θ

企画したイベントや、行ったライブのレポなどが書かれていると思います。

おとぼけビ〜バ〜 ワンマンライブ /京都磔磔

f:id:otakebi:20160323194228j:plain

 

 
5月にUKツアーも決まってる何年もずっとライブに通っているバンド、おとぼけビ〜バ〜のワンマンライブ。しかも磔磔ということで、平日だったけど仕事ほどほどで行ってきました。
 
平日ってこともあって20時開演。「磔磔は21時音止めだから、1時間で全行程終了かー、らしいなー。」なんて思いながら到着したのは開演15分前。受付待ちでけっこうな行列ができていて、中に入ってみたらお客さんめっちゃ多くてびっくりしました。ライブ後のツイートなんか見たら147人だったみたいですね。1時間のワンマンのために平日にもかかわらずこんなに人が入るなんて、なんか感動的やったです。で、開演時感ほぼちょうど、いつものSEに合わせてメンバーが出てきました。
 
大きな拍手で迎え入れられたメンバーはいつもの衣装で登場しましたが、なんだか緊張しているよう。ワンマンだし、区切りのライブとなることもあってか、仕方がないのかも。そんな中で「さわらんといて」からライブは始まりました。そこから「おとぼけビ~バ~のテーマ」、「ちゅっちゅソング」と初期の楽曲が続く。で、何曲かやった後で演奏されたのは、このバンドでは珍しいミドルテンポでサイケデリックな「ビ~バ~につれてって」。この楽曲がライブ全体のいいアクセントになっていたような気がしました。突然テンポアップしてちょいヒステリックな感じになるところが、抑えきれなくなった感情が爆発したようで面白い。んで、前半最後は「ウルトラミラクルス~パ~サイヤサイケフェスティバル」。イントロでひろたさんのベースが炸裂してて、本当にかっこよかった。この辺でお客さんのテンションも徐々に上がってきているようでした。
 
後半は「パワフルブス」で客席乱入があったりしながらお客さんのボルテージも上がっていって、新譜に収録されてる新曲3連発。この新曲たちは歌詞はエグいんだけど、なんか純なところがあって好きです。曲も目まぐるしく展開が変わっていって、相当面白い。そんな新曲からの本編ラスト「あきまへんか」へ。この辺りでこらえきれなくなった前方のお客さんのモッシュ大会となり本編終了となりました。
 
 
 
 
ここまでで40分。15曲くらいやってましたが、40分。アンコールで1曲やって、それでも50分くらい。もちろんまだ満足しきってないお客さんから「あと8分!あと8分!」と音止め時間を配慮したダブルアンコールを求める声が。「8分あったら3曲できる!」とか無茶言ってた気がします。結局、ダブルアンコールで「あきまへんか」もう1回やったのかな。楽しすぎて、もう、あんまり覚えてない…。そんな感じで全部含みで55分くらいで終わりとなりました。
 
 
 
 
 
このバンドは演奏の上手さもさることながら、バンド全体のエネルギーがドンッと前に前に押し出されるように迫ってきていつも圧倒させられます。この日はお客さんの空気もすごく良くて、祝福ムードが漂いながらも楽しそうに暴れていたりする姿が印象的でした。そんなお客さんを煽るよよよしえさんやあっこりんりんさんの姿やバンドの演奏する様子を観てると「愛して殺そう」とされてるような気がしました。この日はよしえさんの方で観てて、えげつないファズにやられまくったから、そんなことを強く思ったのかもしれません。
 
アッという間の時間だったけど、濃厚で本当に楽しかったです。

3.21 「アバ☆フェス」(赤犬、溺れたエビの検死報告書、BALZAC、mezcolanza、and more) /味園ユニバース

f:id:otakebi:20160321122005j:plain

 
 
赤犬さんがライブするのかー、BALZACも気になるぞ。あ、溺れたエビの検死報告書も出る。追加でmezcolanzaですか!行くでしょう!!という流れで行くことになったこのイベント。結果、味園ユニバースというカオスな空間でアイドル、バンド、プロレスが入り乱れる非常にカオスなイベントでございました。基本、バンドのレポです。
 
mezcolanzaの出番が13時からということで、その少し前に会場へ。お客さんの入りはそこそこという感じ。ユニバースのケバケバしい照明と内装、客席後方に鎮座するプロレスのリング、前の方ではアイドルさんのライブとヲタ芸というごちゃまぜ感あふれるカオスな空間に心が踊りまくりでした。
 
そんな空間をウロウロしながらmezcolanzaの限定セットを買おうと思ったけど、しっかり売り切れで、がっくりもしながらステージ前へ。20分押しくらいでメンバーがリハーサルのために登場。その様子を見ながらライブの開始を待っていました。
 
 
mezcolanza
結成当初からずっと気になっていて、昨年シェルターで観て以来の2回目です。メンバーは成瀬心美さん(Vo)、ハジメタルさん(Key)、カトウタロウさん(Gt)、西浦謙助さん(Dr)、岡野いずみさん(Ba)の5人。個人的には、ミドリ(初期のころ)で何度かライブを観ていたハジメタルさん、相対性理論進行方向別通行区分で何度もライブを観ている西浦さんや15年くらい前に大阪で観たビークルのカトウさんが成瀬心美さんと結びつくとは、とびっくりでございました。
 
前回もかかっていたSEがかかり、お揃いの黒いTシャツで登場したメンバー。前回は可愛らしい衣装だった成瀬さんも今回はロックっぽい。後方でベースを抱える岡野さんがスタイル良すぎでびっくりした。Twitterでセトリがアップされていたので、その順番で簡単に感想でも。
 
1.相合傘
ライブのオープニングに相応しいミドル~アッポテンポ気味なポップソングでした。Aメロ、Bメロとじわじわと盛り上がり、サビで一気に爆発する展開は王道だけどやっぱり気持ちいい。お客さんの掛け声とかも含めて「ライブが始まった~!」って感じに溢れていてよかったです。あと、岡野さんのベースがめっちゃゴリゴリで笑えるくらい良かったです。
 
2.ドラマチックヒロイン
動画が公開されていたり、こないだのCDにも収録されている楽曲。ハジメタルさんのピアノの音と全体的にハネるリズムが可愛らしさとワクワク感でいっぱいで聴いてて楽しくなってきました。自分は歌詞がほとんど入ってこない人間ですが、ちょくちょく耳に入ってくるフレーズがいじらしくて好きです。
 
 
 
 
 
3.Dream Wonderland
全体的に遊園地にいるような楽し気な曲でした。楽しいんだけど、曲の中にちょくちょく寂しい感じもあって、そういうところが良かったです。観覧車やメリーゴーランド、売店なんかで感じる距離感や感情みたいのが頭に浮かびながら聴いてました。
 
4.Glory Days
ちょくちょく聴こえてくる歌詞が、次に向かっていくというような気持ちがよく表れた曲だと思いました。卒業式とかで聴いてみたい楽曲。自分がもっと若ければ、グッと前向きな気持ちになれそうです。
 
5.非恋愛シンドローム
ぐっさポップな1曲でした。ハジメさんのシンセの音や、カトウさんのギターソロの突き抜けた感じなんかが本当に良かったです。ちょっといたずら心なんかも感じたり。
 
6.シュラ!シュラ!バー!
先ほどの曲とは打って変わって、ハジメさん、カトウさんの悲し気なイントロ。そこからフラメンコ、ラテン調の曲が展開されていきました。個人的にはこういう曲調は大好物なので、ライブ中で一番テンションが上がっていたかもしれません。
 
7.リアリーラブリースケアリー
こちらも動画が公開されている曲。アップテンポで4つ打ちがむちゃくちゃ気持ちいい。西浦さんのドラムのパワフルさと疾走感が最高で、テンションが上がっていってサビでコールもできたりして、ライブの最後に爆発できる曲でした。
 
 
 
 
という感じで、ライブ全体的にはもの凄くポップでいい曲ぞろいでした。各楽曲がいろんな顔を持っているんだけど、全楽曲ポップスの魔法にかかったような感じで、聴きやすいものに仕上がっていて本当に楽しかったです。ハジメタルさんとカトウさんの楽曲のセンスと西浦さんのパワフルで疾走感あるドラム。岡野さんのベースは細い指から奏でられてると思えないくらい音が良かったです。最初にも書いたけど、なんか、ゴリゴリで、好きな音過ぎて笑ってしまいました。
 
 
まだまだこれからライブを重ねていくと音もいい具合にまとまってくるだろうし、素晴らしいバンドになりそうです。というか、早くアルバム出してほしいー!
 
 
強烈なプロレスからの赤犬。メンバーのリハーサルが終わり、いつものジングルからのスタートでした。そして、ナイトサバーズの面々、タカアキさんの登場で盛り上がるフロア!
 
まずは和田アキ子よろしく!な「リボルバー」からのスタート。ワンコーラス演奏されて「タカアキのズンドコ節」へ。キャッチー過ぎるメロディーにサビの破壊力がとんでもない楽曲。
 
そのままタカアキさんの面白ろMCから「デラノーチェ北浜」へ。ナイトサバーズが客席へお邪魔し、チークダンスを踊るこの楽曲でユニバースの場内がアダルティーな大人の社交場へと変わっていきました。自分はよく見えなかったけど、ヒデオさんとロビンさんがプロレスしたりしてたみたい。艶っぽい演奏の奥で起こる笑い…。最高です。
 
そしてタカアキさんはお色直しへ。その間、ナイトサバーズの面々ボーカルで客席を沸かせていました。その後、無駄に壮大な「アモーレ」と続き、意味不明な感動を呼び起こした後の「アンドロメダ大将軍」へ。この辺りで客席の盛り上がりもピークへ。最後の「酔わせてよ神戸」で大団円!
 
高い演奏力と恐ろしいまでの完成度のB級歌謡感にやっぱり感動させられてしまいました。時代錯誤甚だしくて一周して新鮮な感動が得られる…。そんな赤犬さんのライブはやっぱり大好きです。できるなら2時間くらい観たかった。それはまたの機会ですね。
 
今回も本当に楽しい時間が過ごせました。
 
 
 
 
 
ずっと観たいと思っていたけど、ようやく観れました。前方はこのバンド目当てと思われるお客さんが一杯でした。
 
ビジュアルからはメタル系のサウンドと思っていましたが、想像よりもずっとパンキッシュなバンドでした。長年されてるだけあって、演奏の安定感や魅せ方、音圧が本当に凄くてびっくりでした。無心になって踊り狂ってるお客さん観てると、それで感動できる。
 
ずっと「凄い!凄い!」と感激してました。ちゃんと音源を聴いて一緒に騒ぎたいバンドだと思いました。
 
 
 
 
 
公開されてたタイムテーブルから1時間以上押してて、だんだん減っていくお客さんに「ガラガラになっちゃうのかな」と不安に思ったりしてましたが、そんなことはなく、けっこうなお客さんが残ってた。
 
個人的には久しぶりのエビだったのですが、明るくトロピカルなサウンドがさらに進化しててびっくりしました。メンバーにギターがいなかったのが衝撃的でした。以前にも増してダンサブルで原始的なサウンドになっていて、何も考えずに気持ちいいリズムに身体を委ねられるのが本当に気持ちよかったです。ドラムのバスドラが光ったり、見た目にも楽しい。また、広いステージだとヲサを中心にエビたちが自由にワシャワシャと動き回れるので、伸び伸びとパフォーマンスをしているところも良かったです。定番のかっぱえびせん投下や、生け贄の儀式もやっぱり楽しい。
 
40分くらいかな、時間の関係かアンコールはなかったけど、最後の最後にめっちゃ踊れました!
 
 
 
 
 
そんな感じで延べ10時間近くとなったこのイベント。アイドル、バンド、プロレスとはちゃめちゃなごちゃ混ぜ感溢れるもので、お腹いっぱいな感じでした。アイドルのライブやヲタ芸をがっつり観る機会はあんまりなかったし、ましてやプロレスなんか初めてだったけど、すごい楽しめました。プロレスは生で観ると凄い迫力でした。身体はヘトヘトだったけど、不思議と満たされたイベントでした。

 3.13 『帰って来たあふりらんぽ!~再結成ツアー2016~』(あふりらんぽ、マッカーサーアコンチ) /梅田シャングリラ

f:id:otakebi:20160313182501j:plain

 
とても嬉しい知らせが舞い込んできたある日。あふりらんぽが再結成するという話。自分はバリバリ関西ゼロ世代と言われたバンドたちを観に行ってた世代。もちろん、6年前の解散ライブも行きました。なもんで、この知らせは本当に嬉しかった。
 
で、当日。たくさんの期待を胸に久しぶりに行くシャングリラ。解散ライブを観たこの会場で再結成ライブが観れるというのは本当に嬉しいことです。シャングリラは最近はすっかり足が遠のいてしまいましたが、やっぱりワクワクする会場のひとつです。
 
開場時間にサクッと中に入り、談笑したりして時間を過ごす。最初はまばらだったお客さんも、気が付けば身動きとるのも難しいくらいの入りで、満員というのにふさわしい状況となってました。開演時間を少し過ぎたあたりで、マッカーサーアコンチが登場しました。
 
 
名前は何度も見ていましたが、ライブを観るのは初めて。幕が開き、ちょっと胡散臭いおじさんや女性たちが。まずはダブっぽい曲から。緩やかに会場のボルテージを上げていき、2曲目3曲目と徐々にアップテンポな曲になっていき、本当にいい具合にフロアを温めていました。曲もカラッとしたダンスナンバーが多くてすごい楽しめました。
 
お客さんのテンションを上げながらも、この後のあふりらんぽ登場への期待度を高める。そんなライブで、本当に上手い。このあたりの塩梅の上手さに感激してしまいました。また別のかたちでもライブを観てみたいバンドでした。
 
 
 
 
 
転換が終わり、幕が開くと、大阪らしい不必要にゴテゴテしたステージ。その上でONI、PIKAのやり取りから始まった「ミラクルラッキーガールズ」。やっぱりこの曲からでないと盛り上がれない。そこからは自由奔放なあふりらんぽの世界が広がっていきました。この生き生きとしてパワーがみなぎるような感覚はあふりらんぽならでは。ライブ前半はPIKAさんのマイクの調子がいまいち悪いところも前のままや。けど、それすらネタにしながらやり取りを繰り返し、そのまま次の曲へなだれ込んでいく面白さも相変わらず。「ドドドド」、「あかんこのまま帰さない」、「CAVA」と定番曲を惜しげもなく披露してくれて、会場のボルテージも一気に上がっていました。
 
中盤の「海」でのサイケデリックな展開もよかったし、お客さんのスマホハッシュタグつけてツイートさせてコメントを拾ったりと面白い試みもあったり。こういうステージと客席の垣根を超えたことをやってくれるのもあふりらんぽだと思います。後半は比較的長めの曲でしっかりと世界を作りながらの1時間半くらい。
 
そして、アンコールもとても良かったです。最初は「あふりらんぽ」やってサッと終わる予定だったようですが、客席真ん中のバーカウンターでビールを頼んで即興でパフォーマンスがあったり。こういう予想外、規格外な展開がなんの違和感なく自然に繰り広げられるところが本当に好き。で、そのあと曲にいくまえにONIさんの感謝の言葉。最後の「生きてて良かったって思ったよーーー!!!!」という言葉と涙は自分もグッときまくりでした。そのままやった「あふりらんぽ」の多幸感に溢れた演奏は忘れられないものになりました。
 
そんな感じでアンコール含みで2時間くらい。ONIさん、PIKAさんどちらも音が身体全体から湧き出るような表現をされるミュージシャンですが、2人揃うとその感じが何倍にもなって、凄い無敵感があるから不思議です。その感覚は客席にしっかりと伝わっていて、本当に楽しんでいるんだなというお客さんで溢れている空間は楽しくて涙出そうでした。
 
 
 
 
 
ホンマに最高やったです!そして、これからどんな風な音楽をされていくかも楽しみです。

1.30 「全面照射」特別先行発売 TRANSPARENTZ vs 百々和宏と狂った馬 /秋葉原GOODMAN

f:id:otakebi:20160130183312j:plain

 

TRANSPARENTZのライブです。半年に1回くらいしかないのと、土曜日でスケジュール的にも行けるので、もちろんって感じで行ってきました。このバンドの対バンはいつも面白いので、そこも楽しみでした。
 
残業続き&前日2時くらいまで職場の人と飲んでたこともあって、お昼に新幹線で東京へ。相変わらず微妙に早い時間に着いてしまったので、秋葉原の街をブラブラしながら開場を待ちました。15分前くらいかな。到着したら、かなりの行列でびっくりしました。
 
場内へ入り、新譜「全面照射」の予約を。それからお知り合いの方たちと談笑し、ふと周りを見てみると、けっこうキュウキュウ。8割くらいは埋まってたのかなと思います。そんな感じで待って、20分押しくらいでスタートしました。
 
 
TRANSPARENTZ
今回もこちらが先行でした。いちお、メンバーは山本精一さん(Gt)、日野繭子さん(electronics)、HIKOさん(Dr)、Issheeさん(Ba)の4人。バーッと幕が開いて目に飛び込んできたのは、けっこうな数のアンプでした。全部で6つくらい。そのうち3台は山本さんが使用って感じ。HIKOさんのカウントからいきなり始まるカオスなノイズ世界が広がりました。
 
今回は山本さんのテンションがかなり高めで、演奏開始3分くらいでいきなり弦が1本切れてました。それでもおかまいなしにギターを掻きむしったり、ペグを回して音程をいじったりして強烈な音を生み出してました。今回はスライドバーを使用する場面が多かった気がしました。音程とかチューニングおかまいなしで、なんか、ストラトがノイズ発信機になってた。髪の毛から汗が飛び散る場面もあって、珍しいなと思ったりです。
 
日野さんに目をやると、胸元が大きく開いた衣装で直視できず。上着でコート着てたんだけど、時折肩が見えるなと思ったら、タンクトップでした。セクシー過ぎる。音は緻密に計算されているのかな、とても艶っぽい色気のある音。冷静に音を構築されていた印象を受けました。
 
HIKOさんのドラムはやっぱり凄すぎる。基本、ブラストビート。バスドラムの連射と音の強さが半端ないです。顔を歪めながらも身体が爆発しそうなテンションでドラムを叩きまくっていました。
 
Issheeさんは各楽器の間を紡ぐように、そして動きのある音は、バンドに大きなうねりを与えているようでした。途中で、背を向けてベースをアンプに向けてフィードバックさせてたところ、最高でした。
 
全体的なところでいくと、今回の演奏はこれまでとは大分雰囲気が違っていました。これまでは、とにかく個性的な4人の音のぶつかり合いから生まれるカオティックな轟音ノイズという印象だったんでした。けど、今回は中盤にエイトビートな展開があったりと、激しく音がぶつかり合いながらも、緩急ついた演奏だった気がしました。そのせいか、これまでよりも音の幅も広がり、混ざり合っているような印象を受けました。アイコンタクトを取るわけでもなかったので、音だけで繋がり、すごく高い次元で溶け合ってるような感じ。この辺は、メンバーが意識的にやったのか、それともライブを重ねていくうちに自然になっていったのか気になるところです。そんな感じで40分くらいの演奏でした。限界の向こう側を見た気がします。
 
早くも次回のライブを期待してしまいますね。
 
 
 
 
百々和宏と狂った馬
メンバーは百々和宏さん(Gt、Vo:MO’SOME TONEBENDER)、有江嘉則さん(Ba:VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)、照沼光星さん(Dr:thatta)
の3人。百々さんが出演されているライブは3年くらい前にフジロックで観たモーサム以来かも。別名義でのライブは初めてです。どんなになるかあまり想像もできず、楽しみにしてました。バンド名から、初期モーサムみたいにバキバキなサウンドなのかな、と思ってみたり。
 
幕が開くと、お酒片手に煙草をふかしている3人。フラリと始まる楽曲。曲はカバーも多めなんでしょうか。歌謡曲っぽいのから、ちょっとオールドスタイルなロックが中心だった気がします。誰の曲か、自分はその辺あんまりわかりませんでした。大体の進行は1曲やって、数分MC、その後1曲って流れ。ライブ前に物販で百々さんの泥酔ジャーナルが売っているのをみたからか、そんな雰囲気なんかなと思いながら観てました。気の知れた仲間と緩く酔っぱらいながら音楽を楽しむ…。そんな感じ。

1時間ちょっとで6曲か7曲くらいだったと思うけど、普通に良かったです。終わってからしばらくして「ああ、良かったな」ってしみじみ思うようなライブでした。演奏も喋りも、雰囲気も「なんか良かったな」って書きながら思っています。
 

という感じで、今年の初上京はこの2組でございました。終わった後の打ち上げ込みで、本当に来て良かったなと思える素晴らしいライブが観れました。

1.17 she said "So Lonely but Never Alone"RELEASE TOUR(she said、SaToA、ロンリー、テト・ペッテンソン) /名古屋K.Dハポン

f:id:otakebi:20160117181252j:plain

 
 
セカロイのshe saidレコ発。対バンにSaToA、昨年末にCount Phantomのイベントで観たテト・ペッテンソンがめちゃめちゃ良かったので、そこにも惹かれて行ってきました。K.Dハポンも凄い気になってた場所だったので、地味にお得感溢れる感じ。
 
なんとなく旅行気分を味わいたかったので、在来線で名古屋まで。大体遅延しているJRが時間通りの運行で意外でした。ボーッと景色を眺めたりしながら2時間半くらいなんかな、名古屋まで。在来線の場合、米原で乗り換えしているときに遠出した感が好きです。新幹線だと40分で着くので、節操ないんす。名古屋で晩ご飯迷子になった後、結局、会場最寄り駅の鶴舞近くのラーメン屋で味噌ラーメン食べた。なんやか濃厚過ぎるくらい濃厚やったです。
 
で、会場に到着。入ってみると、想像以上に狭かった。演奏スペースとほぼ同じか少し狭いくらいの客席スペース。上にロフトがあって、そちらでも観れるので、上で観てる人も多かったです。開演時間には、ほぼ満員くらいの人となっていました。
 
 
テト・ペッテンソン
女性5人組のバンド。みんな20代なんやろか、若いバンドです。アコギ、リコーダー、鉄琴、木琴、鍵盤ハーモニカなどアコースティックな楽器がほとんど。ドラムも、バスドラはなくて、パーカッションって感じ。可愛らしい声のボーカルと哀愁漂うメロディーが良かったです。ちょっと童謡っぽくもあり、子どもにも聴かせられそうなメロディー。その奥にある暗さや悲しい感覚。こういう音楽は本当に好き。なんとなく、たまっぽい感覚がある。性別も世代も全然違うけど。最初に演奏された「まちがえた」と最後に演奏された「高校受験」って曲が特に好みでした。
 
またちょくちょく観に行きたいです。
 
 
 
 
 
SaToA
今年初めてです。去年の9月に観て以来かな。
 
ライブは「SPROUT」から始まりました。やっぱり瑞々しくてキラキラした音が気持ちいい。曲の後半でパッと開けたような展開になるところも素晴らしいです。そこから「LONELY PLACE」、「RIVER SOUL」とロック要素が高い2曲を。コーラスワークも綺麗で楽しいです。で、MCを挟んで演奏されたのは「手紙」。音源ではパンキッシュなところもあった楽曲ですが、この日の演奏ではガラリとアレンジを変え、透明感あるバラード調に。これが聴けただけでも来てよかったと思えるくらい。そこから「IMAASA」と疾走感溢れる「TREES」でライブは終わり。
 
特にドラムだけど、演奏の押し引きがしっかりあって、表現力が増したような気がしました。初々しさを失わず、ライブ観るたびにどんどん良くなっていて本当にいいバンドです。
 
 
 
 
 
ロンリー
なんだかんだでちょくちょく観ている気がします。イライラではなくて、どうしようもない感覚、そんなのをぶちまげるような演奏に心打たれました。各々の曲がどうとか言うより、なんかわからないけど好きって感じです。
 
 
 
 
 
she said
去年、メトロで観て以来の2回目かも。音のキラキラ感がどうしようもないくらい良かったです。こういう音楽聴いていると、ついつい上を見上げて音の粒子が舞い上がっていくのを見てしまうのですが、そうやって聴くのも良かったです。吹き抜けになっている天井から音が抜けていくような映が見えました。まだ20歳くらいの若いバンド(MCでドラムの方が成人式が…って言ってて、地味に驚愕でした)で、その若さと伸びしろも感じさせながらしっかりした完成度の高い楽曲ばかりで、単純に凄いなーって思いながら観てました。
 
終演後に思わず音源を買ってしまって、家でもけっこう聴いてます。音の質感なのか、澄んだ感じや所々で見える哀愁が冬によく合うんですよね。
 
 
 
 
 
そんな訳で、どのバンドもそれぞれ個性的でよかったです。終演も21時くらいで早めだったのもありがたかったです。雨振ってたこと意外は。そんなことどうでもいいくらい楽しい夜でした。

1.16 井手健介、柴田聡子、OA:トンチャイ・K・ウィーラセタクン /喫茶ゆすらご

f:id:otakebi:20160116214148j:plain

 

 

今年最初の柴田聡子さん。場所も気になっていたけどずっと行けなかった喫茶ゆすらごです。
 
ゆすらごは少し交通アクセスが悪い(大通りの間の路地にあるので、最寄り駅から歩いていくのはきつい。基本自転車な感じ)。だもんで、車で行ってきました。側までは迷わず行けたんですが、京都の路地独特の一方通行地獄に迷い込んでしまって泣きそうでした。
 
なんとか到着して中に入ってみると、町家を改装したのかな、京都らしいレトロな雰囲気な店内でした。畳の感触とか懐かしいな。チケットは売り切れとのことで、最初はまばらだったお客さんも、気がつけば一杯になってました。いっぱいといっても50人くらいなので、アットホームな空気でとてもいい雰囲気。今回の出演者みんなギター弾き語りで、合わないはずがない。
 
 
トンチャイ・K・ウィーラセタクン
甘い声で、フォークやボサノバっぽい曲に変な歌詞が乗ってました。メロディーもいいし、演奏も上手いのに、「タロイモ太郎」とか「サカナは炙ったイカでいい」とかいう歌詞で全部台無しにしてた。しかも、淡々と歌っていたから、お客さんも笑いを堪えている様子。この台無し感がとても良かったです。本当面白かった。
 
 
 
 
 
柴田聡子
柴田さんのライブを観るのはいつぶりだろう。1年は経ってないけど、半年は経ってると思う。アコースティックギター弾き語りで、こういう空間だとすごい映えるなー。
 
最初の曲は「悪魔のパーティー」から。新譜の中でも特に好きな曲からのスタートでめちゃ嬉しかったです。こういう少し深緑な音色の曲は大好き。そこから2曲ほど演奏して、おもむろにMCへ。お客さんに「薄めにしてもらっていいですか…」と言って光るメガネをつける柴田さん。突拍子もないこの展開に爆笑の場内。友だちが作ってくれたそうで、その紹介。このメガネにちなんだ曲を作ったということで、「やります」と。そのメガネを外して歌おうとされましたが、お客さんからの声に負けてメガネつけたままで歌ってました。照明も暗くして、暗い中で柴田さんのメガネだけが光る…。シュールな映だったなー。
 
その後は普通に歌ってました。40分くらいかな。ほとんど知らない曲ばかりで、知ってるのは最初の曲と最後にやった「ニューポニーテール」くらいでした。どんどんできる曲。そのどれもが素晴らしくて、びっくりする。あと、ギターの弾き方が変わったような気がしました。けっこうパーカッシブに弦を叩くような感じの演奏になってて、前はこんな感じやったかなと思いました。
 
常に変わり続ける柴田さん。その時、その瞬間瞬間が切り取られたような歌に感動しました。涙流す感じでなくて、しみじみと感動してた。
 
 
 
 
 
井手健介
完全に初めてです。クラシックギター弾き語り。ちょっと頼りなさそうな外見と優しい歌声に少しずつ惹かれていきました。後半2曲かな、新譜で柴田さんがコーラスで参加されたってことで、一緒にされていて、めっちゃ良かったです。声の混じり方が、耳が気持ちよくてとろけそうでした。約40分。ゆすらごの空間と歌が溶け合っていて、素晴らしかったです。
 
で、アンコールでは柴田さんと井手さん2人の共演。カバーで3曲ほど。最後の最後がまさかのマッキーのカバー。井手さんのギターと、そろばんをパーカッション代わりに、コーラスをする柴田さん。演奏はちょっとぎこちなかったけど、そのぎこちなさの微笑ましい感じとお客さんの笑顔で本当に幸せな空間ができあがっていたと思います。
 
 
 
 
 
終わってみれば、22時近く。真冬の京都の街の外れで行われた幸せなホームパーティーって感じで楽しかったです。

1.11 MOST、the原爆オナニーズ /京都磔磔

f:id:otakebi:20160111171904j:plain

 
 
行かない確率0%。Phewさんのツイートで見たとき、自分の思い描いていた理想の組み合わせのひとつが実現したと思いました。その後に発表された広島でのライブも行き、年明け最初の連休は2日間、MOST追っかけツアーとなりました(その前日に山本精一さんのソロを観ているから、山本さんは地味に3デイズやった)。
 
当日は、朝、東京から来ていたMOSTを追いかけてきた友人の皆さまと一緒に京都へ向かう。友人たちは倉敷で降りて観光してから京都に向かうとのことで、一旦帰って寝たかった自分とここでお別れ。半日後に京都で会うのですが…。この友人の皆さまは、この3連休ずっと観光とライブで有意義な時間を過ごされた模様。凄いパワーでした。
 
お昼に京都着いて、家で一眠りしてから磔磔へ。開場時間10分前くらいに着いたらけっこうなお客さんが集まってました。店売りチケット買っていたので、サクッと中に入り、奥のテーブル席へ。今回の磔磔は両サイドと後方にテーブル。前方はスタンディングエリアというレイアウト。この2組ならこのレイアウトがええやろな〜。お客さんの年齢層はけっこう高めだった気がしました。
 
 
まずは「Down in a Flame」から。マイクスタンドの有りで歌うタイロウさんは結構珍しい?「なんにもない」までそのスタイル。ジョニーロットンのマネらしい。その後は普通にマイク持って歌ってました。タイロウさんの声は本当に好き。おじさんの声なんだけど、いい意味での年期や深みがあって、それでいて無邪気さもある。お客さんにマイクを向けて一緒に楽しむ。そういうスタイル最高です。自分もマイク向けられて叫んでたけど、友人曰くあんまり声出てなかったらしい…。昨日で疲れ過ぎたのか。
 
エディさんのゴリゴリのベース。重さも速さも兼ね備えているシノブさんのギター。ジョニーさんのドラムも最高過ぎる。バンド全体の演奏は、ソリッドでキレキレで全然現役なところは本当に凄過ぎると思います。30年以上、自分と同い年くらいのバンドが、続けるだけでも大変だろうに、現役であり続けるところは感動でしかないです。こういうことを考えるのは、ライブの後。ライブ中はとにかく踊って叫んで何も考えずに楽しんでいる。ただ楽しいから楽しんでいる。
 
今回の演奏は40分程。前半は定番曲から少しだけ外したようなセットだった気がしました。自分の特に好きでライブでもよく演奏されてる印象がある「Step Forward」や「I Will」がなかったからそう感じただけかもしれませんが。
 
 
 
 
MOST
セッティングが終わり、メンバーが揃ってからスタート。最初は「どうでもいいじゃない」からでした。うん、いきなりテンションはマックスまで持っていかれました。そこからは狂ったように踊るのみ。
 
ステージに目をやれば、少しダボッとした衣装で手をブラブラさせながら独特なリズムの取り方のPhewさん。この様子がなんか可愛らしくて自分も友だちも絶賛でした。めっちゃステキやった。そんなPhewさんかの後ろでは茶谷さんがドラムセットから飛び出しそうな勢いでドラムを叩いてる。このドラムの音がね、むちゃむちゃ速いんです。しっかり太い音でバンッと自分の身体を貫いてくるよう。で、両サイドに目をやると、ギターを掻きむしる2人の山本さん。前半はけっこう大人しかったですが、凶暴な音。後半は2人ともぶっ壊れてた気がしました。MOSTがMOSTの演奏をするためには西村さんのベースの存在が大切。このベースがメンバーを繋ぎ止めるような役割がある気がしました。
 
今回のライブでは新曲もあり。「ハタ坊」はミドルテンポでダークで重たいリフが印象的な曲でした。むちゃむちゃ好きです、この曲。あっという間の40分くらい10曲。アンコール込みで50分くらい。アンコールは「ジョニー」でした。このテンションでやり続けるにはこのくらいの時間が限界なのかな。
 
MOSTのライブはいろんな意味でぶっ壊れてるところが好きです。大体のパターンは、山本精一さんのあやふやなイントロから無理くり曲に持っていく流れ。「これで合ってる?」みたいな感じで。盛大にイントロ間違えたり、曲間違えたりもけっこうある。で、基本、CD通りには弾いてないような…。今回も、本編最後で思いっきり「1・2・3・4!!!!」ってカウントして曲間違えてました。でも、そういうあやふやさが、半ばやけっぱちみたいな演奏に繋がって、MOST特有の爆発力になるんじゃないかと思いました。こういうのはライブならではですね。
 
 
 
 
 
終わってみれば20時半。早めの終演でした。その後は、友だちの皆さまと打ち上げして年明け最初の連休は終了です。次の日から首が痛くて、1週間近くダメージを受けてました。ここまでなるのは、このバンドくらいです。
 
ここ1年くらいはちょくちょくライブをしてくれるので、このままたまにでもいいからライブは続けて欲しいです。お客としてここまで壊れられるバンドって他にはそういないのでー!