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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

2.28 シャムキャッツ“NEW ALBUM『たからじま』リリースツアー in 京都”(シャムキャッツ、Turntable Films) /京都磔磔

毎年、2月中旬〜3月中旬までは仕事で地獄が待っていて、ライブを観に行く予定を入れられずにがっくりな日々を過ごしています。今年も例年通りな日々なのですが、一瞬思いがけず早く仕事が終わったので、前から気になっていたシャムキャッツを軽い気持ちで観に行きました。

職場からたらたら歩いて約30分。会場の磔磔に着いたのが18時45分くらいか。中に入ったら予想よりもたくさんの人がいてびっくりしました。椅子がほぼ埋まってる感じで、自分はどうにもならなかったので物販後ろの座敷に行って観ることにしました。この座敷はね、これ以上ないくらい快適でラクでした。座椅子が最高で、後ろから全体を見渡しながらビールを空けていく。仕事帰りの疲れもあってか、あんまり飲んでないけど、早々に気持ちよくなってきたころに客電が落ちて開演です。


■Turntable Films
定刻になりメンバーが登場し、なんとなく曲が始まりました。もうね、良曲のオンパレードで素晴らしかった。曲ごとにいろんな楽器に持ち替えて演奏していて、バラエティに富んだステージでまったく飽きることなく観れました。スティールギターの浮遊感溢れる音が磔磔とマッチしていてよかった。激しすぎずゆるすぎず、ちょっと体を揺らすくらいがちょうどいい感じ。感情を発散するのではなく、「いいな〜」という気持ちが身体の内側からじわじわと沸いてくるステージでした。


シャムキャッツ
最新作『たからじま』を聴いて、ライブを観てみたいなとは思ってました。

1曲目はその『たからじま』から「手紙の続き」。イントロを演奏するも、ギターの音が異様にデカくなって音が変わってしまってやり直し。思わぬトラブルも適当なようなええ感じのMCで繋いで何事もなかったかのように仕切りなおし。こういうトラブルやちょっとしたコメントが瞬間瞬間を切り取ったライブなんだなと思えます。

Turntable Filmsよりも音は大きめ&激しめで、座ってゆっくり聴くのもいいけど、立って踊るのもいいかもしれない曲が多かった。個人的なピークは、ライブの後半に差し掛かったところで演奏された「No.5」。ゆるい良質メロディーに少し気だるい歌い方がなんか泣けてくる。で、本編最後にやった「なんだかやれそう」で今までちょっとずつ溜まっていた感情が一気に発散されて楽しい気持ちに昇華されていきました。その後、アンコールでは時間の関係で、マイクなしで「忘れていたのさ」。曽我部恵一風(笑)に客席で演奏。多幸感はそのままに、高まった気持ちを自然とクールダウンさせてくれて、アンコールにふさわしい演奏でした。本当に素晴らしいライブでした。


今回は、前日くらいに「行こうかな〜」と思い立ったんで、仕事帰りにふらりと当日券で入りました。この「平日の仕事帰りにふらっと観に行くライブ」という状況と磔磔のロケーション、そして両バンドの素晴らしい楽曲が見事に溶け合ってなんとも言えない幸せな気持ちになりました。日常に溶け込んだ中の非日常という感覚がとてもよかった。多分、1ヶ月前から待ちわびていてもこういう感情にはならなかっただろうし、モッシュやダイブの嵐みたいなライブでも全然違う。全部が揃って初めて感じられる感覚なんだと思いました。