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企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

12.11 ZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION 2012 /アメリカ村BIG CAT

前回観たのは昨年のボロフェスタでした。今回の新譜がとてもよくてライブ観たかったんだけど、梅田クアトロは無理でがっかりしてました。が、追加公演が発表されていてもたってもいられなくなり、車の免許更新という名目で休みを取って行ってしまいました。

免許の更新はさくっと午前中で終えて、会場のある心斎橋周辺へ。予想はしてたけどやっぱり時間が余ってしまい、途方にくれることに。ネカフェで漫画読んだり、アップルストアに行ってみたり、楽器屋でよだれを垂らしたりしているうちに開場時間を迎えました。

会場のBIG CATはZAEN BOYSが結成されてから初めての関西ライブを行った場所。自分はクイックジャパンの付録で付いてた『SI・GE・KI』のCDを聴いて「こういう音楽が聴きたかった!」と衝撃を受けて、夢中でチケット取って観に行った記憶がある。その時の対バンがデビュー直後くらいのフジファブリックNIRGILISなどで、今にして思えばとても豪華なメンツでした。そのときのレポも書いてたけど、データは飛びました。5バンド中、3バンド目に出てきてめっちゃ人気だったのは覚えてる。そして、ジャキジャキの音に感動しました。

そんなことを思い出しながら会場の中へ。番号が500番台だったんで人がいっぱいで後ろの方で観る感じかと思ってたけど、想像以上に人が集まってなくて真ん中くらいまでは楽勝で行けた。多分、平日だからなんでしょう。開演時間には8割くらいは埋まってました。ほどよくスペースがあって、好きな埋まり具合でした。開演までの時間はSEもかかってなくて、ザワザワとお客さんの話し声が聞こえる。この削ぎ落としたような感覚が好きです。

開演時間を少し過ぎた頃、無音の中メンバーが登場。おもむろに楽器を持ち、向井さんのギターから『Fender Telecaster』のイントロフレーズが鳴る。この段階でZAZENの世界に持っていく。そして、新譜から『サンドペーパーざらざら』。いきなり変拍子の変態なフレーズ。「これを聴きに来たんだ!」と嬉しくなりました。曲の入りのときにダンダンと足踏みする音なんかも聴こえてきて身震いした。

そのまま『サイボーグのオバケ』へ。新譜で一番聴いている曲や。少ない音とミニマルなフレーズ、キメのタイミングが絶妙で素晴らしい。この曲で踊るときは少しカクカクしてしまう。途中の向井さんセリフをカシオメンがギターで再現するセッション(?)が面白くもあり、凄くもありました。「パンツパンツ!」はまだしも、「OLが吟醸酒を飲んで『フルーティーでおいしいね』って言うけど、フルーツ食べたらどうですか」や「OLが吟醸酒を飲んで『ワインみたいでおいしいね』って言うけど、ワイン飲んだらどうですか」みたいな文章やんってセリフも再現してた。フレーズのアホさとこれをギターで表現する凄さに唖然。そこから『ポテトサラダ』へと続き、新譜のツアーらしいスタート。

でもって『Honnoji』を挟んでからの『SI・GE・KI』へ。イントロのあのベースでちょっと泣きそうになった。で、テンション上がった。この曲の持つゾクゾクするような緊張感はいったい何なんだろう。んで、中盤でやってくれた『HIMITSU GIRL'S TOP SECRET』で自分のテンションがまた上がった。自分中のZAZEN BOYSはこのあたりの印象が強いので、どうしてもね。

そして、個人的な本編のハイライトは『COLD BEAT』でした。途中のチャルメラフレーズ。向井さんの「さりげ〜なく、孕ませてよ〜」というコーラスをカシオメン→吉田さん、ついには松下さんにまで。最終的には客席の女の子にもさせてました。すっごい困ってて、なかなか言えなかったけど(当たり前)、「頑張れ〜」とか他のお客さんの応援もあってなんとか言えてた。そんで、全員ではハモッたりしてめちゃくちゃになったところで、ギターの音一発。そこから元の曲へ帰る展開。バカテク&アホ過ぎでもう笑うしかない。

で、本編最後は『破裂音の朝』。CDではそんなに感じなかったけど、この演奏は感動すら覚えるくらいよかったです。

アンコールは向井さんのギターに合わせてThe smithのカバーを。打ち合わせなしだったのか、他のメンバー全員あたふたしてた。そのまま同じようなノリで『KIMOCHI』をやって、しっかりみんな楽器を構えて『ASOBI』へ。ずっと「やらないなー」と思っていたけど、最後の最後に持ってくるとは。

BIGCATというけっこう広めの会場だけど、機材は真ん中にキュッと集まっていて、メンバー全員がアイコンタクトや声を出して(地声がここまで聞こえてくる)などで他のメンバーの様子を伺いながら演奏するのがとにかくかっこいい。様々な「楽曲」があって、それを演奏しているんだけど、各々の楽器がぶつかったり溶け合ったりと生まれてくるグルーヴはまさに生き物でした。チャルメラフレーズとかアホなことを楽しそうにやってる。簡単にやってるようだけど、こういうことができるまでには恐ろしい量の練習を繰り返していることがにじみ出ている。そこが恐ろしくあり、このバンドは変態なんやと思えるところでした。

それにしても、吉田さんのベースの音はなんでこんなにガキガキでかっこいいのか。また行こうと思います。