、行くことができずに悔しい思いをしていました。今年も無理かもと思っていましたが、スケジュールが軒並み前倒しとなり、ちょっと間が空いたので急遽行くことができました。ただ、それまでは日付が変わっても仕事をするくらいの忙しさで死ぬかと思いました。

職場を出て、京都から難波まで直行。19時過ぎにベアーズへ。受付がDODDODOさんでびっくりしながら客席のドアを開けました。ライブはすでに始まっていて、ほぼ満員のお客さんでフロアは埋め尽くされていました。残念ながら、蒸発都市のライブは終わっていたみたいです。


■MANDOG
完全に初見でした。エレキギター1本で世界を作っていく。幾十にもフレーズが積み重なってとても気持ちいい世界。てっきりルーパーを使ってやってるのだと思いましたが、後で知り合いさんから聞いた情報によると、ルーパーは使ってなかったらしいです。ありえないテクニック。ただ、音量がそれほど大きくなかったのと、これはノイズかな〜というサウンドでそれほど入り込めなかったです。別の機会に観たら印象も違うと思う。


■SOLMANIA
転換中にかかっているSEに合わせてノリノリでセッティングする大野さん。こっちまで楽しくなってきそうなノリ具合で、これから始まるライブがまったく予想できない。

セッティングが終わり、一旦楽屋へ。再度登場してから、スッと轟音ノイズ大会が始まりました。先ほどの2.5倍くらいはありそうな音量で「こういうのを聴きに来たんだ」と気持ちが高ぶってくる。ステージ後ろに並ぶ5、6台のアンプから放たれる音が粒子になって会場を包み、自分の細胞の奥まで入り込んでくるような感覚。本当に素晴らしいと思いました。ですが、今回はイマイチ入り込みきれなかった。理由は自分の目の前でフラッシュ焚きながら写真を撮りまくっていた外人のお客さん。自分も写真はけっこう撮るし、それ自体はダメとは思わないけど、フラッシュはダメでしょう。気が散って仕方なかったです。目をつぶって音に浸ろうと思っても、どうしてもダメでした。


JOJO広重+CROSSBRED
CROSSBREDは名前はよく聞くけど、観るのは初めて。JOJO広重さんとの絡みもどうなるかと楽しみでした。広重さんはステージ中央に鎮座されていて、ゲストなのか主役なのかよくわからない。CROSSBREDのお2人はキーボードにサンプラーかな、電子的な楽器。けど、衣装は民族衣装みたいな服でどんな音が鳴らされるか予想がつきませんでした。

はじめは宇宙を感じさせる神秘的で浮遊感のある音。黒い空間に光りの線が動いていく映像が浮かびました。程なくして広重さんのノイズギターが重なる。そうすると神秘的な雰囲気から一変、不穏なものがうごめくカオスな世界が広がっていきました。そしてどこからともなく4つ打ちのビートが聴こえてきて、身体は揺れる。ノイズの渦の中でリズムを取ることになるとは思わなかった。最後はまたビートが消え、轟音ノイズから神秘的な電子音に包まれながらフェードアウトしていくように終わりました。今までに聴いたことない不思議な世界でした。

聴きながら感じていましたが、広重さんがいるのといないでは全然違ったものになる気がします。最初はゲスト的な立ち位置かと思ってましたが、そんなことは全然なかった。3人組のユニットなんですね。


MASONNA

じわじわと前に詰めていき、結局仕事帰りのスーツくせに最前列までやってきました。丁寧に機材をセッティングするマゾさんの様子が、これから起きる嵐の前の静けさという感じで恐ろしかったです。音出しで出たノイズの音量と密度にビクッと反応してしまったりしながら様子を伺う。途中、ケーブルの接触が悪かったりで準備に時間がかかりましたが、セッティングを終えて楽屋へ戻るマゾさん。この後の「何かが起こるのでは?」という期待と不安が入り混じった客席の雰囲気がたまらなく好きです。


楽屋から登場したMASONNAは絶叫に次ぐ絶叫。自分も含めてお客さんのテンションもどこに向かっているかわからなくなるくらいで、一瞬たりとも目が離せない展開でした。途中、再度のスピーカーを揺すり落とそうとしたりめちゃくちゃなテンション。客席に突っ込んでくるわ、最後はマイクをブン投げてくるわで大変でした。何が起きてもおかしくないから、自分の五感を限界よりもさらに研ぎ澄ましているのがよくわかる。1分半にも満たない時間なのに、ライブが終わったときにはヘトヘトになってしまうこの感覚こそがMASONNAのライブなのかもしれません。そして、少し時間が経つとまたこの感覚を味わいたくてライブを観たくなってしまうのです。

ライブが終わり、物販でSOLMANIAのTシャツが売っていたから思わず買いました。凄くカッコいいです。

やっぱり年に何度かはノイズイベントに行かないといけないなと思いました。今回、唯一残念だったのは出演者がけっこう多くて、出演者あたりの持ち時間が短かったかなというところくらい。SOLMANIAはこの1.5倍くらいやってくれてもよかったな〜。なんにせよ、このイベントに来ると「関西に住んでてよかった!」と思えるので、来年も開催されたら行きたいなと思いました。