ベアーズで割礼のライブがある。対バンは、ずっと観たかった福岡のtepPohseen。須原さんがされてて、これまた観たかったけどタイミングなかったヰタ・セクスアリスと申し分ないものだったので、行く以外の選択肢がありませんでした。繁忙期で身体はボロボロだったけど、行く以外なかったです。
事前にオンタムで始まる旨の告知があったので、気持ち早めに会場へ。相も変わらずあんまり人はいませんでした。でも、ちょっとずつお客さんは増えていって開演時間には沢山の人で埋まってました。
tepPohseen
ずっと名前は知ってて気になっているバンドのひとつでした。志賀さんがドラムで入ってて、埋火のライブ以来観るので、そこも楽しみのひとつでした。
1曲目のインスト曲から一気に持っていかれました。退廃的で物悲しくてとても危ういメロディーに深いリヴァーブかかったヤバめなギターの音が好き過ぎました。次の曲からはボーカルもあったんですが、素っ頓狂な声と歌い方が、バンドサウンドの危うさを一層際立たせていました。その後の曲も、4つ打ちでキャッチーなもの(志賀さんメインボーカルでとても良い声)や、クリーンなギターが優しいものなど、バリエーションもしっかりありながら、全体に漂う不穏な感覚や危うさはとても癖になる。気持ち長めな40分くらいのステージでした。
MCはゆるゆるだったのも良かったです。帰りにCD買ってしまいました。また観たいなー!
メンバーの衣装の感じで、サウンドが大体イメージできる。艶っぽいキーボードの音とと、ときにファズファズしたギターとグルーヴィーなリズム。とても聴きやすいんだけど、ちょっと感じる違和感。「あの時代の空気はこんなのだったのかな?」と思いながらも、今のバンドとして存在していることが何だか嬉しい。そんな演奏でした。
割礼
この日は90分のロングセットでした。最初の音で、割礼のそれだと分かる。シンプルなんだけど、ねっとりとした割礼の音。宍戸さんのボーカルが入ると、さらにねっとりとして、音楽を愛撫しているみたいだった。ギターやベース、ドラムが楽器を愛でるような感じで音を出している気がして、そんな風に見えるから、そこら辺のバンドでは絶対出ないような色気があるんだろうなと思ったりです。スローなテンポで紡がれる音に身を任せているときに感じる陶酔感。これが本当に気持ち良くて、本編最後の曲の無限にも聴こえたギターソロで完全に昇天してしまいました。何度も落ちそうになったり「永遠に続けこの時間」と思えるくらいの恍惚とした時間でした。
ロングセットじゃないと、この境地まで上り詰めることはできないと思うから、本当にありがたかったです。
ライブが終わったら、完全に生気抜かれた状態になってました。それぞれのバンドがそれぞれ面白くて良くて、身体は疲れていたけど、心地よい疲れに変わっていました。